昼下がりの情事(※18禁)・2


 しげるの顔を見上げながら、カイジは震える手を、ゆっくりと上下に動かす。
「ぁ……っ」
 驚いたようにぴくんと反応し、あえかな吐息を漏らすしげる。
 スラックスの上から張り詰めたモノの形をなぞるように擦りながら、カイジはしげるに問いかける。
「どう……だ? 痛くねえか? しげる……」
「ん……っ」
 カイジと同じように呼吸を乱しながら、しげるは細い眉をきつく寄せている。
「痛く、ない……けど、なんか、変な、感じ……」
 象牙色の頬を微かに染め、立ったまま悩ましげに身じろぐしげるの姿に、カイジは幾度も生唾を飲み込む。
 布越しの刺激がもどかしいのか、救いを求めるように見下ろしてくる潤んだ瞳が健気で、カイジはこれ以上はいけないと思いつつも、スラックスのベルトを外し、チャックを下げて窮屈そうな前を寛げてやった。

「カイジさん……?」
 ちいさく名前を呼ぶ声に『大丈夫だから』という風に頷いてやりながら、下履きを下げる。
 すると中から飛び出てきたのは、幼くも立派に天を仰ぐしげる自身。
 まだ色も淡く、見慣れた恋人のモノと比べるとかわいらしさすら感じられるソレに微笑ましさが溢れ、カイジは愛おしげに指を絡める。
「あ……ん、カイジ、さん……」
 ちゅく、ちゅく、と扱いてやると、直接的な強い刺激にしげるは目を閉じ、ぶるりと体を震わせて感じ入る。

 ーーアカギと同じ顔が、こんなにも素直に自分の手で喘いでいる。

 普段ならぜったいに見ることの出来ない光景に、カイジの雄としての本能も強く刺激される。
 しげるにバレないよう注意しながら、カイジは反り返るほどガチガチに勃起して先走りの露を溢れさせる自身の先端に、掌を押し付けて腰を揺する。
 しげるのモノをやさしく愛撫してやりながら、敏感な自身の鈴口をやんわりと擦っていると、高まる快感に思わず喘いでしまいそうになり、カイジは慌てて唇を噛んで耐えた。

 しかし、そんなカイジの不穏な動きをしげるは目敏く見ていたらしい。
 突然、ベッドの上に膝をついて乗り上げると、しげるはカイジのモノに白い手を伸ばした。
「カイジさんのも……」
 勃起を覆い隠す掌をどけられ、濡れそぼったモノの根本を躊躇なく握られて、カイジは目を見開く。
 熱に浮かされたような瞳で赤黒い怒張を見つめながら、たどたどしく、でもしっかりと力を込めて扱かれ、カイジはビクビクと体を震わせながらしげるを窘めた。
「んっ、し、げる……お前は、そんな、こと……しなくて、いいからッ……!」
「なんで……? オレだけ変になるの、嫌だ……」
 にゅる、ぐちゅ、と卑猥な音を響かせてカイジのモノを扱き立てながら、しげるは拗ねたような顔をする。
「カイジさんも、一緒に……」
 快感に上擦った声でそんな可愛いことを言われてしまっては、もとより快楽に流されやすいカイジの理性など一溜まりもなく。
「あっ、し、しげる……」
「は、ぁ……カイジさ……、」
 ふたりは互いの表情や声に溺れるようにして、慰め合う行為にすっかり没頭してしまっていた。

 やがて、しげるのモノがヒクヒクと痙攣し、先端からぬるぬるとした液体が滲んでくる。
 若草のように青臭い先走りの匂いが漂い、カイジはますます興奮して瞳を潤ませる。
 先走りの滑りを借りてより大きく、いやらしく手を動かしてしげるを愛撫していると、少年は艶っぽいため息を漏らし、鋭く濡れた目でカイジを見つめた。
「……えっ!? うわっ……!!」
 次の瞬間、視界がぐるんと反転してカイジは目を白黒させる。
 背中に、軋むスプリングの感触。
 しげるに押し倒されたのだと気づいたときには、カイジは大きく足を抱え上げられ、すべてを晒け出すような格好をさせられていた。
「し、しげ……ッうあ……っ!?」
 カイジが名前を呼ぶより早く、痛いほど勃起した性器がカイジのモノに擦り付けられる。
 はぁ、はぁ、と息を荒げながら、しげるはカイジの上で腰を揺すり、先走りに濡れた二本の勃起をぬるぬると擦り合わせていた。
「あッ、こ、こらっ、しげるっ……!」
 まるで擬似セックスのような動きにカイジは激しく動揺し、しげるを咎めようとする。
 しかし、欲望を剥き出しにした獣のような表情のしげるに見下ろされ、思わず息を飲み口を噤んだ。

「どうしよう……オレ、どんどん、おかしく、なっちまう……」

 そんな風に呟いて、本能に突き動かされるまま快感を追い求めるその姿が、恋人であるアカギの姿を髣髴させ、カイジはカッと顔を赤らめた。
「だ、ダメだっしげるっ、こんな、こと……」
「どうして……? あんたいつもアイツと、こういうことしてるじゃない……」
 しげるの台詞に、カイジはドキリとする。
 ーー見られていたのか? いったい、いつ? どこで?
 混乱し、口籠るカイジの上で、しげるはひたすら腰を振り、あえかに喘いでいる。
 艶かしいしげるの腰遣いにヒヤヒヤしつつも、兜合わせ以上に進まないところをみると、どうやら挿入までは見られていなかったようだと、カイジはホッと息をついた。

「ん……カイジ、さん……」
 低く呻くしげるの姿は、あどけないながらもどこか獣めいていて、子供だと思っていた少年に喰らい尽くされるようなイメージにカイジの背が粟立つ。
 腰の動きも徐々に激しく、大胆になってきて、カイジの竿を擦り上げていたしげるの陰茎はいつの間にかその下の陰嚢、さらには会陰までも刺激し始めていた。
「んうっ、あっ、んっ……」
 竿への刺激だけでは到底得られない快感に、カイジもしげるに合わせて無意識に腰を揺すり、快感に浸っていたが、やがて濡れそぼった幼い竿の先端が後ろの窄まりに引っかかるようになってくると、流石に焦り始める。
「し、しげ……、ふ、あっ……」
 最も敏感な孔を硬い亀頭で擽るように撫で上げられ、カイジはしげるを止めようとするも、全身がヒクヒク疼いてうまく声を出すことすらできない。
「はぁ、カイジ、さん……っ、」
 カイジの焦った様子になどまるで気づいた様子もなく、しげるは自身の陰茎でカイジのモノの先端から際どいところまでを扱くように愛撫し、ひたすら互いの快楽を高ぶらせていく。

 八つも年下の少年相手に碌な抵抗もできず、カイジはゆさゆさと体を揺さぶられるままあられもない声を上げている。
 が、突然、熱く猛った杭のようなモノが体の中にズブリと押し入ってきて、突き抜けるような衝撃に体を大きく仰け反らせた。
「ひッ、ぅぁあっ……!?」
 悲鳴じみた声を上げ、限界まで目を見開く。
 ひどく馴染みのある感覚が、無遠慮に侵入して後ろを押し広げている。
 頭を擡げて恐る恐る下へと目線を遣ると、先ほどまでカイジの体の上を往復していたしげるの男根の先端が、よく解れたカイジの後孔にめり込むようにして挿入されていた。
「あ……ッ! しげ、そこ、違……ッ」
「ごめん、なんか、入っちゃった……」
 流石に驚いたみたいに目を丸くしながら、しげるは素直に謝る。
 カイジの中から抜け出そうとしげるが腰を引くと、その際に最も大きく膨らんだ笠の部分に腸粘膜を擦られ、カイジは大きく身を捩ってシーツをぎゅっと掴んだ。
「ッ……!」
「あ、でも、なんか……」
 しげるはなにかに気がついたように呟くと、抜けかかった亀頭をふたたびグッと奥まで沈める。
「こっちのが、もっと気持ちいいかも……」
「あっ! あっ、だ、ダメ……っ」
 カイジの制止の声など聞こえていないかのように、しげるはゆっくりと、やわらかい恥肉の感触を確かめるように腰を動かし始めた。
 ずっ……、ずぷっ……、と覚束ない動きでピストンしていたしげるだったが、やがてコツを掴んだのか、すこしずつ動きが激しくなってくる。
 思いがけない展開にカイジは軽くパニックになりつつも、後ろをずっと欲しかったモノで貫かれ、意識が白く飛びそうな快感に甘い声を上げる。
「あっ、あぁ……は、んっ……」
「は……、かい、じ、さん……」
 欲に潤んだ鋭い目に見下ろされ、カイジはゾクゾクと体を戦慄かせる。
(オレ……しげるとセックスしちまってる……っ)
 ふたりの繋がる場所から、ぬちゅ、ぐちゅ、と濡れた水音が鳴り、カイジの鼓膜を犯す。
(こんな……子供と……っ)
 言いようもない罪悪感と背徳感に、カイジは激しく喘ぎながら後ろをきゅうきゅう締め付けてしまい、それに絞られたしげるが、はぁ、とため息を漏らして肩を震わせた。
「すごく……きもちいい……カイジさんの、なか……」
「あっ、あぅっ……しげ、やめ……ッ」

 流石にこれは……マズい。
 こんな倒錯した行為、思春期のしげるには悪い影響しか与えないだろう。

 それがわかっているから、カイジは必死に拒絶を口にしようとするが、本能に忠実な体の方は貪欲に男を欲しがり、しげるの抽送に合わせて腰を振りたくっている。
 自身を貪られるようなその動きに、しげるはきつく目を閉じて呻き、カイジの体をぎゅっと抱き締めた。
「あっ……なんか出そう……」
 快感に蕩けたちいさな呟きに、カイジはビクッとする。
「なっ、中はっ……、抜い……ッ」
 急にあたふたし、泣きそうな顔で弱々しく首を横に振るカイジだが、肉欲に支配されたしげるはそんなもの無視してひたすら腰を振る。
 なんとか逃げ出そうと腐心するカイジの動きが、逆に中をキツく締め上げ、しげるを極まらせてしまった。
「あ、でるっ……、カイジさん……っ」
「ま、待っ……、っく、あぁぁッ……!!」
 深く挿入したままビュルビュルと注がれ、見開かれたカイジの眦からつうと涙が零れ落ちる。
「は、ぁ……っ、きもち、い……」
 熱い吐息とともに、恍惚に塗れたしげるの声が耳許を擽る。
 そんな些細な刺激にすら感じ、カイジはヒクヒクと体を痙攣させた。
「うぁ……ぁ、ん……っ」
 たっぷりと精を吐き出しながら中を掻き回され、その熱さが引き金となってカイジも絶頂を迎える。

 気の遠くなりそうな快感に涙をぼろぼろと零しながら、限界まで勃起した陰茎から勢いよく精を迸らせると、カイジがイくのに合わせて後ろが生き物のようにうねり、まだ吐精を終えていない自身をもみくちゃにされたしげるも、耐えきれずにちいさく喘ぎ声を漏らした。



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