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 幸せな日


「銀ちゃん!!早く起きるネ!!」

「ん〜…なんだよ…
今日は依頼もねぇんだから
まだ寝かせろよ……」


いつもは神楽も寝ているのに今日は違った。俺よりも早く起きて何故か俺を起こす。

「…マヨラーが来てるアルヨ」


ガバッ!!


「ちょ、お前早く言えよそういう事は!!」

土方が来てると聞いて慌てて飛び起きた。
顔も洗いたかったが、それは我慢してとりあえずバタバタと着替える。


「悪い土方!!
って……あれ…」

「嘘アル」

「………テメェ神楽ぁぁぁ!!!!」


ハメられた……
やべっ…なんかすっげー恥ずかしくなってきた!!

隣ではにやにや笑いながら俺を見ている神楽。

そんなに好きアルかぁ?あのマヨラーが。なんて言いながら腹を抱えて笑いだした。


「…出かけてくる!!」


いたたまれなくなった俺は万事屋を出て町を歩く。

でもこれといって行く所もない。
ただぼーっとしながら外を歩いていた。


「こんな所にいやがった」

「ん……土方?」

ふと後ろから声がして振り返れば俺の恋人が。

少し息を切らしている様子からして…走り回って俺を探してたみてぇだ。

「…そんなに俺に会いたかったのか?」


少しふざけてからかうように言えば、


「あぁ、会いたかった」

と真面目な顔をして返された。

自分からふっかけたのに、一気に熱が上がって顔が真っ赤になる。


「…フ…顔真っ赤になってんぞ」

「う、うるせーっ」

「…銀時……ほらよ」


ポイッと渡されたのは、
チョコレート。

え、今日バレンタイン?
まだ10月だよね?
ハロウィンにしても早いし…
何がなんだか分からない。

一体なんで…?


「あの、土方……」

「心配すんな。
それだけなわけねぇだろ?」


そう言うと俺に近づいて…


ちゅっ


「!?
なっ、何すんだよこんな所でっ」

「誕生日おめでとう、銀時」


土方の口からは思ってもみなかった言葉が出てきた。

そして抱き締められて…
今日はずっと一緒に居てやるよって言われた。


そーいや今日俺の誕生日か…
なんて間の抜けたこと呟いたら、土方にクスクス笑いながらお前らしいなって言われて、少し腹立った。


でも正直な気持ちは……


「ありがと土方。
俺すっげー嬉しい」


一番愛しい人に一番最初に誕生日を祝われ、しかも今日はずっと一緒に居てくれる。

こんなに嬉しい事はない。

こんなに嬉しくて幸せな日は初めてだ。


自然と頬が綻んで思いっきり土方に抱きついた。
そして今日は…今日だけは土方にたくさん甘えた。


愛してるよ土方…
最高の誕生日をありがとう。



END


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