No title・2(※18禁)


 アカギは部屋に上がり、まっすぐ台所へ向かう。
 そこにある縦に細長い窓から、男の下半身がぶら下がるようにして生えていた。足の爪先は、ギリギリ床に着くか着かないかの位置で浮いている。
 いったいどんな酔い方をすれば、こんな状況に陥れるのだろう?
 やや呆れつつ、アカギはそこへ近づき、カイジに声をかける。
「カイジさん……今から、やってみるから」
 カイジは首を捻ってアカギを振り返り、「た、頼むっ……!」と叫ぶように言った。

 アカギはさっそく、カイジの尻に両手を当てて、ぐっと押してみる。
 しかし、やはりというかなんというか、この大きな尻こそが窓につかえている原因なので、押しても引いてもびくともしない。
 向こう側で、カイジも壁に手を突っ張って頑張っているのだが、どうやら徒労に終わりそうだった。

 ため息をついて手を離すと、アカギはすこし考えてから、カイジのベルトのバックルに手を伸ばす。
 カチャカチャと音をたててベルトを外し、ジーンズを下穿きごとずるりと脱がせると、火が点いたようにカイジが吠え始める。
「なっ……なにしてるっ、このバカ!!」
「なにって……ここで引っかかってるんだから、脱がさないとまず出られないでしょ」
「そっ、そうかもしれねぇけどっ……! でもっ、でもなぁっ……!!」
 ジタバタと暴れる脚を器用に押さえながら、アカギは一気にカイジの穿き物を、靴下も一緒くたにして爪先からすべて抜き取ってしまう。
「うわぁっ……!」
 素っ裸に剥かれてスースーする下半身に、カイジは悲劇的な声を上げる。

 脱がせたものとベルトをまとめて床へ放り出すと、アカギはそこにある光景をじっと見る。
 男にしては肉付きのよい臀部と太股、その下にある硬そうなふくらはぎ。
 惜しげもなく曝し出されたそれらを、アカギがしげしげと眺めていると、振り返ったカイジが目を吊り上げた。
「こらっ、ぼさっと突っ立ってんじゃねぇっ……! さっさとしろっ……!!」
 はいはい、と返事をしながら、アカギはカイジの尻にふたたび手を当てる。
 すると、その膚はしっとりと汗で湿り、アカギの手に吸いついてきた。
 目を覚ましてからアカギが来るまで、相当長い時間、ひとりで窓枠と格闘していたのだろう。よく見ると、尻だけではなくその下の脚全体が、じわりと汗に濡れている。
「っ……」
 敏感な尻に直に触れられ、カイジが思わず息を飲むのを、アカギは見逃さなかった。
「……」
 黙ったまま、両手で臀部の肉を鷲掴みにする。開いた指の隙間から、むっちりと肉が盛り上がる。
「あっ!?」
 驚いた声を聞き流し、ハンバーグでも捏ねるように揉みこむと、淫靡な手つきにカイジの脚がぴくりと跳ねた。
「おいっ……なにやってんだテメェ……っ」
 呪わしげな顔つきで、カイジはアカギを睨みつける。
 アカギは性悪な笑みを浮かべ、しゃあしゃあと言い放った。
「あんたが言ったんじゃない……『ヌいてくれ』って」
「あっ、アホかぁっ……! そういう意味じゃねえっ……!!」
 アカギの言葉に含まれる卑猥なニュアンスを感じ取り、律儀に反論してくるカイジを見ながら、アカギは手を動かしてグニグニと尻を揉みつづける。
「っ、この変態っ……! よせっ、つってんだ、よっ……!! 」
 カイジは脚をばたつかせ、どうにか止めさせようと必死だ。
 飛んできた爪先に脇腹を蹴られそうになり、アカギは咄嗟にカイジから離れる。
 怒り狂った猫のようにフーフーと息をするカイジの様子にスッと目を細めると、アカギは床にしゃがみこみ、二本の脚を纏めて抱き込んでしまった。
「ッ!?」
 いきなり動きを封じられ、逃れようと暴れだす脚をしっかり抱え込んだまま、アカギはカイジの太股に、音をたてて口付ける。
 カイジの脚全体に、びくっ、と緊張が走った。
 その隙を突き、アカギはカイジの脚に舌を伸ばした。



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