ナイトプール(※18禁)・5

 アカギはカイジの水着を腿のあたりまで下ろすと、反り返るほど勃起した生の陰茎を、カイジの尻穴にぴたりと押し当てた。
「あ……ぅ……っ」
 ヒクヒクと蠢き、鈴口に吸いついてくるせっかちな窄まりに、アカギは喉を鳴らして笑う。
「挿れるよ……」
「あっ! あっ、んっ……あぁっ……」
 ズッ……と腰を進めていくと、待ちわびた刺激にカイジは大きく背をしならせる。
 張り出した亀頭のいちばん太い部分を挿入してしまうと、ひさびさの男根の味に悦び狂ったかのように、カイジの中はアカギ自身をもみくちゃにしながら蠕動し、すごい勢いで奥へ奥へと誘ってくる。
 腰を進めなくても勝手に飲み込まれていくような感覚に、アカギはやや不意を突かれ、苦笑する。
「あんたって、本当、やらしい……」
 陰茎をとろかすような内壁の誘惑に逆らい、アカギは腰を引いて抽送を始める。
「あっ、あっ、あっ……!!」
 普段喋る声よりすこしだけ高くなる、カイジの喘ぎ声。
 それはナイトプールに響き渡るどんな女の嬌声よりも、アカギの性感を刺激する。

 恋人とのセックスが久しぶりなのはアカギだって同じだ。早々に理性を手放し、獣のように腰を振って激しく抜き挿しを繰り返す。
「あっんっ、あか、あかぎっ、激し……ッ」
 ふたりの周りの水面がぱしゃぱしゃと激しく揺れ、痺れるような快感が脳を蝕んでいく。
「はっ……やらし、カイジさん、出そう……」
 やや掠れた声で限界を訴えるアカギに、カイジはビクッとする。
「な、中は……、ぁ、んっ、中は、やめてくれっ……」
 アカギの陰茎に突きまくられて喘ぎながらも、弱々しく拒絶を示すカイジ。
 きっと、水を汚してしまうとか、要らぬ心配をしているのだろう。
 もうとっくに、このプールの水は汚されているというのに。
 そこら中からあがる女の嬌声を聞き流しながら、アカギは声を低めてカイジに言う。
「でも……カイジさんの中、オレの咥え込んで離してくれないよ」
「な……ッ」
 カッと赤くなるカイジに追い討ちをかけるかのように、アカギは言い募る。
「抜こうとしても、抜けない。『中に出して』って、ねだられてるみたい……」
 そう言って、アカギはため息をつく。
「んっ、んなわきゃねぇだろっ……! んぁっ、ア、ッ、勝手な……こと……ッ!!」
 カイジは目をつり上げて怒ったが、アカギは殊更大げさに言っているわけではなかった。

 アカギが激しく突けば突くほど、カイジの中は悦びに打ち震え、快楽を与えてくれる男根を逃すまいと、きゅうきゅう締めつけてくる。
 男を悦ばすためだけのその動きは、アカギの陰茎にも凄まじいほどの快感を与え、まるで自身を淫らに蕩かされ、カイジの一部にされてしまうかのような錯覚さえ覚えるほどなのだ。

 ナイトプールという開放的な非日常で、たくさんの他人がセックスに耽っているなかで。
『狂気の沙汰』だとカイジが罵った、この空間だからこそ、カイジの体はいつにも増して乱れ、性に貪欲になるのだ。
 アカギはそう確信していた。
『狂気の沙汰』ほど燃えるのは、あんたも同じだろう、と。

 やはりこの人を連れてきて正解だったと、アカギは唇を撓める。
 敏感な竿肌にぴったりと吸い付く感触を味わいながら、腰を揺すってひたすら自身を扱いていく。
「いきそう……このまま、ね? カイジさん……」
「あ……ん、んぅっ……」
 ねだるように囁けば、カイジは困ったように口籠る。
 それを肯定と捉え、アカギはカイジの尻に腰をぶつけるようにしてピストンを繰り返す。
 ふたりの間に、ひときわ激しい水飛沫があがる。
「あ……ふっ、あ、あっ……!」
「出すよ、カイジさん……っ」
「……ッ!!」
 アカギはカイジの腰を強く引き寄せ、最奥に亀頭を叩きつけてそこで射精した。
 ドクッ……ドクッ……と断続的に放たれる精液を飲み干そうとするかのように、カイジの中が鈴口をちゅうちゅうと吸いあげてきて、アカギは熱い息を漏らす。
 貪欲に精を搾り取ろうとする媚肉に逆らわぬまま、自身も驚くほど長い射精を終えたアカギは、深く息をついてカイジの背に覆い被さった。

 水を纏った体は吸いつくように重なり、互いの体温が心地良い。カイジの裸の背中から、速い鼓動がアカギの胸に伝わってくる。
 ぜぇぜぇと肩で息をしているカイジの顔を横向かせ、アカギは唇を重ねた。
「ん……んっ……」
「すげぇ、きもちよかった……」
 ぴちゃ……くちゅ……、と舌を絡ませる合間にアカギが率直な感想を述べると、カイジは恨めしげな顔をする。
「カイジさん、まだイってないよね」
 するりと前に手を伸ばすと、勃起したカイジの陰茎は、水の中でもはっきりわかるほど先走りに濡れそぼっていた。
 唇を吸いながら、手のひらで包み込んで扱くと、カイジは肩を震わせて吐息を漏らす。
 絶頂への甘い期待にカイジの中もぴくぴくと蠢き、まだ挿入されたままのアカギの陰茎をやさしく刺激する。
 このまま抜かずの二発に縺れ込みたくなるのをぐっと堪え、アカギはカイジの中から陰茎を抜いた。


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