誰か
※カニバリズム要素あります
「ぅげ、」
込み上げる吐き気を堪える事もしないままで黒い地面に膝を付いた。体を折り曲げる。胃が圧迫されて、余計に気分が悪くなってしまった。自業自得。この状況も空気も気味の悪さも全て。
「がはっ…ぁ」
びちゃり、びちゃり、確実に折角食べた昼食が外へと追い出されてゆく。半端に消化されて尚かたちを保ったままのものたちに少し感心した。これが自分の中で栄養となり体の一部に溶け込む筈だったのだと思ってしまえばそうも言っていられなくなるのだが。モザイクを掛けたくなるような吐瀉物、すえた臭いがつんときつい。
「はあ、もったいない」
唇に付いた、あかい滴をぐいと拭う。かろうじて口の中に留めた肉塊を噛み締めて細かく砕いてしっかりと飲み込んだ。もう吐き気はどこかへ行ってしまったらしい、どうとも思わなくなっている。
「やっぱ生は美味しくないなあ、」
自分も同じ味がするんだろうか。利き腕じゃない方をじっと見つめる。成長途上の体は筋肉もあまりついていなくて、それほど固くなさそうだ。片腕だけなら大丈夫。手も足も二本ずつあるんだから、一本くらい無くても生きていけるはず。
「…、いただきまぁす」
一撫でしてかぷりと噛み付く。うん、柔らかい。
自分の味は、さっき食べたのよりもっと美味しかった。癖になっちゃいそうなくらい。気を付けないと、自分で自分を食べきっちゃうかも、なんてね。
ごめんなさい^q^
楽しかったです……
2010/8/4
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