携帯(※18禁)・3



「だれ、って……、そんなの、自分で、考え、ろよっ……! っは、ぁ……」
 しつこく胸を弄くり続けていると、やがて、カイジは体を悩ましげにくねらせ始める。
 電話の相手は、カイジじゃなかったら誰に交代を頼めばいいのか、とごねているらしい。

 息が上がり、ともすると卑猥な声が漏れてしまうカイジの口調は、一刻も早く通話を早く終わらせたいせいか、苛立っているみたいに乱暴になってくる。
「あ? べ……つに……、怒っちゃ、いねえけどよ、っ……」
 どうやら、通話相手はカイジが本気で怒っていると勘違いしているらしい。
 ぴくぴくと体を引き攣らせつつも、慌てて声を和らげるカイジに、やはりつまらない気持ちにさせられたアカギは、右手をカイジの下肢へと伸ばす。
「……!! っ……」
 カイジは信じられないといった顔になり、ふたたびアカギの腕の中で暴れ始める。
 だが、ひやりと冷たい手が下履きの中に侵入し、まだやわらかい男根を握ったとたん、カイジは体をきつく強張らせ、嘘みたいに大人しくなった。
 乳首を抓られた記憶が蘇ったのだろう。
 アカギはクスリと笑い、カイジの耳許に唇を寄せて囁く。
「そう……そのまま、おとなしくしてな……」
 甘い毒みたいにとろりとした声が、カイジの背筋をゾクゾクと震わせる。
 そのまま、カイジの耳にねっとりと舌を這わせながら、アカギは手中の塊をゆるゆると扱き始める。

「っふ……、くっ……」
 カイジは力いっぱい目を瞑り、与えられる直接的な快楽を耐え忍んでいた。
 だがどう頑張っても、微かな声は漏れてしまうらしい。
「だっ……だから、なんでも、ねえっ、て、言って、んんっ……、だろっ……!?」
 明らかに様子の豹変したカイジを、またも相手が怪しんでいるのだ。
 カイジは必死になって平静を装おうとしているが、アカギが聞く限り、その努力はまったくの無駄であった。
 声は上擦り、荒くなった息は通話口を通して相手にも届いているに違いない。

 ほどなくして陰茎も頭を擡げ始め、アカギの手のひらに確かな熱と弾力を伝えてくる。
「なぁ……我慢してないで、聞かせてやりなよ……、あんたの、やらしい声……」
 たっぷりと舐りつくした耳朶を甘噛みしながら囁くと、カイジは首をふるふると横に振る。
 すっかり弱々しくなってしまったカイジに満足げな笑みを浮かべ、アカギは手の動きを大きく、強くする。
 はっ、はっ、と忙しなく息をしながら背中を丸めてしまうカイジに覆い被さるようにし、硬く芯を持った肉棒を擦りあげていると、たまらない、といった風にカイジはぶるりと身を震わせ、
「ぁ……佐原、ぁ……」
 と呟いた。

 通話は依然として続いているのだから、カイジが相手の名を呼んだとしても、それは何らおかしくないことである。
 だが、アカギは片眉を跳ね上げると、叱責するようにカイジのモノを強めに握り込んだ。
「……っぅ!!」
 ますます前屈みになって、カイジは涙の溜まった目でアカギを見る。
 その顔には『なぜ?』とはっきり書かれていたが、アカギはそれに答えず、力を込めた手でふたたび陰茎を扱き始める。




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