後処理(※18禁) アカカイ ただのエロ アカギがひどい




 暗く狭い部屋中を、獣のような息づかいと、ベッドの軋む音で満たしながら、アカギとカイジは素っ裸で交わっていた。
「んっ、あっ、はぅ、あかぎっ……!」
 座位で振り落とされそうなほど激しく突き上げられ、必死でアカギの体に腕を絡めてしがみつきながら、カイジは蕩けた目で喘ぎ続けていたが、
「っ、もう出そう……」
 という吐息混じりの呟きに、
「えっ!」
 と短く声を上げ、さっと顔色を変えた。
「ばっバカ! そのまま出すなっ……! 抜けっ、抜けったら……! あっううっ」
 悲鳴じみた声を無視し、絶頂に向けアカギの律動は一層激しさを増す。
 背筋が痺れるほどの快楽に負けそうになりながら、カイジはきれぎれに訴え続ける。
「はぁっ、あっ、あした、面接……っ、んぅっ、そと、外にぃっ……!!」
「っ、く……」
 しかしカイジの懇願も虚しく、アカギの低い呻き声とともに、体に杙打つ男根がびくびくと震え、熱い飛沫が中に放たれた。
「あっ、あぁぁ……」
 アカギにきつく抱き締められながら、カイジは顔面蒼白になっていた。
 一滴残らず注ぎ込んだあと、カイジの首筋に顔を埋めてアカギは深く息をつく。
 満足げなその様子にカッとなって、カイジはアカギの体を引っぺがした。
「バカやろうっ……!! 明日バイトの面接なのに、中出ししやがって……っ!! 腹下したらどうしてくれんだっ……!!」
「だって気持ちよかったから……ごめん」
 適当な謝り方に、カイジはさらに吠えかかろうとしたが、後孔にまだ挿入されたままの陰茎の感触に、とりあえず後処理が先だと腰を上げた。
 萎えたものが体からずるりと抜け出た途端、後孔から溢れ出る精液に鳥肌を立てながら、カイジは床に下りる。
 そのまま浴室へ向かおうとするカイジの手首を、アカギが掴んだ。
「っ、なんだよっ……?」
 引き止められ、怪訝そうに振り返るカイジ。
 その逞しい太股を生々しく伝う、出したばかりの自分の精液を眺めながら、アカギは言った。
「……オレが悪かったよ。だから、手伝う」
「……手伝う?」
 オウム返しに問い返すカイジの手を強引に引いて、アカギは浴室へと向かった。

 

「っ、手伝うって……」
 浴槽の縁に手をつかされ、尻を突き出す格好にさせられたカイジは、赤い顔で振り返る。
「後処理だよ」
 カイジの真後ろに立っているアカギは、真剣な顔をしていた。
 どうやら、ふざけているわけではないらしいとその表情から読み取ると、なんだか怒るのも間違っているように感じられて、カイジは恥ずかしさを耐えて前に向き直った。
 確かに自分の指だけでは、奥まで届かない。この体勢でアカギにしてもらった方が、断然効率がいいのは明白だった。

「入れるよ」
 低い声とともに、窄まりにアカギの指がぴたりと押し当てられる。
 微かに頷くと、くち、と音をたて、カイジの中に長い指がゆっくりと入ってくる。
 カイジは背筋を緊張させた。

 根元まで入ると、アカギは指を動かし始める。
 アカギの指は自在に蠢き、中のものを掻き出していく。
 浴槽の縁を強く掴み、カイジはうつむいて唇を噛んでいた。
 内壁を撫でられると、どうしても腰が震えてしまう。
 後処理するこの指で感じてしまうなどという事態だけは、男の矜持にかけてなんとしても避けたかった。

 ぐちゅ、ぐちゅ、という水音とともに、掻き出された精液が生ぬるく内股を伝い落ちていく。
 その感触に鳥肌をたてながら堪え続けていると、アカギの指が偶然、前立腺を掠った。
「っふぁ……!」
 つい、艶めかしい声を漏らしてしまい、しまったとカイジは慌てる。
 アカギに聞こえていないことを願ったが、音の反響するこの狭い風呂場で、万に一つもそれはありえなかった。
 背後から響いてくる低い笑い声に、カイジはひどく情けない気分になる。
「……感じたの? スケベだな」
「ひっ!? あ、あっあっ……!」
 今度は明確な意思を持って、ぐりぐりとそこを蹂躙され、カイジは目を見開いてびくりと背をしならせる。
 埋め込まれた指はもはや完全に当初の目的を忘れ、執拗にカイジの弱いところを責め続ける。
「んぁっ、アカギっ……! あっ、あぅ、んっ!」
「ヘンな声出すなよ。後処理してるだけなんだから」
「う、嘘、つけっ……!! ひっ、ぅ!」
 淫らな声を浴室いっぱいにこだまさせながら、カイジは必死で快楽に逆らおうとする。
 が、カイジの意思に反し、後孔は悦んでアカギの指に絡みついているし、自身はそそり勃って天を仰ぎ、先走りを垂れ流している。
「ひっ、ぐ、うぅっ……」
 指が白くなるほど浴槽の縁を握り締め、カイジは憤怒の形相でアカギを振り返った……つもりだった。
 しかし、頬を赤く上気させ、目を潤ませ、歯を食い縛って性感に飲まれまいとするその表情に、アカギを威嚇する効果はこれっぽっちもなく、むしろ欲望を掻き立てるだけだった。

 アカギは目を眇めてカイジの顔を眺め、指の動きを止めた。
「……っ?」
 終わったのかと思い込み、ほっとした表情を晒すカイジだったが、
「……あんたって、本当……」
 ぽつりと呟かれるのと同時に指が引き抜かれ、代わりに宛がわれた太いモノが、ずぶりと挿入される。
「ふぁあっ……!? あっ、あぁぁ……っ」
 一気に奥まで貫かれ、カイジは高く鳴いて体を強張らせる。
 馴染みのある感触と熱に、まさかと振り返り、性器で自分と繋がるアカギの姿に絶句した。
「ばかやろっ……! なんでお前、また、んっ、んんっ……!」
 ゆっくりと腰を動かしながら、アカギは答える。
「あんたが、悪いよ……オレだって今日はもう勃たないって思ってたのにさ、挿れたくなっちまっただろ……」
 弾む息の合間を縫って、ふて腐れたように言い訳じみたことを言うアカギに、カイジは眦を吊り上げる。
「あっ、あっ……! ふざけんなっ、なんで、オレがっ……!!」
 中に残っている精液を潤滑剤に、にゅる、にゅる、とさっきのセックスとは違う音で抽送が繰り返される。
 指とは比べものにならないほどの熱と質量で前立腺を突き上げられ、カイジは開きっぱなしの口から涎を垂らして喘ぐ。
「あっ、はぁ……っ、うぁぁ……!」
「あんたのココって、『慣れる』ってことを知らねえんだな。何回ハメても、初めてみたいにきつく噛みついてきやがる……」
 ズンズンと叩き込むように突き上げながら、アカギはクスリと笑う。
「……なぁ、聞こえてるだろ? すごい音出して、オレの貪り食ってる……」
 ぐちゃっぐちゃっとかき混ぜるような水音が絶えず響いて、カイジは耳を塞ぎたくなった。

 アカギもカイジも痛いほど勃起していたが、なかなかフィニッシュを迎えなかった。
 つい先ほどまで腰が立たなくなるほど交わっていたので、その直後では達するのに時間を要するのは、当たり前のことと言えよう。
 ひたすら上り詰めようと互いを貪るようなベッドでのセックスとは違い、緩やかに熱を上げていくような今の交合は、カイジにとって気持ちよくもあったが、長く続く責め苦が辛くもあった。

「うっ……ううっ、く……もう、嫌だぁっ……」
 さっきまで怒りで染めていたその顔をさらに赤くして、カイジは泣いていた。
 いつの間にか浴槽の縁に胸をつけるようにして、腰だけをアカギに抱え上げられて穿たれ、まるで自分が道具にでもなってしまったかのような気分だった。

 肩を震わせて泣くカイジに、アカギは動きを止める。
 そして、硬く反り返った自身をずるりと引き抜くと、カイジを立たせて自分と向かい合うようにして壁に押し付けた。
 ぽろぽろと涙をこぼす、子どもみたいなカイジの顔をまともに見て、アカギの邪気がさらに煽られる。
「……カイジさん……」
 甘えるように名前を呼び、アカギはカイジの左足を抱え上げると、ヒクつく窄まりに自身の先端を擦りつけた。
「や、やだっ……もう、挿れるな……っぅあ、ああぁ……」
 弱々しく拒絶を示す声は、ずず……、と入ってきた陰茎によって甘く溶かされた。
 ねっとりといやらしい腰使いに翻弄され、カイジは泣きじゃくりながらアカギの背中にしがみつく。
 爪が皮膚を掻く、チリ、としたちいさな痛みに、アカギの表情が獰猛なものに変化する。
「くぅ……っ!? あっ、ん、あっ! アカ、あっ、あぁっ……!!」
 急にガツガツと激しく突き上げられ、カイジは喉を反らして目を見開く。
 揺さぶられるたび、涙が飛び散った。
「あっ、激し……ッ、そんな、したら……オレ、イく、イくぅっ……!!」
 どろどろに融けきった表情で絶頂を訴えるカイジに、アカギは口端を上げた。
「イけよ……あんたのだらしないイキ顔、見ててやるから……!」
「ひぅっ! あっやっ、でる、イくぅっ……! あぁっ!!」
 ぐっと足を抱え直され、一際強く前立腺を叩かれた瞬間、カイジは極まった声を上げてアカギの腹に白濁を放った。
「っは、はぁ……あ、ぅっ!」
 びくびくと痙攣しながら、恍惚に眉を顰めて熱い精液を吐き出し続けるカイジに、アカギの腰も重く疼く。
 陰嚢に溜まった精液を吸い上げようとするように、亀頭に竿に絡みついて熱くうねるカイジの内壁に、アカギは押し込むように腰を打ちつけた。
「ん……出る……」
 きつい締めつけに酔いしれるアカギの上擦った声に、カイジはびくっと肩を震わせた。
「ふっあ! な、中はやめてくれ……っ! そ、外にっ……!」
「あ、っ」
 カイジが言い終えるより早く、アカギが微かに声を上げ、精を放った。
「うぁぁ……いや、嫌だっ……なんでまた……っ?」
 本日二度目の、びゅくびゅくと注がれる感触に、カイジは思わず涙ぐむ。
「っ……ごめん、抜こうとしたけど、間に合わなかった……」
 口ではそう謝りながら、脳味噌がとろけそうな快感にきつく目を閉じて腰を震わせ、アカギは最後の一滴までカイジの中に絞り出す。
「う、ううっ……」
 カイジの掠れた呻きが響く中、ドロリと濃い精液をすべて出し尽くすと、アカギはようやくカイジの足を下ろし、中から出て行った。
 ぬぷん、と引き抜かれた男根を追うように、収縮する孔から溢れ出て、内腿を伝う生々しい白。
 それをアカギが目で追っていると、カイジが静かに泣き始めた。
「うっ……ひ、ひでぇよっ……せっかく、後処理したのにっ……」
 両手で顔を拭いながら、カイジは眉を下げてアカギに怒鳴りつける。
「死ねっ……! 死んじまえっ……! お前なんかっ……!!」
「……かわいいな、あんた」
 泣きながら掠れた声を投げつける、その悲痛な様子に、飽きもせずまた欲望を刺激され、アカギはカイジに顔を寄せる。
「死ね……、んむっ、んんっ……」
 唇を合わせ、憐れに逃げ惑う舌に己のそれをぬるぬると絡めると、じきに鼻にかかった声が漏れ始める。
 ちゅく、と糸を繋いで唇を離し、ぽうっと赤い顔で息を整えるカイジに、同じように息を荒げながら、アカギは囁いた。
「ごめん……今度こそ、ちゃんと掻き出してあげるから……」
 ぎらつく瞳がなによりも雄弁に『それは嘘だ』と語っていたが、もう抵抗する気力すらないカイジは、諦めたようにぐったりと目を閉じ、アカギに身を委ねる他なかった。

 翌日の面接の結果は、推して知るべし。







 

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