同病相哀れむ(※18禁)・2
「は、ぁ、あっ……あっ……」
赤ん坊みたいな格好で仰向けに寝転んで、カイジさんは涎を垂らしてよがっていた。
尻孔から突き出しているのは、太いバイブの柄。
カイジさんは後ろで感じる才能があると思う。道具を使って開発し始めてからまだそんなに経ってないのに、あっという間にいちばん太いこのバイブを、ゴムなしでいとも簡単に根本まで飲み込むようになってしまった。
くぐもった音をたててカイジさんの中で蠢くバイブの柄を掴み、ぬる……と引き出してみる。
「あっ! あっ、し、しげるっ……!」
抜け出てくる感触にビクビクと体を跳ねさせるカイジさんを余所に、バイブをじっと観察する。
たぶん、いや確実に、オレのより太い。
呆れたようにため息をつきながら、オレはバイブをぬちゅぬちゅと出し入れする。
「んぁっ! あっ、あっ、しげ……んんっ……!」
「こんな太いのでよがっちゃってさ……カイジさんの淫乱……」
ぐちゅっ……ぐちゅっ……と中を泡立てるようにして掻き回すと、カイジさんは呼吸困難に陥ったみたいに、ひくひくと体を痙攣させる。
張りつめた赤黒いモノの先端から、とろ〜っと先走りが糸を引いて垂れ落ちている。
「今さらオレのなんて入れたって、物足りないんじゃない?」
がっかりした風を装いながら、オレは熟知しているポイントをわざと外して、カイジさんを責め続ける。
「あっ! や、いやだ、しげるっ、あっ、ぁ、んっ……!」
カイジさんはいやいやをするみたいに激しくかぶりを振り、オレになにかを訴えようとしてくる。
「なに……? どうしたの?」
「あっやっ、ぁん、それ、やめ、あああっ……!」
「はっきり言ってくれないと、わからねぇよ……」
口ではそんな風に諭しながら、バイブを動かす手をより一層激しくすると、うまく言葉を紡げないもどかしさに、カイジさんはぽろぽろと涙を零す。
「おま、おまえ、のっ……はぁ、あっ! あぁ、や、いやだ、ぅああっ……!」
きっと、オレのを入れて欲しいって言いたいんだろう。
前立腺を外しているから、カイジさんはこのままじゃイけないのだ。
だけど、きれぎれの喘ぎ声に邪魔されて、ぜんぜん言葉になってない。
「なに? ほら、もっかい言って? カイジさん……」
そう言ってカイジさんの方に顔を寄せるついでみたいにして、バイブを最奥にぐりっと押し付けると、カイジさんはとうとう、子供みたいに泣き出してしまった。
「うぅ……も、いや、だぁっ……! それ、抜いて、くれよぉっ……!!」
涙だか鼻水だか涎だか、わからないような液体でぐちゃぐちゃに濡れた、ひどい顔。
それでいて、むしゃぶりつきたくなるほど、色っぽくてそそる顔。
この人にこんな顔をさせられるのは、世界中でおそらく、オレしかいないだろう。
充足感が急速に心を満たしていき、オレは手を止め、ゆっくりとバイブを抜き取ってやった。
ぬちゅりとバイブを吐き出したカイジさんの孔は、塞ぐモノを求めてヒクヒクと淫らに蠢いている。
犬みたいに舌を突き出し、蕩けきった表情で、はー、はー、と息をつくカイジさんの耳許に口を寄せ、言葉を吹き込む。
「最後のチャンスだ、カイジさん……。オレにどうしてほしいのか、言いなよ……この口で、ちゃんと」
濡れた唇を指でなぞると、ひくりと喉を引き攣らせたあと、カイジさんはオレの顔を見て絞り出すような声で訴えた。
「……めて、くれ……っ、」
この至近距離でも掠れてしまった呟きに、オレは口端を吊り上げる。
「よく、聞こえなかったな。……やめてほしいの? ハめてほしいの? どっち?」
ぴんと立った乳首をくりくりと指で押し潰しながらやんわり問うと、カイジさんはぴくぴくと体を反応させながら、蚊の鳴くような声を出す。
「は、ハめ、て……、ほしい……ッ」
赤い頬に涙の筋をいくつもつけ、恥も外聞もなくねだってくるカイジさんに、オレは困ったように苦笑してやる。
「ちょっと……堪え性がなさすぎなんじゃない? すこしは我慢ってものを覚えないとね……」
叱られた犬みたいにびくりとするカイジさんにクスリと笑い、「まあでも、」とつけ加える。
「今日はたくさん、おねだりして頑張ったからね……ご褒美、あげないと……」
そう言いながら、すっかり硬くなったモノをカイジさんの尻孔に擦りつけると、「あ、」と声を上げたカイジさんの息が期待に荒くなる。
窄まりを先っぽでつつくと、簡単に飲み込まれてしまいそうなほどやわらかい感触に、思わず喉が鳴る。
堪え性がないのは、本当はオレの方。
いますぐこの中にぶちこみたいと逸る気持ちを抑えながら、オレは窄まりをカウパーでぬるぬると濡らし、カイジさんの顔を覗き込んで「入れるよ」と囁いた。
手で根本を支え、ぐっと腰を突き入れる。
「あ……あぁっ……しげる……っ」
大きく足を開いたまま、カイジさんは泣きながらオレを受け入れていく。
カイジさんの中はどろどろで、きつくて、オレのにぴったりと吸い付いてくる。
奥へ奥へと誘われるままに腰を進めていくと、オレの腰がぺちゃりとカイジさんの尻にくっついてしまった。
もっと抵抗があるかとばかり思っていたのに。オレはわずかな驚きとともに声を漏らす。
「もう、奥まで入っちゃった……」
すると、カイジさんは体を捩らせ、ぎこちなく腰を揺らめかせてみせた。
「な、なぁ……早く、動けよ……」
耳まで真っ赤になっての要求に、オレはごくりと唾を飲み、カイジさんの足を抱え上げると、ガツガツとそこを突き始めた。
「あっ! あっ、しげ……ぁ、んっ、しげるっ……!」
オレの名前を呼びながら、カイジさんは霰もない嬌声をその口からまき散らす。
「ん……っ、カイジさんっ……」
熱に浮かされたような声を上げ、オレは夢中になって腰を振った。
カイジさんの中は、めちゃくちゃきもちがいい。
突き入れるとオレを拒むようにきつく締め付けるくせに、抜こうとすると追いすがるように吸い付いて離そうとしないのだ。
でも、もっと、もっときもちよくなりたい。
ぬっちゃぬっちゃと音をたててカイジさんを犯しながら、オレは唇を舐めると、カイジさんのいいところを先端で擦り上げた。
「ひあっ!? ぁあっ、ぁんっ、しげるっ……!!」
カイジさんが弓なりに背を反らせた瞬間、中が今までとは明らかに違う蠢き方をする。
まるで、根こそぎオレを食らおうとするみたいな貪婪な動きに歯を食いしばり、負けじとソコを突き続ける。
「ぁはっ! はぁ、あっ! あぁ、いい、そこ、きもちぃ……」
カイジさんはびくびくと体を揺らし、涙を一杯に溜めた虚ろな目でひたすら快楽を貪っている。
精液を吸い上げようとしてくる肉壁の動きに、オレは恍惚のため息を漏らした。
「中、すごい……、きもちいよ、カイジさん……」
そう褒めて、頭を撫でてあげると、ふにゃふにゃになりながらも、カイジさんは確かに一瞬、嬉しそうな顔をした。
かわいそうなカイジさん。
出会った頃は、こんな風じゃなかったのに。
男で年下のガキなんかにハメられて、泣きながらよがり狂うような体に作りかえられちまって。
だけど、オレがこの人を、そういう風にしたんだと思うと、びっくりするくらいゾクゾクしてしまう。
だから、ごめんねカイジさん。
あんたには悪いけど、やめられそうにない。
どこまでもいやらしい体を存分に堪能するため、オレはさらに深く腰を進めた。
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