転じて福・3(※18禁)


 カイジが呆然としている隙を狙って、赤木はカイジの頬を両手で挟み、無理やり唇を合わせた。
「んぁ、ちょ、赤木さ……っ!」
 カイジは唇をかたく閉じ、赤木の舌の侵入を防ごうとする。
 追い詰められた黒い瞳を見つめながら、赤木はカイジの唇の周りを舌でなんどもなぞる。
「ん、ふ……っ」
 やがて、くすぐったさに堪えきれなくなったのか、カイジの唇がため息とともに薄く開かれた。
 すかさず、赤木はその隙間に舌をねじこむ。
「っあ……! ん、あぅ……」
 この期に及んでまだ逃げを打とうとするカイジの舌を、赤木はたやすく絡め取った。
 最初こそ赤木の舌を押し戻そうと頑張っていたカイジだったが、舌をやさしく吸い上げ、歯列をなぞり、上顎を舐め上げられると、徐々に抵抗も和らぎ、遂には自らも赤木の舌におずおずと絡み始めた。
「ん、んっ……ふぁ……」
 くちゅくちゅといやらしい音をたてて唾液を混ぜ合わせたあと、細い糸を引きながら唇を離すと、カイジは全身からすっかり力が抜け落ちてしまった様子で、くったりと壁にもたれかかって、上がった息を整えていた。

 半開きの口の端にキスを落とし、赤木はカイジの服を、ゆっくりとたくし上げる。
 露わになった平らな胸の上で、外気に触れたふたつの突起が、ぷつりと立ち上がっていた。
「ん……赤木さん……」
 困惑と期待に揺れる瞳を見つめながら、赤木はそこに唇を落とす。
 ぷちゅ、と音を立てながら吸い上げると、カイジは両手で赤木の髪をぎゅっと掴んだ。
「んぁ……あっ!」
「……あんまり、声出すなよ。外に聞こえるぞ?」
 突起を舌で転がしながら赤木が囁くと、カイジははっとして自分の右手の指を口に突っ込んだ。
 健気に声を堪えようとするカイジに笑い、赤木は左手でもう片方の乳首を摘まむ。
「っ! ぅ、く……っ」
 舌と指で弄くり回せば、カイジの体がひきつけを起こしたかのようにびくんびくんと震える。
 髪の間に差し入れられたカイジの指に髪を引っ張られて頭が痛むが、赤木は構わずカイジの好きにさせてやる。
 視線を上げれば、カイジは困り果てたように眉を下げ、自分の指を口に含んで唾液でべたべたにしている。
 その頬はやはり燃えるように赤く、はぁはぁと荒い吐息を漏らす口の端からは、透明な雫が滴り落ちていた。
 声をあまり聞けないのは残念だが、こうして必死に堪える姿は新鮮で、これはこれでそそる。
 そんなことを思いながら、赤木は床に躊躇いなく膝をつく。
「あ……赤木さんっ! 服、汚れちまう……、っ!!」
 焦ったような声を無視し、赤木はカイジのジーンズを下穿きごと膝の辺りまで一気にずり下ろす。
 むっと湿った汗の熱気とともにぶるんと飛び出た男性器は、キスと乳首への刺激で既に半勃ちになっており、カイジはいたたまれずにぎゅっと目を瞑り、顔を背ける。
 口の端に笑みをのぼらせながら、赤木は先端の小さな穴を舌でつつく。
「ほら……ちゃんと見てな。はしたなく勃起してるお前の恥ずかしいところを、俺が口で鎮めてやろうとしてるんだから」
 ことさら恥ずかしい言い方で責め立てられ、泣きそうになりながらも、カイジは従順に赤木の言いつけに従い、そろそろと目線を赤木の方へ戻す。
 目と目がしっかり合ったことを確認してから、赤木は赤黒い肉の張り出した部分を口に含んだ。
「っ! ぁ、は……っ」
 直接的な快感に、カイジの腰が震える。
 赤木は柔らかい頬の粘膜でカイジのモノを吸い上げつつ、雁首の周りを舌でぐるぐる舐め回す。
 たっぷりと唾液を絡めてぬるぬると出し入れすれば、くぐもった声とともに、口内にあるものの質量がぐんと増した。
 自分の指を噛み締め、だらだらと涎を垂らしながら、発情した表情で自分を見下ろすカイジを見て、赤木はふっと笑う。
 なんの前触れもなく、根元まで一気に口に含むと、カイジの口から悲鳴じみた声が零れ出た。
「あっ! や、あぁっ……!!」
 びくびくと体を震わせてから、カイジは『しまった』という顔をして、慌てて指をしっかりと噛み締め直す。
 今日初めて聞くはっきりとした嬌声に、赤木も欲を煽られ、激しくカイジを責め始めた。
「んっ、ふぁ……! あぅ、うっ」
 強く吸い上げながら頭をスライドさせ、にゅる、にゅる、と根元から先端まで余すところなく嬲る傍ら、空いた手で幹を擦り上げ、カチカチに固くなった陰嚢をやわらかく揉んでやれば、カイジは頭を強く振り、早くも限界を訴える。
「あ、あか……でる、もう、でちまうっ……!!」
「ん……出せよ……ちゃんとぜんぶ、受け止めてやるから……」
 そう言って、赤木が根元まで口内に包み込み、喉の奥を締めて先端を刺激すると、カイジは背中を丸め、赤木の頭を抱きかかえるようにして達した。

「あかぎさ、あっ、う、うぅっ……!」
 喉の奥にびゅくびゅくと熱い迸りを受けながら、赤木はゆっくりと頭を前後させ、カイジの射精を手助けしてやる。
 ぐずぐずと長く続いた鳴き声が終わる頃、赤木はようやくカイジのモノをずるりと口から引き抜いた。



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