apron・4(※18禁)




 しげるがリビングで雑誌を読みながら待っていると、やがて、材料を包丁で刻む音が聞こえ始めた。
 しげるは立って、足音をたてないように台所へと移動する。

 入り口から覗くと、カイジはしげるの方に背を向けて黙々と焼きそばの準備に取り掛かっていた。
 決して器用とは言えない手つきでキャベツをざく切りにし、もやしを洗い、しめじの石づきをとってばらす。

 カイジが体を動かすたび、黒いポニーテールが揺れ、項がちらちらと見え隠れする。
 がっちりとした肩。猫背がちな背中。緩く結ばれた、腰の蝶々結び。その下にある肉惑的な尻と太股。
 それらを思うさま眺めつくしたあと、カイジが包丁を置いて人参を手に取ったところで、しげるは足音を忍ばせてカイジの背後に近寄った。

 なにも言わずにガバリと抱きつくと、カイジは驚いたような声を上げた。
「うわっ!! ……し、しげる!?」
 人参を持ったまま、慌てて振り返ろうとするカイジに体を密着させ、しげるはさっき嬲っていた項にふたたび舌を這わせ始める。
「あっ! こ、コラっ」
 必死でしげるを引き剥がそうとするカイジだったが、項から首筋を舌でなぞられて体から力が抜けてしまう。
「あっ、ふ! 離せよっ、……焼きそば、作れねぇ、だろうがっ……!」
 しげるはカイジの首筋をなんどもなんども軽く吸い上げながら、吐息のような声で言う。
「いいよ……後で。それより今は、あんたが食いたい……」
 しげるの台詞に、カイジがかあっと赤くなる。
 すると、舐め上げている首筋や項まで桜色に染まり、しげるは微かに笑った。
「ふふ……、かわいい」
 ちゅ、と首筋にキスを落とすと、骨と筋肉でごつごつした肩を舐め回す。

「は、あっ……しげる、」
 カイジは完全に抵抗をやめ、人参をまな板の上に置き、カウンターに震える手をついてしげるの舌を受け入れている。
 丁寧に唾液で濡らした肩に、がぶ、と噛みついたあと、しげるは背中の窪みを舌でなぞり、下へ下へとおりていく。
 同時に、前に伸ばした手でレースの上からカイジの乳首をきゅっと摘まむと、丸かった背中が海老のようにぴんと反り返る。
「あっ、んっ、しげ……んんっ……!!」
 カイジはぴくぴくと体を引き攣らせる。
 やがて、薄い生地を押し上げるようにして立ち上がったふたつの突起に、しげるは目を細めた。
「胸弄くられて喜んじゃうなんて、本当にあのDVDの女の人みたい」
「あ、っ、ううっ……」
 クスクス笑いながら揶揄されて、カイジの目に羞恥による涙が滲む。
「ショックだった? でも本当のことでしょ。ここだって、もうこんなにして……」
 しげるは右手を下に移動させ、大きく持ち上がった薄い布の膨らみを指でなぞる。
「ふぁ、あ……」
「はしたないね、カイジさんは」
 優しい声音で残酷な言葉を吹き込みながら、しげるは左手で胸を嬲りつつ、右手で膨らんだ布の先端をくるくるとなぞる。
 ごく軽い、戯れのような触り方に焦れ、カイジはついしげるにねだってしまう。
「なぁ、もっと……」
「ん……? なに、カイジさん」
 わざとらしく聞き返してくるしげるにその先を目で訴えるも、しげるは空とぼけるように布越しに鈴口を撫でては手を離す。
 一方で、胸をまさぐる左手の動きは激しさを増し、ついには脇から布の下に侵入して、直接乳首を弄くり回し始めていた。

 肉のない胸をやわらかく揉み、時々乳首を転がされると、カイジはたまらなくなって、自分の右手をそろそろと下へ伸ばしてしまう。
 エプロンの下に手を潜らせ、先走りの露でぐっしょり濡れた自身を軽く握ると、痺れるような快感に背筋が粟立つ。
「あぁっ……! ふ、ぅあっ!」
 濃い粘液が糸を引き、エプロンにシミをつくっていく。
 一際大きく艶めいた声を聞き咎め、しげるはカイジの右手を押さえつけてしまった。
「ダメだよ……勝手に触っちゃ」
「あっ、だって……ん、ぅ……」
 左手を止め、不満そうな声を上げるカイジの顎を掴むと、しげるは伸び上がって深く口づける。
 舌を絡めるとおずおずとそれに答えてくるカイジに低く喉を鳴らし、しげるはカイジの太股を手のひらで撫で回した。
「んっ、んんっ……」
 くすぐったいのか、体をくねらせるカイジの舌を食みつつ、しげるはゆっくりとエプロンの下に手を潜らせる。
「ん、すごい……もう、ドロドロだ……」
「はぁ、し、しげる……っ」
 期待に腰を揺らめかせ、甘い声で名前を呼んでくるカイジに、しげるは刀身をぎゅっと手で包み込むことで答えてやる。
「あっ、あぁ……! くぅっ……!」
 待ち望んだ刺激に、カイジはそれだけで達してしまいそうなほど喘ぎ、背をしならせた。



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