[携帯モード] [URL送信]
二度めまして、(マッハと半田)

※捏造マッハ


夕陽を背負って走る俺が、大空と真昼の太陽を背負ってボールを追い掛ける奴を見始めたのはいつだったか。一年の頃からクラスも違ったし、まともに話すことはなかった。ただ、陸上部を抜けてからも交流のある風丸の口から、その名前を聞く事は何度かあった。
初めて会話と言える会話をしたのは、河川敷での事だった。なんとなく走りたくなって通りがかった河川敷。少し休もうとスピードを緩め始めた矢先、そのきっかけが足元に転がってきた。

「おおい、それ投げてくれないかー?」

声のする方にはサッカー部のユニフォームを着た泥だらけの男。そいつが半田真一だった。言われた通りにすればよかったのに、白と黒のボールを俺は自分の手で持ち上げた。そのまま、ぽかんと口を半開きにする男のもとへ歩いて行った。

「ほらよ」
「お、サンキュな。速水だっけ?」
「…なんで、俺の名前」

大会やらでそこそこ有名になっているとはいえ、いきなり名前を呼ばれるのはまだ慣れない。受け取られないまま俺の手にあるボールを、顔も知らなかった奴がポンと叩いた。

「風丸からよく聞くんだよ、陸上部の事。あ、オレ半田な。半田真一」

ボールありがとうな、と改めて出してきた手を少し眺めて、自分の手の中のボールを見た。

「…俺もやってもいいか」

当然そいつ…半田真一はまんまるい目をこれでもかと見開いて驚いた。言った俺も同じ顔で驚く。今思えば、ただもっと話していたかっただけなんだろう。

「ちゃんと教えらんないけど、それでも良いなら」
「ああ、頼む。あと俺の事はマッハでいい」
「マッハ?」
「名前が真刃、だからだとさ」

ぽんぽん跳ねる白黒に合わせて会話も弾む。俺でも蹴り返しやすいボールを寄越してくれるのがなんとなく嬉しい。

「サッカーやってたのか?」
「いや、初めてだな。案外楽しい」
「初めてぇ!?」

その声にリズムが途切れた。返ってこないボールに半田を見る。なんとも言えない顔をしていた。待っていてもボールも言葉も返って来なさそうだから、また歩いて半田に近付いていく。

「最近の陸上部はサッカーも出来るのかよ…」
「ただ蹴るくらい誰でも出来るだろ…」

拗ねたようにぶつぶつと何か呟き出した半田の頭を、何を思ったかぐしゃぐしゃとかき混ぜる。男にしては柔らかい髪だ。

「今より俺よりもっと上手くなりゃいいじゃん。だろ?」

そう言ってもまだぐすぐすと不機嫌な半田をなんとか宥めて、それでその日は別れた。何となく、また会いたいなの一言を言わないままで。どうせ同じ学年なんだ、そのうちすれ違うくらい出来るだろうと。なんとなくもやもやした感情を抱えたまま眠った。
だから、次の日に円堂にスカウトされたのには心底驚いた。半田や風丸を引き連れて現れた円堂は、たった一言こう言った。

「サッカーやろうぜ!」

と。
だから俺は、風丸の後ろで気まずそうにそわそわしている半田に苦笑して、それから円堂の手を力一杯握り締めた。

「ああ、よろしくな!」






一緒の部活になれば、もう少し半田に近付けるかな。












マッハが迷子/(´^q^`)\
(´・ω・`)の顔に全てを詰め込みます…
最後…なんなんだこれ…
要するに半田かわいいよって事です
マッハってどんな奴なんだい…

最初のこっぱずかしい夕陽やらはユニフォームの色です、マッハごめん

2010/7/18 2010/7/19



第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!