勘違いか否か
次の日から、俺は真面目に授業に出るようになった。と言ってもほとんど寝てるけど…。
でも今のとこ全部の授業に出てるし問題なし。しかももう一か月経とうとしてんだ。頑張った俺、よくやった俺。
で、なんで授業に出るかって?
土方先生と付き合う事になってすぐ、あんな事言われちゃあ出るしかないに決まってんだろ。
『よし、んじゃ明日からちゃんと授業出ろよ』
『いやいやいや、冗談に決まってんでしょ。俺は男と付き合う趣味ねぇし』
『でも、もう決まった事だ。
もし明日授業に出なかったら分かってるよな?』
『分かるかコノヤロー』
『…お仕置きだ。俺達は付き合ってんだ、それ相応のお仕置きしてやるよ』
あん時の土方先生のニヤリと笑った顔…すっげー寒気がした。初めて見た顔だったし…なんか変態っぽかった。
そしてその時、俺は土方先生にまんまとハメられた事に気づいたんだ。
…今思い出しても腹立つ。
「なぁ銀時…お前、彼女作らねぇの?」
「別に、今は興味ない……あ、そうか!」
ガタン、と音を立てて立ち上がった俺。ダチはキョトンとしてこっちを見てる。でもそんなこと今はどうでもいい。
(そうだよ彼女だ彼女。恋人作っちまえばアイツとの関係も終わりだ)
思い立ったらすぐに行動する派の俺は、次の授業は土方先生だってのも忘れて教室を出ていった。
つってもいきなり彼女なんて出来ねぇよなぁ…誰でもいいから誰か紹介してくれる奴……あ、高杉がいた。
「…ん……あれは…坂田…?」
後ろの方で土方先生が俺の姿を捕らえていたのにも気づかずに、俺は鼻歌を歌いながら高杉がいるであろう屋上へと歩いていった。
屋上に着けば、やっぱり高杉がいて寝転がってボーッとしてる。小走りで高杉の方へ行くと見下ろしてにっこり笑いかけてやった。
「たーかすぎっ、誰でもいいからさ…女紹介してくんね?」
「あァ?
なんだってんだいきなり…欲求不満か?」
「違う違う。
今面倒な奴と付き合ってる事になっててさー。だから彼女作ればソイツとの関係も終わるかなって」
自分の顔の前で手を合わせて必死にお願いした。高杉の奴なら女の一人や二人、すぐ紹介してくれるはずだし…他にこんなこと頼める奴いねぇし。
しばらく黙ったままの高杉は、怠そうに起き上がるとじーっと俺を見つめてきた。俺は頼むよ高杉くんってしつこくお願いし続ける。
「………要するに、別れる口実が欲しいんだろ」
「そーそー。だから2日でもいいから形だけでもいいから恋人が欲し…おわっ!?」
いきなり視界が変わって後頭部を地面にぶつけた。一体何事かと思って倒れる瞬間に閉じた目を開けば、目の前には高杉がいて、高杉の後ろには青い空が広がってる。
…つまりは組み敷かれた状態。
「いってーな!!何すんだよいきなり!!」
「ククッ…悪ィ悪ィ。
お前に協力してやろうとしてるだけだ、安心しなァ」
そんなことを言っている高杉だけど、なんで服を脱がしてんだよ。
言ってる事とやってる事が矛盾してるし。
「…オイ、何が協力だ、離せ変態が」
「今からお前を動けなくなるくらいまで抱いてやらァ」
「は?
いや、んなことしなくていいからっ…んっ」
やだ、嘘だろ、男とヤるなんて…誰かっ…これは夢だと言ってくれ…っ…
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