Trick or Threeway(※18禁)・7





 その後、アカギが兎カイジとじっくりといやらしいセックスを愉しんでいるうちに、意識を飛ばしていた猫カイジが目を覚まし、また三人での饗宴が始まった。
 アカギがふたりにWフェラさせたり、兜合わせさせながら騎乗位させたり、兎と猫にアカギが交互に挿入して微妙に違うハメ心地を堪能したりと、3Pでできそうなありとあらゆるプレイを試した。

 性欲の強い兎カイジはもちろん終始ノリノリだったのだが、強制的に巻き込まれてしまったはずの猫カイジも意外に頑張っていた。
 どうやら性的なことに抵抗はあるものの、兎カイジ同様、自分だけ置いてけぼりにされるのは寂しくて我慢できないようだ。

 喉も精液も涸れつくしてしまうほど交わり続け、クタクタになったふたりのカイジは、幾度目かの絶頂のあと、ほとんど気を失うようにして床の上で眠ってしまった。
 体を丸め、抱き合いながら眠る二匹の愛玩動物を眺めているうち、いつの間にか、アカギもうつらうつらしていたらしい。


 ふっと目を覚ますと、すやすや眠るアカギの恋人は、既にもとの姿に戻っていた。
 獣耳もしっぽもなく、体に傷のある、たったひとりだけのカイジに。
 夢だったのでは、とアカギは一瞬思ったが、あちこちに白い水たまりのできている床の惨状を見る限り、どうやら現実らしい。

 時計を見ると、日付が変わっていた。
 なぜあんなことが起こったのか、依然として原因はまったく不明である。
 が、日付の変更とともに、こうもあっさりもとの姿に戻ってしまったところを見ると、どうやらハロウィンの夜限定の、不思議な魔法のようなものだったらしい。

 ということは、もしかすると来年も……などと、タバコをふかしながらアカギが考えていると、恋人が大きなくしゃみをし、呻きながら目を覚ました。

「おはよう」
 アカギが声をかけると、カイジは太い眉を寄せてしばらく固まったあと、ガバリと跳ね起きた。
「あ、痛うっ……!」
 瞬間、腰に走った鋭い痛みに悶絶するカイジ。
 アカギが紫煙越しにその様子を観察していると、涙目で腰を押さえてゼエゼエ言いながらも、カイジはなんとか、口を開いた。

「ゆ、夢……?」
 声を出すだけで腰に響くのか、最小限の単語だけで問いかけてくるカイジに、
「だと思う?」
 アカギが逆に訊いてやると、カイジは深くため息をつき、うんざりしたように首を横に振った。

「カイジさん」
 短くなったタバコを灰皿に押しつけながら、アカギはカイジに近づく。
 先ほどまでの激しいセックスを思い出したのか、情けない顔でうす赤くなっている恋人に目を細めると、囁くように問いかけた。

「オレとギャンブル、する?」
 唐突な質問にカイジは目を見開き、弾かれたようにアカギの顔を見る。
「しねえよっ……!」
 きっぱりと、即座にそう言い切ったあと、
「その……今は、まだ……」
 迷うように視線をうろつかせながら、ぼそぼそとつけ加えた。

 それを聞いた瞬間、アカギはとても満足げに肩を揺らして笑う。
 それから「おかえり」と言って、恋人の中に潜む二面性をまるごと抱き締めるかのように、その腕の中に閉じ込めた。







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