態度で示そうよ(※18禁)・9


 ふいごのように上下する背中にぴったりとくっついて、溜まっていたものをすべてカイジの中に出し尽くしたところで、アカギは深く息をついて腰を動かすのを止めた。
 歯形がつくほど強く噛んだ肩に舌を這わせながら、カイジが落ち着くのを待って声をかける。
「どう? 満足……」
 言い終わらないうちに、カイジが強く首を横に振ったので、アカギは目を丸くして言葉を切る。
「まだまだ、もっとだ……」
 見るからにヘトヘトなくせに、掠れた声で呟くカイジに、アカギは呆れたように笑う。
 どうやら、長く訪ねなかったことを、相当根に持っているらしい。
「……わかったよ。ほら、好きにしな」
 アカギが体を離し、中からズルリと抜け出ると、それにすら感じたのかカイジはちいさく声を上げる。
 それから、「ああ、好きにさせてもらう」と呟いて、アカギに向き直った。
 肩を押され、素直に仰向けになったアカギの腰の上に跨がり、カイジはアカギをまっすぐに見下ろす。
「まだ、萎えてんじゃねぇぞ……」
 恨めしげにそう言って、カイジはアカギの腰を挟んでふらふらと膝立ちになる。
 後孔から垂れ落ちてきたアカギの精液が、白く太股を伝う。
 それを指で掬い上げ、カイジは自分の後ろにその指を突っ込んだ。
「ん、っく……ぅあ、っ……」
 目を閉じて眉を寄せ、自分の後孔を指で掻き回す。
 ぐちゃぐちゃと音がして、鼻につく匂いとともにアカギの放った白濁が筋をつけて次々と流れ落ちてくる。
 溢れる側からカイジはそれを指で掬い、勿体ないとでも言うかのように、自分の後孔に擦りつける。
「あ……ん、はぁ、アカギ……っ」
 意図的な甘みを帯びた声で、カイジは縋りつくようにアカギの名前を呼ぶ。
 指が出し入れされているところはアカギから見えないが、カイジは殊更想像を掻き立てようとするかのように、大きく手を動かしては身を捩って喘ぐ。
 二度も解放しているというのに、カイジのモノはまた微かに兆し始めていた。
 自分の上に全裸で跨がって、中に出された精液を潤滑剤代わりにオナニーして、その上、勃起しながら自分の名前を呼ぶ、ここまで卑猥なカイジの姿を見るのは初めてで、アカギも今さっき出したばかりにも関わらず、自身が熱を帯びてくるのを感じた。
「……もう、いいよ。カイジさん」
 アカギが声をかけると、カイジはうっすらと目を開き、半勃ちになったアカギ自身に目を落とすと、勝ち誇ったような顔になった。
 カイジにまんまと乗せられてしまったのが、やや面白くない気もしたが、アカギにとってそんなのは些末事だった。滅多に見られない恋人の、こんなに積極的な姿を見られたのだから。
 しかしカイジをこんな風にさせた原因は紛れもなく自分自身で、羞恥心の塊であるはずのカイジがこんなになってしまうような思いをさせていたのだと知り、アカギの中にほんのちょっぴり、カイジに対してすまないような気持ちが湧いてきた。
 それは放っておけば一分と保たずに消えてしまうような気持ちだったが、アカギは自分を跨ぐ恋人の姿を黙って見上げる。
「……っ、なんだよ……?」
 アカギのモノに手を添えて、自分の後ろに擦りつけていたカイジは、アカギの視線に気がつくと、ムッとした顔になった。
 浅く上がった呼吸を繰り返しつつ、自ら男のモノを受け入れようとしている姿は、可愛くて、淫らで、痛々しい。
 アカギは薄く笑うと、カイジの腰に手を伸ばす。
「カイジさん」
 意外に締まっていて、まっすぐな腰のラインを緩く撫で上げ、カイジが怪訝そうな顔をしたちょうどそのとき、アカギはたったひとこと、呟いた。

「ごめんね」
「……ッ!? あっ、あぁあ……!!」
 
 すぐさま指が食い込むほど強く腰を掴まれ、ずぷりと男根を飲み込まされ、カイジはビクンと体を痙攣させる。
「はぁっ、あ、アホ……っ! こんな、いきなり……ッ! んぁっあっ!!」
 強い衝撃に目を見開くカイジには、アカギの呟きは届かなかったか、届いていたとしてもそれどころじゃなくなってしまったようだ。
 アカギは上体をやや起こし、カイジを下から激しく突きまくる。
「あっ、あっ! アカギっ、やめ、あうぅっ……!」
「嘘つき。ほんとは、やめて欲しくなんかないくせに」
 ぐちゅ、にゅるっ、と粘着質な音をたて、滑りの良くなった中を泡立てるように突き上げていると、開きっぱなしの口から涎を垂らしてカイジはよがる。
「ぅあっ……! あ、んんっ、アカギ……っ」
 快楽に潤んでとろんとした目を見ながら、アカギが右手をカイジに向かって伸ばしてやると、カイジはすぐさまその手に自分の左手を重ね合わせ、指を絡めてぎゅっと握ってきた。
 汗ばんだ、熱い手のひらの感触。アカギの手を支えにして、カイジもアカギの突き上げにあわせて無意識に腰を振り始める。
 ふたりで動くと快楽は増幅され、カイジは勃起した陰茎を揺らしながらアカギの上で乱れた。
「あーーっ、あっ、いい、アカギ、めちゃくちゃ、いいっ……」
 しゃくり上げるような声を上げ、カイジはアカギに快感を訴える。
 キツく収縮する孔をガツガツと激しく穿ちながら、アカギはカイジの腰を掴んでいた手を離し、股間で揺れている竿を握る。
「あぁぁっ! いや、だ、そこ、触ったら、またぁ……っ」
「また……イくの? いいぜ、出しなよ……」
 過ぎた快楽に半狂乱になるカイジのモノを、アカギはしっかりと握って根本から扱く。
 アカギの手の中で、カイジのソレはくちゅくちゅと音をたてて擦り上げられていき、真っ赤な顔でビクビクと体を震わせながら、カイジは極まった声で叫んだ。
「あ、や、いく、あかぎ、イっちまう……っ! うぁぁっ……!!」
「……っ、」
 カイジは背を仰け反らせ、アカギの腹の上に色のない液体をごく少量、放った。



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