Trick or Threeway(※18禁)・2
「ん……ん、っ、く……」
「ぁ、ぁふ、あ、ぁ、んっ……」
静かな部屋に絶えずこだまする、淫らな声。
脱ぎ散らかされた服が周りに散乱する中で、猫カイジは床の上に寝転がり、兎カイジはその上に逆向きで這う体勢で、互いの股間を獣のように舐めしゃぶっている。
獣耳など微細な違いはあれど、同一人物同士のシックスナイン。
その異常で卑猥な光景に目を細め、アカギは低く喉を鳴らした。
アカギとギャンブルをするしないで侃侃諤諤としていたふたりのカイジに、アカギが出した提案は、
『先に相手をイかせることのできた方の言う通りにする』
というもの。
当然、双方から猛反発の声が上がったが、失笑混じりに『できないの?』と言い放ってやれば、兎カイジが簡単に挑発に乗ってきた。
猫カイジは最後まで泣き喚いて抵抗していたが、煽り耐性ゼロの兎カイジに力づくで裸に剥かれてしまい、かくしてアカギの思惑通り、ふたりのカイジによるシックスナイン対決が行われる運びとなったわけである。
同一人物同士の性行為など、まさに狂気の沙汰。
だからこそ面白そうだなどと、深い考えもなしにアカギは提案してみた、のだが。
「んーーッ! あっ、はぅ、ソコ、はっ……!」
じゅるじゅる、ぐちゅぐちゅと響き渡る、淫靡な音。
「ん……、っは、馬鹿、やろっ……、気色わりぃ声、出すなっ……!」
頬を染め、息を荒げながら、互いの股間に必死にむしゃぶりついている、ふたりの恋人。
その姿は予想以上にクるものがあって、アカギは下半身にじわじわと熱が集まっていくのを感じていた。
アカギが見たところ、優勢なのはやはり、強気な性格の兎カイジだ。
猫カイジの上で、積極的に頭を動かし、貪るようにフェラチオしている。
性格の問題だけでなく、万年発情しているといわれるウサギという生き物の特徴も、この積極性に影響していそうである。
根本から大きく扱きながら裏筋を舐め上げたかと思えば、喉奥まで咥えこんでディープスロートしてみたり、亀頭だけをパックリ咥えてやわらかい頬の内側にグリグリと押し付けてみたり。
兎カイジの大胆な動きが、いつも自分がカイジにしてやっているフェラチオを模しているのだということに気づき、アカギはほくそ笑んだ。
一方、猫カイジも必死で目の前の陰茎に刺激を与えようとしていたが、もともと気乗りしないフェラチオだった上、もうひとりの自分のテクニックに翻弄されまくって、高く喘ぎ声を上げながら、ペロペロと仔猫のように舌を這わせるだけで精一杯のようだ。
その上、
「ッ、痛……っ!」
「ぁ……、わ、悪、ぃ……」
鋭く尖った、牙だか八重歯だかわからない歯を不器用に当ててしまい、申し訳なさげに謝る猫カイジ。
「この、ヘタクソ……っ! 使い物にならなくなったら、どうして、くれんだよっ……!!」
もうひとりの自分に怒鳴られ、猫カイジはションボリと耳を伏せる。
だが、しばらくするとまた同じ失敗を繰り返してしまい、その度に兎カイジにどやされては、泣きそうな顔で消沈していた。
兎カイジは痛いだのヘタクソだのと、たらたら文句を垂れ流しながら行為を続けている。
……が、黒い毛玉のようなしっぽのついたその尻が、実は淫らに揺らめいていることに、目敏いアカギは気がついていた。
なんだかんだで快楽に弱く、セックスに関してはどこかマゾっぽい気質も、元のカイジそのまんまであるようだ。
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