よくじょう・2(※18禁)
しばらく、ふたり黙って湯に浸かる。
狭いのには変わりなかったが、足が少しは伸ばせる分、さっきより多少マシになった。
湯の少なさも、斜めに体を倒しているのでさっきよりは気にならないし、なにより、人肌のぬくみで寒いのがカバーできている。
男ふたりで狭い風呂に浸かるのに、この体勢は理に適っていると言えた。
最初こそ、落ち着かなさそうにもぞもぞしていたカイジも、やがてリラックスしたらしく満足げに息を吐いた。
そんなカイジを見ながら、アカギはふと思ったことを口にしてみる。
「わざわざ湯を張らなくても、シャワーにすればよかったのに」
すると、カイジは得意そうな顔でアカギを振り返る。
「最近はずっと、シャワーで我慢してたんだ。しかも二日に一回っ……! でも今日は、お前が来るってわかってたからな」
要するに、アカギは水の入ったペットボトル代わりというわけだ。
しかしそんなこと、得意気に言うほどのことでもないだろう。
なんとなく脱力するアカギをよそに、カイジは
「あー……温まる。やっぱり、冬は風呂に限るなぁ」
などとオヤジ臭いことを言っている。
後ろから見える耳が、首筋が、ほんのり桜色に染まっている。
それを見たアカギは、ほんのちょっと、欲情した。
本能的な欲求には、逆らわないのがアカギである。
さっそく、カイジの耳元に唇を寄せ、
「もっと温まる方法、あるけど」
そう囁いて、カイジの腹に回した腕に力を込めた。
わざと、腰を押し付けるようにすると、カイジは悲鳴のような声を上げてアカギを振り返る。
「お、お前なぁっ……! 妙なことするなって言っただろ!」
「……妙なことって……、こういうこと?」
「っうぁ!」
アカギが舌で耳を擽ると、カイジの体が活きのいい魚のように跳ねる。
「あ……、あ、あ!」
嫌がる体をきつく抱き締めてしつこく耳をねぶりつづけると、カイジは体をびくびく痙攣させながら、力の入らない手でアカギの腕を引き剥がそうとする。
その必死さに、アカギはカイジの耳をくわえたまま笑う。
「こんなくそ狭い風呂に入れられて、こんなことでもしないと、腹の虫がおさまらないでしょ」
「あっ、てめぇ、どこ触って……ッ」
アカギは湯の中に手を沈め、カイジの太股を撫で回す。
慌てて閉じようとする足に自らの足を絡めてぐいと開かせ、股の間の柔らかい塊を握り込んだ。
「あっ、あっ、やめ、やめろっ……!」
緩やかに扱きあげると、ソレはすぐに芯を持ち始める。
持ち主とは違い、素直な反応を返す性器に、カイジの腰に当てられたアカギ自身も少しずつ固くなってくる。
手を動かしながら、アカギは低く囁く。
「カイジさん、体……洗わないと」
「んっ、あっ、ぅあっ」
「オレが、洗ってやってもいいけど」
「んくっ、んっ……」
「どうする?」
問いかけながら、徐々に速さと強さを増してくるアカギの手淫に、カイジは涙の溜まった目で必死に頷いた。
このままイかされるのだけは避けたかった。
そうなったときの湯の中の惨状と、アカギの嘲笑を、想像するだに恐ろしい。
「じゃあ……カイジさんもオレの体、洗ってくれる?」
力を込めて括れを刺激され、カイジの喉がひきつった。
「あっ! あっもう、わかった、わかったからっ……!」
叫ぶようにそう答えたカイジに、アカギの手がようやく止まる。
「はぁ……、あ……」
中途半端に投げ出され、カイジはぐったりとアカギに凭れかかって熱い吐息を漏らす。
しかし休む暇すら与えぬように、アカギは立ち上がってカイジの腕を引き、洗い場へと上がった。
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