Je jouis!(※18禁)・2


「ん……、ふ……っ」
 ぴちゃぴちゃと水音をたてながら舌を吸い合う、恋人同士の甘い口づけ。
 久々の感覚にカイジがぼうっと陶酔している間に、アカギはするするとカイジの服を脱がせてしまう。

 互いに一糸纏わぬ姿になってから、もう一度抱き合う。
 素肌が隙間なくぴったりとくっつき、アカギの低い体温と、カイジの高い体温が混ざり合う。
 それだけで、カイジはひどく満たされたような気分になる。
 だが、アカギが密着した腰をゆるゆると揺すり始めたので、カイジは動揺して微かに身を捩った。
 重なり、擦れあう陰茎が熱い。すでに、アカギも痛いほど勃起しているのだ。生々しいその硬さを己の陰茎で感じ取り、カイジは思わず唾を飲み込む。
 敏感な裏筋を亀頭でなぞりながら、アカギ自身が上下する。その直接的な刺激に、カイジのモノの先端には早くも透明な先走りが露を結んでいた。
「んっ……ん、ぁ、かぎ……っ」
 荒い息の合間に名前を呼ぶと、アカギはわずかに体を起こした。
 兜合わせで互いの陰茎を擦り合わせながら、カイジの乳首を吸う。
「あっ、んんっ……!」
 興奮にぷつりと勃ちあがっていたちいさな粒を、舌でやわらかく押しつぶしながら、乳暈を吸い上げる。
 ときおり、歯をたてて甘噛みされ、もう片方の乳首を玩具のように指で転がされ、カイジはシーツに皺を寄せて身悶えた。
 乳首で感じてしまうことに、カイジは強い羞恥を感じる。
 首許までカーッと真っ赤に色づいたその様子がアカギの目を愉しませているなどとは夢にも思わぬまま、むず痒いような快感にカイジはピクピクと体を痙攣させていた。

 やがて、アカギの陰茎の先端も、先走りを分泌し始める。溢れる互いの粘液でカイジの陰茎はぐしょぐしょに濡れそぼり、硬く膨らんだ睾丸をも濡らし、その下の秘部にまで垂れ落ちてきた。
 アカギは体を起こし、軽く息をつく。重なっていた怒張が離れるとき、にちゃっ……と卑猥な音をたてて二本の陰茎を糸が繋いだ。
 離れた体温に寂しさを覚える暇もなく、ぐるんと体を返されてカイジは目を見開いた。

 アカギの、指が。
 先走りにまみれた窄まりをつついている。

「……っ!!」
 反射的に、カイジの体は逃げをうってもがく。腰をガッチリと押さえつけられながらも、カイジは這いずって遮二無二逃れようとする。
 おとなしくしてな、と呟きざま腰に口づけられ、体が震える。
 だが、それでもカイジは泣きそうになりながら抵抗した。

 今、指なんか挿れられたら。
 確実に『堕ちて』しまう。

 薄っぺらな気合いなど、とうに雲散霧消していた。
 しこたま呑んだ酒の効力もなく、後ろにアカギの指を受け入れることを想像しただけで、カイジの陰茎はだらだらと涎を垂れ流している。
 度し難い現実。だからこそ、こんな姿をアカギに知られるわけにはいかないと、カイジは狭いベッドの上、必死に逃げようとする。
 だが、予想外の抵抗に痺れを切らしたのか、アカギはカイジをおとなしくさせようと、皺を伸ばすように肛門を解していたその指を、一気に突き立ててきたのである。
「ーーーッッ!!」
 ずぷり、と中に入ってきた細いものに、カイジは限界まで目を見開く。
 挿入の刺激だけで腕が震え、腰だけを上げた状態でベッドの上に崩れ落ちてしまう。
 はぁ、はぁ、と恐慌に息を荒げながらも、カイジは縋るようにアカギを見た。
「ア、アカ、待っ……あ! あっ、ぁっ……!!」
 震える制止の声は届かず、アカギの指がズッ、ズッ、とカイジの中を無遠慮に出入りし始める。
 カイジの目の前に火花が散り、電流が走ったように背筋がビリビリする。
 それは、ついぞ味わったことのないほどの、強烈な快感だった。
 アカギの長くしなやかな指が、澱みなく麻雀牌を操るその指が、自分の中を犯している。
 無骨で不器用な自らの指で行うアナルオナニーとはまるで違う刺激に、カイジはビクビクと体を震わせ、ひたすら喘いだ。
「アッ、あっ、ぁ、んっ……あか、ぁ、うぁ、あ……ッ!」
 あまりの快感に涙が滲み、目の前が曇る。
 口から涎を垂れ流し、無意識のうちに自ら貪欲に腰を揺らめかせるカイジの乱れように、アカギは違和感を覚えて細い眉を寄せる。
「カイジさん、あんた……」
 アカギの声にハッとしたカイジは、慌てて首を横に振る。
「ちっ違っ……あぁっ!!」
「クク……、まだなにも言ってないんだけど」
 肩を揺らして笑いながら、アカギの指が的確に前立腺を突く。
 いちばんの性感帯を突如として襲った強い刺激に、カイジは悲鳴じみた声をあげた。
「ふあッ、ぁっ、だめ、そこ、だめ……ッ!!」
「ねぇカイジさん、オレがいない間、ひとりでココ、弄ってたでしょ……」
 ずぷっ、ぬぷっ、と前立腺を突きながら囁かれ、カイジは半狂乱になる。
 嘲るようなアカギの台詞など、もはや耳に入らない。
 ものすごい勢いで背筋を駆け上ってくる感覚に、カイジは極まった声をあげた。
「あっダメ、いく、いく、イクぅ……っ!!」
 絞り出すように鳴いて、カイジは空イキした。
 びくん、びくん、と蛙のように大きく跳ねるカイジの体に驚きつつも、中に入れたままの指をきゅうっと食い締められる感覚で、アカギはカイジが早くも絶頂に達したことを悟った。
 硬く膨れ上がった陰嚢も、勃起した陰茎もピクピク震えてはいるが、射精した様子はない。
 ドライオーガズムという現象をアカギは知らなかったが、尋常ではないカイジのイキ方に、ニヤリと悪い笑みを浮かべた。

「んあぁっ……! あっあぁっ……!!」
 イッたばかりでヒクついている尻穴を容赦なくぬぷぬぷと責められ、カイジは太い眉を寄せる。
 アカギの指は前立腺ばかりをノックするように弄ってきて、その度にカイジの目の前がチカチカと白く光る。
「アッ、そ、そこ……っ、そんなに、されたらぁ……っ、またいく、イク、いくぅぅっ……!!」
 アナルオナニーですっかりイキ癖のついてしまったカイジの中は、感じるところを数回突かれただけで、すぐに二度目のオーガズムを迎えた。
 びくびくっと肉壁を蠕動させ、大きな尻を震わせて絶頂するカイジ。
 たいした運動もしていないのに全身汗まみれになり、トロトロにとろけた表情で荒い息をつく卑猥な姿に、アカギはひどく獰猛な顔になる。

「んぁっ!? ぅ、あ、アカ、ギ……っ?」
 指よりもやわらかく、ぬるりとぬめったものが中に入ってきて、カイジは目を白黒させる。
 ぼんやりと霞んだ視線を動かすと、アカギが己の尻に顔を埋めている光景が目に飛び込んできて、カイジは叫び声をあげそうになる。
「ばっ馬鹿っ……!! そんな、トコ……あッ、あぅ……」
 非難の声は、アカギの舌が蠢く感覚に呆気なく突き崩される。
 じゅるじゅるとわざとらしいほどの淫らな音をたてながら、猫のようにうすい舌がカイジの尻穴を蹂躙する。
 ピストンを模すように抜き挿しされ、指とはまた違った、軟体動物の這うような、おぞましさと紙一重の悦楽にカイジは三度目の絶頂を訴える。
「アッいく、またイッちまうっ、ぅぁ、あ、アーー!!」
 強く掴んだシーツをぐしゃぐしゃにしながら、カイジはまた達した。
 過ぎた快感に大粒の涙をこぼしながら、ひくん、ひくん、と体を痙攣させるカイジ。
 三度も絶頂を迎えておきながら、その陰茎は一度も精を放つことなくビンビンに勃起したままで、先端からだらだらと溢れ出るカウパーがシーツにシミを作っている。
 そのいやらしい光景に目を眇め、アカギはカイジの粘液で汚れた唇をぺろりと舐めた。


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