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 海での出来事


近藤さん……海に行こうなんて言い出して何考えてんだよアンタは。


「よーし、じゃあ今から自由行動にするぞ。
各自、好きな所で泳ぐなり砂山作るなり好きな事していいからな」

「「オォー!!!」」


「はぁ……」


完璧遊びに来てんなこりゃ……どいつもこいつも浮かれやがって。


「おいトシ、今からスイカ割りするんだが…一緒にどうだ?」

「いや、俺はいい」

「なら皆の分の飲み物買ってきて下せェ。
むこうに海の家があるんで」

「なんで俺なんだよ!!お前が行け!!」

「土方さんしか暇な奴がいねぇからでさァ。他の奴らはスイカ買いに行ったりしたからねィ。
あ、因みに俺は会場作り」


会場作りってなんだァァ!!!!



数分間言い合いをした後、結局俺は買いに行くことになってしまった。

総悟に財布を渡されて少し離れた場所にある海の家へ向かう。


「クソッ…なんで俺が……」

ブツブツと文句を溢しながら向かっていると、目的地である海の家から煙が。

「火事か…?」


歩く足を速めて海の家へ向かう。
目の前まで来たところで人が出てきた。


「ゲホッゲホッ……
んだよこのポンコツ!!!
全然役に立たねぇじゃねーか!!」

「…銀時?」


…目の前に現れたのは、銀時だった。
なんでこんな所にいるんだと聞こうとしたが、大体予想はついたからやめておいた。


「…で、何があったんだよ」

「えーっと……まぁ色々と…」


俺がどんなに追求しようと、なにかとごまかされた。


「まぁなんだ、せっかく来たんだし…なんか食ってけよ」

と言われて無理やり店の中へ連れられる。
そして椅子に座らせられ、頼んでもないのに眼鏡のガキが焼きそばを運んできた。

まだ頼んでねぇよと抗議すれば、どうせ焼きそば頼むつもりだったんだろ?と決め付けられた。


納得はいかなかったがとりあえず食べてみることにする。


今俺の目の前にあるのは、
普通の焼きそば。

しかし俺から見れば、
普通じゃない焼きそば。


「オイ、足んねぇよ。
マヨ…」
「あーやっぱりダメか……
わかったわかった。今から持ってくっから。
おーい神楽ぁ、アレが足んねぇんだとー」

「了解アルー」


…分かってんなら最初からそうしろってんだ。
煙草に火をつけ待つ。


「ほらよ、これで問題ねぇだろ」


目の前に置かれた焼きそばを見て固まる。

「…オイ…なんだこれは…」

「焼きそばです」

「んな事は分かってんだよ!!その焼きそばの上にかかってるソースはなんだって聞いてんだァァ!!!」

嫌がらせか!?分かった上での嫌がらせかコラ!!!


銀時に怒鳴りつけてもコイツは謝りもせず、


「仕方ねぇだろマヨネーズ切らしてんだから。
今新八が買いに行ってる。
だからそれで我慢しやがれ」

軽く開き直りやがった。


「食えるかこんなもん!!!!」


ただでさえ今日は苛ついているのにさらに苛々をつのらせる。

内心では銀時に会って少しは緩和するかなとか思っていた。
だが、結果は余計に苛々するばかりだった。


「…はぁ…仕方ねぇな……


なら俺を喰えば我慢出来るか?」


咄嗟に耳元で囁かれた言葉に唖然とする。
いいのか?と聞こうと口を開いたところで、

「ま、んなこと死んでもいわねぇけど」

と言われた。


そろそろ苛々の限界が来ていた俺は、銀時と居たいがここから出ることにした。

「ちゃんとお金は払ってね」

とか言ってきた銀時を可愛いと思いながらも勘定を済ませる。


「えーっと……
合計で15200円になりまーす」

「いや、値段高すぎだろ!!!
つーか合計ってなんだ!!
俺焼きそばしか頼んでねぇだろ!!てか正確に言えば頼んですらねぇし!!」

「えー、焼きそば200円と……
ラムネ代。

ラムネ1本500円だから」

「ラムネめちゃくちゃ高ぇじゃねーか!!!!
つかラムネとか俺頼んで…」


あ、まさか……


総悟ォォォ!!!!!


「いや…本当は100円なんだけどね、沖田君が500円でいいって言うから…
だから30人分で15000円」


やっぱり総悟の仕業かよ!!!
あのヤロー覚えてろ!!!!


「15000円なんて払えるかふざけやがって…」

「えー…払ってくんねぇの?
払ってくれたらサービスしてやろうと思ったのにィ」

わざとらしく言いながら抱きついてくる銀時……これは作戦だと分かっている。



「…チッ……分かったよ」

分かっているのに乗せられてしまう。コイツが可愛いから。

「さっすが土方く〜ん。
太っ腹だなぁ」

にこにこしながらまいどありー!!なんて言ってる銀時。

「よし、んじゃサービスしねぇとな」


何をしてくれんのかと少し期待をしていたら、

「またのご来店を心よりお待ちしてまーす!」

営業スマイルでそう言って、
そこら辺の奴が見たら引きそうな、そして俺から見れば誘っているようにしか見えない…投げキッス。

「………」

「サービス終了っ。
んじゃな土方」


呑気な顔してヒラヒラと振る手を掴んで、ぐいっと引き寄せる。

「わっ…と……何だよ?」

「…まさか…本当にそんだけで終わらせるわけねぇよな?」

「え…?
い、いや…終わりに決まって…」

「後で…向こうにある岩陰に来いよ。

……たっぷりサービスしてもらうかんな」

耳元で囁き、ニヤリと笑う。


そして真っ赤になって固まっている銀時をその場に残して、




「ぁッ…ん……も…むり……
ひじかたぁ……」


後でやる行為を思い浮べながら近藤さん達の元へ戻った。



END


あきゅろす。
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