じねんじょ・3(※18禁)

 赤木は床に膝をつくと、カイジの尻を左右に割り開き、孔を露出させる。流石にいたたまれず、カイジは後ろを見るのをやめて床についた自分の手に視線を落とした。
「あ、あかぎさ、はや、く……っ」
「そう急かすなよ。ほら、いくぞ?」
 赤木は宥めるように声をかける。
 だが、露にされた孔に押し当てられたものは 、明らかに指より何倍も、太くて熱いモノだった。
 まさか、とカイジが赤木を振り返るのと同時に、その太いモノがカイジの中に一気に押し込まれた。
「……あああっ! あ、あ、うぁあっ!」
 脳天を突き上げるような衝撃に、カイジは獣の咆哮を上げる。
 涙で曇る視界が捉えたのは、自分と繋がっている赤木の姿。
「あっ、な、なんで……ッ? ぅくっ、んんんっ……!」
「クク……ぬるぬるしてるな、カイジ」
 赤木はカイジの問いに答えない。自然薯のぬめりを楽しむように、ゆっくりと腰を打ち付け始める。
 赤木のモノが中を擦るたび、性的な快感と同時に多少、痒みの薄れる安堵が押し寄せる。
 だがそんなもので到底誤魔化されるような痒みではなく、快感と苦痛の狭間でカイジは、フローリングの床をガリガリ掻いて悶絶した。
「ひっ、ぅ、あっ、あぁっ!」
 途切れることのないカイジの声と、ぬちゅ、ぬちゅ、と粘り気のある音が、赤木の熱を煽る。
「あぅっ! あっ、あっ、あかぎ、さ、ダメだっ……! ふっ、あ、ダメ……ッ!」
「……っん? どうしてだ? これが、欲しかったんだろ……っ?」
「あーっ! あっ、そこ、やめ……ッ、あ、ぅあぁっ!」
「……カイジ……、」
 地獄のような責め苦に、カイジはとうとう、腰を高く上げたまま床に崩れてしまった。ひく、ひくと体を不自然に痙攣させながら、蚊の鳴くような泣き声で赤木を責める。
「……ひっ、ひでぇ、よっ、赤木さ……ッ、オレ、なにか、気に、さわるような、こと……しました、か?」
 弱りきったカイジの様子を見て、赤木は苦笑し、動くのをやめた。
 ずるりと自らのモノを引き抜くと、ゴムがぬめりを帯び、てらてらと光っていた。
 そのまま、カイジの体を反転させ、仰向かせる。顔に張り付いたカイジの髪を手でかき上げてやり、顎に流れる涎の筋を掬うように舐め上げ、口付けた。
「んっ……ん……」
 くちゅくちゅと舌を絡めあう官能的なキスに、カイジは一瞬、自分の体を苛む苦痛を忘れた。
 透明な糸を引きながら唇を離すと、赤木はすぐに「悪かったよ」と謝った。
「俺もつい、はしゃぎすぎちまった。久々だったからな、お前と会うのは」
 されたことは『はしゃぎすぎちまった』などという可愛らしいレベルを通り越していたのだけれど、赤木が珍しくばつの悪そうな苦笑いを浮かべているので、本気で謝っているのだということがカイジにはわかった。
 それに、自分がそうだったように、赤木も自分に会えて嬉しく思っていてくれたのだ。それがわかっただけでもう、カイジは赤木を許してしまった。
 オレはなんてこの人に甘いのだろう、と自分に呆れながら、カイジは重い腕を上げて赤木の頭に手を伸ばし、短い髪をわしゃわしゃと掻き回した。
「……いいです……もう、怒ってないですから……」
 赤木はカイジに乱された髪のまま、「お前、馬鹿だなぁ」と呆れたように笑った。
「いいんです……あんたの前じゃ、オレは馬鹿になっちまうんです」
 だから、と言って、カイジは赤木の腰に脚を絡めた。
「だから……続き、してください……」
 痛いほど張り詰めた赤木のモノを、解放してあげたいと思うのと同時に、自分自身も赤木で解放されたい、そう思っていた。
 赤木はもう一度「……馬鹿だなぁ」と呟くと、ふたたびカイジに口付ける。

 隙間なく抱き合って、ゆっくりと挿入していくと、カイジは長いため息を漏らした。
 最初は労るように静かだったが、徐々に火がついて激しくなっていく律動に合わせて、カイジの口から漏れる喘ぎも高くなる。
「あっ、あ、あかぎ、さん、あっ、いい、あぁ、あ」
「……カイジ……っ」
「んっ、あ、すげ……ッ、いい、あぁ、もう、オレ……っ!」
 イく、と訴える暇もなく、カイジは射精した。ドクドクと迸る白いモノが、赤木のシャツを汚す。やがて、赤木の動きも緩慢になり、果てたことがわかった。
 互いに犬のような息をしながら、どちらからともなく唇を合わせる。
 長いキスを終えたあと、カイジは恍惚とした表情のまま、
「すき……好きです、赤木さん……」
 と呟いた。
 それを聞いた赤木は少し、面食らったような顔をしたあと、
「お前……そういうのは、ちゃんと言うんだな」
 と言って、また苦笑した。







[*前へ][次へ#]

10/116ページ

[戻る]