夏の昼の夢(※18禁)・2
仰向けに寝転んだカイジの体の上に、しげるは体が互い違いになるようにして這う。
いわゆる、シックスナインの体勢。
かあっと目許を赤く染めるカイジに、しげるは蠱惑的な声音で命令する。
「舐めて」
怯えるようにビクリとするカイジだったが、誘惑に抗えずに、無骨な手がそろそろとしげるのスラックスに伸ばされていく。
戸惑い躊躇し、チラチラと盗み見るようにしてしげるの顔色を窺っていたが、自分が動くまではいっさい動こうとしないしげるに痺れをきらし、スラックスのベルトに手をかけた。
微かな金属音を立てながらベルトを抜き、スラックスと下履きをまとめて下ろすと、現れた勃起にカイジは唾を飲み込む。
誘われるように、カイジは舌を出してソコを舐め始める。
それを確認してから、しげるはカイジの下履きを下ろし、ぷるんと飛び出た陰茎に指を絡めた。
指先で触れただけでピクンと跳ねる勃起を根本から扱きながら、しげるは亀頭を口に含んた。
「ん……っ、ん……ぁ……」
カイジの腰が悩ましげにくねり、くぐもった甘い声が漏れる。
しげるはカイジ自身にいやらしく舌を絡め、強く吸い、唇を括れに引っ掛けながら顎を動かす。
新しい刺激を与えるたび、敏感に反応してはせつなげに鳴くカイジの姿を愉しんでいると、やがて、カイジ自身の先端から、じわりと苦い液体が滲み出してきた。
「んっ……ぁふ、ぅ……」
カイジはフェラチオが不得手なのか、苦しそうに嘔吐きながらも、必死にしげる自身を慰めようとしている。
まるで仔猫がミルクを舐めるようなその仕草に、しげるは欲を煽られた。
「!! んあっ!? あっあっ、だめッ、あぁっ……!!」
じゅるじゅると音をたてながら窄めた喉奥で吸うと、カイジの声が切迫したものに豹変した。
この期に及んで己の下から逃れようと暴れるカイジの足をしっかりと押さえながら、しげるが陰茎を強く吸い続けると、悲鳴のような声をあげてカイジは絶頂した。
「あっ、あぁぁっ……!!」
ビュルルッと放たれる濃い精液を味わいながら、しげるはビクビク震える陰茎を扱いてカイジの射精を手助けしてやる。
しげるの手が上下するたび、カイジは陸の上の魚のように体を跳ねさせた。
長い時間をかけて大量の精を出しきると、カイジはぜぇぜぇと息を荒げながら、涙目でぐったりとしてしまう。
しげるはカイジの上に這ったまま、カイジの膝裏をぐいと持ち上げ、秘部をさらけ出させた。
「あっ!? あ、アホ……っ!!」
焦ったように咎めるカイジだが、男の味を知り尽くしている後孔は、しげるに見られて悦んでいるようにヒクヒクと収縮していた。
しげるはソコに顔を埋め、ヒクつく窄まりをぬるりと舐め上げる。
「ひぁっ……! やめッ、そんな、トコ……っ」
じたじたする足を押さえつけながら、口内に溜めておいたカイジの精液を舌に乗せ、それを潤滑油がわりに送り込みながら、ふしだらな菊門を解していく。
「あっ……く、ぅっ、だめ……あぁぁっ……ダメ……っ」
ピストンを模すように舌を抜き挿しさせると、「ダメ」という言葉とは裏腹に、カイジはしげるの舌に合わせ、腰を揺らめかせ始める。
卑猥な姿を視姦しながら、しげるは舌で襞をなぞりつつ、指をつぷりと挿入した。
「はぁ……あ、ア、あ……っ」
ため息のような恍惚の声を漏らすカイジ。
今までのセックスで探り当てたカイジの感じるところを、しげるはさっそく指で嬲る。
「あっ、ぁんっ……、そ、そこ、だめ、……あ、んぅっ……」
しげるの細い指が的確にソコを突くたび、白濁に濡れたカイジの陰茎はふるふると震えながら、徐々に硬度を取り戻していく。
打てば響くようなその反応が面白くて、しげるはぐちゅぐちゅと音をたてながら、ついソコばかりいじめてしまう。
そして、カイジの陰茎が涙のような先走りをトロトロと溢れさせ、鈴口をヒクヒクさせ始めたころになって、ようやく指を引き抜いた。
「ね……そろそろ、挿れさせて……」
暴発寸前の陰茎にしげるがキスを落とすと、カイジは泣きそうな顔で唇を噛む。
それから、のろのろと体を動かしてしげるの下から這い出すと、立ち上がって机の方へ歩いて行った。
ややあって戻ってきたカイジは、矩形のちいさな箱を持っていた。
「ほら……コレ……」
パッケージの中から、四角い袋をひとつ取り出し、赤い顔でしげるに差し出す。
「コレつけねぇと、挿れさせねぇからな」
羞恥に背を丸めつつも、まっすぐな目できっぱりと言い切るカイジに、しげるは眉を跳ね上げた。
恋人以外に自分の中を汚されることに、未だ抵抗感があるのか。
過去にあれだけ爛れたセックスを許しておきながら、今さらこんなものを渡してくるカイジに、しげるの胸にどす黒い感情が広がっていく。
見たところ、コンドームの箱は未開封のようだった。
自分の甘さや流されやすさは自覚しているらしく、しげるとこういうことになったときのために、購入してあったものらしい。
つまり、あの憎たらしい恋人とは、こんなもの使わないのだ。
まるで、間抜けな操立てだ。
つれない恋人のため、そこだけは守ろうとしているくせに、しげるとセックスすることになったときのために、こんなものを準備している。
その矛盾に、しげるは苛立った。
黙ったままゴムを受け取ると、カイジはホッとしたような顔になる。
「……四つん這いになって、カイジさん」
低くなったしげるの声にも気づかぬ様子で、カイジはもたもたと言われた通りの体勢になり、しげるに尻を差し出した。
項垂れて挿入を待つ背中に嗜虐心を掻き立てられ、しげるはゴムのパッケージを咥えて破る。
今まで幾度も騙し討ちのようにして犯されているのに、カイジは未だにしげるを信じているのか、振り返ってその様子を確認しようとすらしない。
それがまた、しげるの神経を逆撫でる。
しげるはコンドームの封を切る音だけカイジに聞かせると、中身が入ったままのゴムを密かに手の中で握り潰し、カイジの腰を掴んだ。
「挿れるよ……、」
無意識に緊張する背中を見ながら、ゴムをつけていない生の陰茎を、ゆっくりと挿入する。
張り出した亀頭が、狭い肉壁を押し広げながら、カイジの中に侵入していく。
「あっ……、んっ……」
ビクビクと体を痙攣させながら、従順に男根を受け入れていくカイジ。
根本まで入りきると、間髪入れずにしげるは腰を打ちつけ始める。
「あっ、はぁっ……、んっ、し、しげ……るっ……」
しげるがゴムを付けていると信じきっているのか、カイジはいつもより素直に快感を受け入れ、のびのびと喘いでいる。
ピストンに合わせて腰まで動かし始める痴態に、しげるは劣情と邪気を掻き立てられ、陰茎の先端でカイジの前立腺をこねくり回す。
「あっ、ア、んあっ……、ぁ、ん……」
久々に味わう男根の味に、カイジの中は悦んできゅうきゅうと締まり、『もっと』と催促するように、しげる自身に媚びてくる。
ぐちゅっ……ぐちゅっ……といういやらしい音と、気持ちよさそうな嬌声を耳で愛でながら、しげるはぺろりと唇を舐めた。
淫らに濡れた粘膜同士を接触させ、体の深いところで交わる。
幾度もそれを味わってきたしげるには、無粋な薄い膜越しにカイジと繋がるなんてこと、もう考えられなかった。
生じゃないと、この快感は得られない。
いやらしく蠕動して砲身を扱いてくるカイジの中を、しげるは息を乱しながら、好き放題突きまくる。
「んっ! あっあぅ、い、いく、イくぅっ……!!」
限界まで張り詰めた怒張からピュッピュッと我慢汁を撒き散らしながら、カイジは発情した犬のように浅ましい顔で限界を訴える。
「んっ……、いいよ、イキなよ……」
「ひぁあっ! ふぁ……あぁあ……!!」
とどめとばかりに亀頭で前立腺をぐりっと押し潰すと、カイジはひときわ高い声をあげながら白濁を撒き散らした。
ビクビクと体を震わせながら、ビュルッ、ビュルルッ、と断続的に精を吐き出すたび、カイジの中も搾り取るようにキツく締まる。
「は……っ、カイジさん……っ!」
精液を吸い出される快感に逆らわず、しげるはカイジの腰を掴んでぐっと引き寄せると、思いきり中で射精した。
「あぅっ!? ぁ、熱……ッ、くぅ……っ!!」
今この瞬間まで、しげるがゴムを付けてくれていると信じて疑わなかったのだろう。
いきなり腸壁を熱いもので打たれ、驚愕に目を見開いて振り返ってくるカイジの表情に、しげるはひどく満たされた気持ちになる。
逃げを打とうとするカイジの腰を抱き締め、ゆるゆると抽送しながら容赦なく精を吐き出すと、カイジは悲痛な声をあげて床に崩れ落ちた。
尻だけを上げる形になったカイジの腸内に、一滴残らず出し切ったあと、しげるは深く息をつく。
蒼白な顔で固まっているカイジにニヤリと笑い、しげるは掌の中のものを、カイジの視界に入るように投げ捨てる。
パッケージに入ったまま、ぐしゃぐしゃに潰されたゴムを見て、カイジは信じられないものを見るような悲壮な表情になった。
「……ご、ゴム、つける……って、約束……っ……」
呟くや否や、ぼろぼろと子どものように涙を流し始めたカイジに、しげるはさすがにギョッとする。
「う……裏切っ……、」
溢れる涙をごしごしと擦りながら、しゃくりあげるようにカイジはしげるを非難する。
呆気にとられていたしげるだったが、太い眉を下げて肩を震わせる泣き姿を見ているうち、嗜虐心がむくりと鎌首をもたげた。
しくしくと泣いているカイジの腰を強く掴み、ズンッといきなり深く突き上げる。
「ひぁっ!?」
ビクリと背を引きつらせたカイジの瞳から、透明な涙が散った。
そのまま、しげるは律動を再開させる。
「あ! あっ! や、あ、あぁッ!」
強制的に泣き止ませようとするように腰を強く打ちつけると、カイジはきれぎれに悲鳴のような声をあげる。
中出しした精液で潤ったカイジの中はぬるぬると滑り、たまらない快感を生む。
腰に指を食い込ませ、パンパンと乾いた音を響かせて肉穴を犯せば、ソコは生き物のように蠢いてしげる自身を飲み込もうとしてくる。
「あっ、だめ、もう……っ、しげ、くぅっ……!」
快感に飲まれながらも激しくかぶりを振るカイジの背に覆いかぶさり、しげるは獣のように腰を振った。
「あっ、いく……っ、出すよ、カイジさん……っ」
精液が上ってくる感覚に背筋をゾクゾクさせながら、しげるは上擦った声でカイジに告げる。
「あっ、んっ! だっだめ……っ、これ以上はっ、あっ、うぁあ……ッ!!」
縋り付くような声を無視し、しげるはカイジの尻に隙間なく腰を密着させたまま、二度目の射精をした。
ドクッ、ドクッ、と鈴口が精液を放つ快感に、しげるは荒い息をつきながら酔い痴れる。
カイジの後孔から、飲み込みきれない大量の白濁がぶちゅりと溢れ、ドロリと内腿を伝っていく。
反射的に逃げようともがくカイジの体を、しげるはいとも簡単に羽交い締めにした。
「はぁっ……、逃げないでよ……、まだ出してるんだから……」
大きな尻にぐりぐりと腰を押し付け、罰を与えるように、より奥の方に出す。
「あぁ……っ、んぅ……っ」
むずかる赤子のような声をあげ、カイジも自身からドクドクと精液を垂れ流した。
確かにオーガズムに達しているのに、まるで漏らしてでもいるかのような、異常な射精。
息を乱しながらその痴態を見つめ、しげるはカイジの耳朶を噛み、邪悪な顔で笑った。
「ねぇ……本当は、中に出されて嬉しいんでしょ?」
吐息とともに囁くと、カイジはビクッとする。
「あ、アホっ……! んなわけ……っ」
「こんな中坊のザーメンでも、欲しくてたまらないんでしょ? だってほら、すげぇ吸われてる……」
最後の一滴まで飲み干そうとちゅうちゅう吸いついてくる貪欲な恥肉にため息を漏らし、しげるは再び勃ちあがったモノを抜き挿しし始める。
「オレも……まだぜんぜん足りねぇ。倍プッシュ、いいよね……、カイジさん」
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