Don't hold out something.・3(※18禁)
耳をたっぷり苛めつくしたアカギは、舌先でゆっくりと首筋をなぞりながら降りていく。同時に上半身の服をはだけさせられ、肌が冷たい空気に触れる。
「い、たっ……!」
鎖骨の上辺りにピリッとした痛みが走り、次いで、その上を慰めるように舌が這う。
「痕、つけただろっ……」
震える声でカイジは言う。
見えないからこそ、なにをされたか、言葉で確認せずにはいられなかったのだ。
「どうかな?」
アカギがすこし、笑う気配がした。
「ん、っ……」
まるで氷をすこしずつ溶かそうとするかのように、アカギの舌はカイジの全身をくまなく、丁寧に這う。
いつもとやり方が違うように感じるのは、目隠しのせいだろうか?
右胸の尖りにヒヤリしたものが触れ、カイジの体がおののいた。
「ひっ、ぁ、」
きゅっと摘ままれ、触れたものがアカギの指だったとわかる。
「つ、冷てえ、このバカ……あふっ!」
非難するも、すぐさま左側の乳首が生暖かい感触に包まれ、やわらかく吸い上げては転がされる。
胸を吸われるのに、カイジはいつまでたっても慣れない。他のどの部位を愛撫されるよりも強く、気恥ずかしさを感じるのだ。
まして、今は相手の反応が見えない分、余計に羞恥心が燃え上がる。
なすすべなく体が火照ってくるのを感じながら、くすぐったさと気持ちよさのちょうど中間のような、もどかしい刺激にカイジは激しく身悶える。
だが、手足の拘束のせいで、身を捩ることすらままならない。
「カイジさん、顔、真っ赤」
笑みを含んだ声で指摘される。
アカギが喋ったことで敏感な尖りに歯が当たって、言おうとした文句も甘く上擦る。
「あ、……ぅ、ん……」
小さく喘ぎながら、カイジはもぞとぞと太股を擦り合わせるようにしてくっつける。
ジーンズの下で自分の中心が痛いほど膨らんでいることは、見えずともわかりきっていた。
だが、それを目敏く見られていたのか、カイジの体の上からふっとアカギの重みが消え、代わりにぐいと膝を割り開かれる。
「!」
「どうしたの? 落ち着かなさそうにして」
わざとらしく訊きながら、アカギの手がジーンズにかけられたことに気づき、カイジは焦った。
「やめ、嫌だっ……!」
精一杯の抵抗も虚しく、ズボンと下履きを膝の辺りまで一気に下げられた。
「……っ!」
目隠しの下で、カイジは思わずぎゅっと目を瞑る。
暫し、無言の時間が続いた。
アカギの視線を、痛いほど肌で感じる。
天を仰ぐ情けない自分自身も、あの切るような瞳に見られているのだと、想像してカイジの目端にじわりと涙が滲んでくる。
やがて、アカギが口を開いた。
「あぁ……隠そうとしてたんだ? こんなに漏らしてるもんね」
もう十分赤くなっているだろう頬が、更に熱を持つのをカイジは感じた。
「ほら……」
「あ! は、あっ、嫌だっ」
先端をくりくりと撫でられては、にちゃ……と音をたてられる。
自身の先端とアカギの指先を透明な先走りの糸が繋ぐ様子が、音だけなのに実際に見るよりもリアルに伝わってきて、カイジはいたたまれなくなる。
こんなことをして、アカギはわざと、自分の羞恥心を煽ろうとしている。
わかってはいるものの、平静などとても保っていられないのだ。
ぎゅっと固く閉じられた瞼の間から、ぽろりと一滴涙がこぼれ落ち、目を覆うタオルにしみこんでいく。
「あっ……やめ、――っんん!」
突然、唇を割って生ぬるいなにかが口内に侵入してくる。
ちゅぷちゅぷと舌を弄ばれ、わずかな苦みが口内に広がった。
「どう? 自分の味は」
その言葉で、突っ込まれたのが自分の先走りに汚れたアカギの指だとわかり、カイジは頭を振って逃げようとするが、絡め取るように蠢く指からうまく逃れられない。
「ん、んん――!! ぁ、ふぁ……」
「あんた、恥ずかしいと感じるんだな。もうぐしょぐしょだ」
アカギがそんなことを言う度、カイジの瞳からは羞恥と悔しさで新しい涙が次々と溢れていく。
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