GAME(※18禁)・4








 いったい、どのくらいの時間が経ったのだろう。
 あれから、三人の手によって淫蕩の限りを尽くされ、オレは右も左もわからなくなるくらいに善がらされていた。





「あっ、ぁ、んっ! あか、アカギ……っ!!」
 立ったまま後ろからズンズンと抽送され、たまらずオレは相手の名前を呼ぶ。
 もちろん、いかがわしいゲームはまだ続いていて、
「残念。俺だ、カイジ……」
 笑みを含んだ声とともに爆発寸前だった陰茎を扱かれ、オレは呆気なくイってしまう。
「あぁ……ああぁっ……!」
 ガクガクと足が震え、赤木さんの支えなしじゃとても立っていられない。
 絶頂に達したというのに、オレのモノはもうなにも吐き出していないようだ。

 そりゃそうか……『三回戦』が始まってから、休むことなくハメられ続け、回答を間違うごとにイかされまくっている。
 二回戦とは真逆の、イき地獄。
 どっちが辛いかと聞かれれば……正直、どっちもどっちだ。
 気が狂いそうなほど焦らされる代わりに、頭がおかしくなるほどイかされ続ける。
 精液すら絞り尽くして、充血した先っぽがジンジンと痛い。
 そろそろ赤玉が出てもおかしくないんじゃなかろうかとさえ思うが、攻めの手はまだまだ止みそうになかった。


 名残惜しげに赤木さんのモノが抜かれ、すぐさま床に押し倒される。
 横向きに寝かされ、バックで貫かれる。
「ぁうぅ……っ」
 ぞくぞくっ、と背筋が痺れた。
 肉棒を馴染ませるようにゆるやかなピストンが、なんどもイかされて敏感になった体に、たまらない快感を齎す。
「あっあっ、し、しげる……っ?」
 揺さぶられて跳ねる声で名前を呼ぶと、呆れたようなため息が返ってくる。
「あんた……わざと間違ってねえか?」
 んなわけあるかっ、と噛みつこうとした口に、濡れそぼった勃起が捩じ込まれる。
「オレはこっちだよ、カイジさん……もう、これで何連敗め?」
 揶揄するように笑われ、屈辱と羞恥に涙が滲む。

 だって、しょうがないのだ。
 ベッドの上でのバックから始まり、立ったり座ったり寝転んだりしながらありとあらゆる体位で犯され、その都度変わる怒張の深さに翻弄されて、誰のモノかなんて考える余裕すらない。
 ケツの中にたっぷりと放たれた精液も感覚を麻痺させているし、他のふたりが口や性器や乳首を悪戯してくるせいで、気が散って集中できないのだ。

「んっ、んくっ、んっ……」
 アカギにずぷずぷと容赦無く突かれながら、惰性のようにしげるのモノをしゃぶる。
 惜しげもなく醜態をさらしているというのに、オレはもはや抵抗する気力もなく、ただ一刻も早く、この狂った時間が過ぎ去るのを待つばかりだった。

 それでも、張り出したカリが前立腺を掠めれば、体はびくんと反応してしまう。
「んん……ッ」
 耳を塞ぎたくなるほど悩ましい声が出て、アカギをきゅうっと締めつけてしまった。
「ふふ……カイジさん、ココがいいの?」
 狙いをつけて突き上げられ、ビクビクと体が痙攣する。
 もう勃たないくらいに疲弊しているというのに、イきたいという気持ちだけが貪欲に膨らんでいく。

「オレもきもちいいよ、カイジさん……」
 口に突っ込んでいるしげるが熱っぽく呟き、その声にすらひどく感じてしまう。
「また、イくのか? やらしい体だな……」
 赤木さんの笑い声とともに、指先でつうと陰茎を根本から辿られる。
 鈴口に指先を埋めるようにクリクリと愛撫され、我知らず腰が戦慄いた。
「もう、出そう……」
 は、と息を吐き出しながら、アカギが首筋に噛みついてくる。
 痛痒いような感触に思わず身をよじると、その拍子に搾り取るようにして中を締めてしまい、アカギが短く呻いてオレの中で射精した。

 どくり、どくりと注がれる精液。
 中出しも、これで何発めだ?
 三人それぞれに最低二回ずつは出されていることは確かだが、あまりにもたくさん出されすぎて、正確な数はわからなくなってしまった。

 オレの体を抱き締めてゆっくりと腰を振り、一滴残らず出し尽くしてから満足したようにアカギが抜け出ていく。
「……っ、カイジさん……っ」
 やがてしげるも限界を訴え、オレの頭を押さえつけて喉の奥にビュルビュルと精液をぶちまけた。

 汗みずくの体でぐったりと横たわり、はぁ、はぁ、と息をつく。
 半開きの口から、涎と混ざり合ったしげるの精液が垂れ落ちていく。
 全身が痛くて、なによりケツとちんぽがヒリヒリして、涙や精液で濡れそぼったアイマスクが作る闇を、ぼんやりと眺めていた。
「もう……むり……たすけ……」
 無意識に、ほとんどうわごとのような、微かな声が漏れ出た。
 それを聞き咎めたのか、やわらかい手つきでくしゃりと髪を掻き混ぜられた。
「頑張ったな……それじゃ、次の問題に正解できたら、やめてやるよ……」
 髪を撫でられる心地よさに、ホッと息をついて目を細めていると、衣擦れの音がして、誰かの唇が重なってきた。

 汚れたオレの唇を躊躇なく舐め、深く口づけて舌を吸う、上手いのにどこか背伸びしているみたいなキス。
「ん……しげる……」
「……正解」
 舌を絡めながら名前を呼ぶと、ふっと笑って気配が遠ざかる。

 そしてまた、べつの唇が重ねられる。
 隙間なく唇を密着させて、舌の根本まで食べるみたいに味わう、荒っぽくて大胆で、怖いくらいに気持ちのいいキス。
「……っは、アカ、ギ……っ」
「あたり」
 ペロリとオレの唇をひと舐めして、アカギも離れていく。

 そして、最後は。
 角度を変えて幾度も啄みながら、すこしずつ深く淫靡になっていく、巧みでちょっとだけ強引なキス。
「あ、かぎ、さ……」
「ご名答。おめでとう、カイジ」


 労うような声とともに、アイマスクが外される。
 急に光を取り戻したせいで眩む視界の中、三人の赤木しげるがオレの顔を覗きこんでいた。

「まさか最後の問題だけ、ストレートで正解するなんてね」
 クスクスと喉を擽るように笑うのは、しげる。
「あんたは本当に、オレたちを煽るのがうまい」
 底意地悪そうに言うのは、アカギ。
「よく頑張ったな、カイジ。借金はまだまだ、残ってるけどな」
 朗らかに語りかけてくるのは、赤木さん。

 散々な目に遭わされて怒り心頭のはずなのに、なんだか本当に久しぶりに三人の姿を見ることができたような気がして、不覚にもなぜか、涙が滲みそうになる。

「あ。泣いてる」
「う、うるせー!!」
「泣いちまうほど良かったんだ、罰ゲーム」
「んなわきゃねえだろっ……!!」
「そうかそうか。またやろうな、カイジ」
「二度とやるかっ、この変態どもっ……!!」

 照れ隠しのようにツッコミを入れると、三人は三者三様の笑顔で笑う。

 それが眩しく見えるのはたぶん、ずっとアイマスクをしていたせいだけじゃない。
 そう思うと、ああ、どんなにひどい変態でも、やっぱりオレは赤木しげるが好きで好きでしょうがないんだと、不本意ながらも高鳴ってしまう胸に、痛いほど自覚させられた。





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