年下の男(※18禁)・4


 前も後ろもわからなくなるほどの快楽にとろけながら、なんどもなんども自分の名前を呼ぶカイジの嬌声は、しげるの腰に重く響いて痺れさせる。
 だがやはり、その声を上げさせているのが自分ではないのだという現実が、しげるにとっては頗る不満だった。

 ひどくつまらなそうな顔をする、もうひとりの自分。
 その心中など簡単に見通せるアカギは、優越感にぺろりと唇を舐めると、律動をすこし緩めてカイジに言った。
「なぁ、そのガキに教えてやりなよ……、カイジさん……!」
「っ、え?」
 突然止んだ快楽の波に、虚ろな表情で息を荒げつつ、カイジはぽかんとする。
「あんたが今、いったい誰のちんぽでよがってんのか……そのいやらしい声でさ……」
「っなっ……! そんなこと……ッ!!」
 激昂にカッと頬を染め、カイジはアカギに噛みつこうとするが、ズンッといきなり深く突き上げられて言葉を飲み込んだ。
「ほら……欲しくないの……? 言わねえと、いつまでもこのままだぜ……?」
 すぐに突き上げをやめたアカギはクスクスと笑い、カイジの首筋に歯を立てる。
「そ、そんな……っ!」
 すっかり欲望の虜にされてしまったカイジは、悲劇的な声を上げてアカギを振り返る。
 すると、それを待ち構えていたかのように、アカギはカイジの唇を塞いだ。
「んっ! んん……ッ、は……」
 ぴちゃぴちゃと淫らに舌を絡め合いながら、胸や脇腹を擽るように撫で上げると、わずかに強張っていたカイジの体からたちどころに力が抜けていく。
 カイジとの口吻に耽る自分を殺さんばかりの目つきで睨みつけるしげるに目を細め、アカギは唇を離した。
 口外に引きずり出した舌を縺れさせながら、呆けたような表情のカイジに音を消した声で囁く。
「ほら……言いなよ……」
 ダメ押しとばかりにごく浅く、窄まりをつつくようにして突いてやれば、微かな刺激に背を震わせてカイジはあっけなく陥落した。
「あ……きもちぃ……アカギの、ちんぽ……きもちい……あっあっ、あうッ……!」
 勝ち誇ったような顔でニヤリと笑うと、アカギは容赦なくカイジのソコを突き上げ始める。
 待ち焦がれた強い刺激に、カイジは涙を流してよがった。
「ぁはあっ、あッ……だめ、アカギ……だめっ……!」
「クク……あんた、イキそうなんだろ? ここ、すげぇ締めつけてくる……」
 ズッ、ズッ、と突き上げながら笑うアカギの息も、僅かだが乱れてきている。
 六つ年嵩の自分と、恋人との淫靡なセックスを見せつけられ、しげるのモノはいまや完全に硬さを取り戻していた。
 霰もなくよがり狂うカイジ越しにアカギを睨むと、アカギはやはり、余裕の表情で唇を撓めてみせる。
 しげるはアカギを睨みつけたまま、カイジにそっと膝行り寄った。
「カイジさん……」
 吐息のような声で呼んで、しげるは痛いほど反り返ったカイジのモノにするりと指を絡める。
「あっ!? しっ、しげ……」
「ちょっと、黙って……」
 しげるはカイジの唇を塞ぐと、しとどに濡れたカイジの陰茎に、自分のそれを重ね合わせた。
「!! んっ、んうっ……」
「ん……」
 思いがけない行動にカイジは目を見開き、アカギは相変わらずうっすらと笑みを浮かべたまま、しげるの動向を見守っている。
 しげるは目を閉じ、カイジのモノを自身と一緒に強く擦り上げ始めた。
「んっ、んむっ……」
「っ、は……」
 ちゅ……ちゅく……、と厚い舌を吸い上げ、唇を離した途端、カイジは悲鳴のような声を上げて体をびくつかせる。
「あっ、あッだめ、しげるっ……!」
「ん……っ、カイジさんの、ぬるぬるだ……」
 カイジのモノから溢れ出る先走りを、自身にもまぶしつけながらにゅるにゅると扱いていると、カイジが涙目で限界を訴えた。
「あっ、そ、そんなにしたら……ッ、でる、イく、イっちまうっ……!」
 それを聞いたふたりの赤木しげるは、それぞれカイジを追い詰め始める。
「いいよ……イきなよ、カイジさんっ……!」
 アカギは獰猛に目をぎらつかせ、ゴリゴリと竿膚で前立腺を擦り上げつつ、最奥に硬く膨らんだ亀頭を叩き込む。
「カイジさん……、我慢しなくていいから……」
 しげるもまた鋭く瞳を光らせて、カイジのモノを根元からより一層強く扱きたてる。
 前と後ろ、両方から激しく責められて、カイジは髪を振り乱しつつ絶頂に達した。
「あっでるっ……! あっ、あああっ……!」
「っ……!」
 びゅくっと勢いよく放たれた精液は、激しく飛び散ってしげるの腹の辺りを汚す。
「あっ、あぅっ……! しげ、ごめ……とまんねえ……ッ!」
 カイジはすまなそうに謝ったが、陰茎はびゅるびゅると白濁をまき散らし続け、止めようもない。
 真っ赤に熟れた頬で、頭が真っ白になるような射精の快感に身を任せるカイジのイキ顔は卑猥で、まだ達していないしげるの性欲を焚き付け、大きく煽る。
「カイジさん……」
 しげるはその頬に手を伸ばそうとしたが、カイジはまるでそれを避けるように、後ろを振り返った。
「あ、あぁ……あっ、アカギ……も、やめろっ、てぇ……」
 カイジは泣きベソをかきながら、アカギに対して訴えかける。
 しげるがむっとしてそちらを見遣ると、もうひとりの自分が、カイジの尻にぶつけるようにして腰を振っていた。
「っ、自分だけイっておしまいなんて、ずるいじゃない……オレのこともちゃんと、きもちよくしてよ……」
「ぁっ、あぅ……ん、ダメ、だってっ……、今ソコ、グリグリされたらぁっ……!」
 ダメだダメだと言いながらも、カイジのモノは突かれるたび、きもちよさそうに白濁を飛び散らせている。
「あ、締まる……オレも、イキそう……」
 掠れた低い声で訴えて、アカギはニヤリと笑う。
 その顔を見たしげるはさっと顔色を変えた。
「ちょっと……あんたまさか、」
「んっ……、出すよ、カイジさん……っ!」
 珍しく焦ったようなしげるの声など無視して、アカギは深く腰を突き入れると、カイジの中で射精した。
「あっああっ……! あつ、なか、あつい……っ!」
 吐き出される精液の熱さに、無意識に逃げを打とうとする体をぐっと固定して、アカギはゆっくりとピストンしながら吐精の快感に酔う。
 しげるは暫し呆然としていたが、唇を噛んでキッとアカギを睨みつけた。
 そんなしげるを余所に、アカギは一滴残らずカイジの中に吐き出すと、やわらかくなったモノをずるりと引き抜いた。
「……きもちよかったよ、カイジさん」
 労うようにキスをして、体を支えていた腕を離すと、カイジはずるずるとベッドの上に倒れ込んだ。




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