なんていうベタな夢だと思った。だって、いくら超次元つったってこれは無い。無いはずだ。うん無い絶対おかしい。
「うんうんうるさいよ半田ぁ」
「これが唸らずにいられるかー!」
普段より低い視線に、上からの自分のものであるはずの声。混乱するなという方が無謀なものだ。衝動に任せて頭を掻きむしる。柔らかい猫っ毛が顔の横で揺れた。
「一先ず原因云々は置いといてさ、この状況を楽しもうよ」
自分の声に慰められ、自分の手で頭を撫でられる。何て言うか、複雑だし悔しい。
見た目は完全に俺だけれど、中身はマックスに違いは無くて。些細な動きが全然違う。普段ならどうとも思わない女子みたいな動きとか、俺の体でやられるとやっぱり何かが違って見えてくる。
「……このまま戻らなかったら、責任取れよな」
恐らく上目遣いになってるんだろう、俺の見た目をしたマックスがちょっと赤くなった。おふざけでのきもちわりいぞ、とは口にしない。なんとなく今の雰囲気を大事にしたかった。
「……ボクは、戻っても戻らなくてもそのつもりだよ」
「ばっ……かじゃねぇ、の」
さわさわ頬を撫でてくる手に目をつむった。かつては俺の、今はマックスの手。それが目元を撫でて、あっと言わないうちに唇同士が合わさった。目を開けたら、元に戻っているだろうか。一切合切どうでも良くなった。今俺の世界には、俺とマックスしかいないんだから。
君がいるならこれでもいいや
僕は君で君は僕で。様に提出させて頂きます。最後がなんかアレですいませんでした…orz
参加させて下さり、ありがとうございました!
2010/9/27