rodeo(※18禁) 三世代とカイジさん ぬるい



「カイジさん、上になって」
 しげるにそう声をかけられたとき、カイジは思わず「えっ」と口走りそうになり、慌てて言葉を飲み込んだ。
「……どうしたの」
 覆い被さっている少年が、不思議そうに瞬きしている。
 その声が快楽に甘く掠れているのを聞くと、情事の最中に拒否を示してムードをぶち壊すことなどとてもできなくて、カイジは黙ったまま、伸ばされた白い手を掴んで体を起こした。

「この体位、嫌?」
 カイジが白い体に跨り、男根をふたたび腹の奥まで受け入れた直後、しげるが問いかけた。
 労わるように腰を撫でられ、その感触にすらピクリと体を引きつらせながら、カイジは首を横に振る。
「んっ……い、嫌じゃねえ……けど、」
 まっすぐな視線に見上げられると、下手な誤魔化しなど出来なくなってしまう。
「……重くねえか? しげる……」
 ボソボソと、気遣うように問いかける。
 相手の上に乗って跳ねるように動かなくてはいけないこの体位は、まだ細くて発達途上のしげるの体に、きっと負担をかけてしまう。
 それが心配で、カイジは尻込みしてしまうのだった。

 わずかに目を見開いたあと、しげるはクスリと笑う。
「女の子みたいなこと気にするんだね、カイジさんは」
「……なっ……! ち、違、」
 からかわれて、カイジは顔を赤くする。
 オレは、お前に負担じゃないかって、心配してーー
 そう続けようとした言葉は、いきなり軽く突き上げられたことにより、とろりと溶け崩れてただの喘ぎ声に変わってしまう。
 悩ましく身を捩らせるカイジを見上げ、しげるは乾いた唇を舐める。
「ーーかわいい。動いて、カイジさん」
 やわらかい声で促され、「重くないから」と余計なことまで言われて、カイジはちょっとムッとする。
 それでも、愉しそうに光る瞳を見ると文句を言う気も削がれて、渋々、といった風にため息をつくと、ゆっくり腰を持ち上げてやるのだった。









「カイジ、上になれ」
 赤木にそう声をかけられたとき、カイジは思わず「えっ」と口走りそうになり、慌てて言葉を飲み込んだ。
「……どうした?」
 後ろからカイジを抱きしめている男が、耳許で問いかける。
 耳にかかるその吐息が熱く湿っているのを感じると、情事の最中に拒否を示してムードをぶち壊すことなどとてもできなくて、カイジは黙ったまま、低い体温から体を離した。

「あんまり、乗り気じゃねえみてえだな」
 カイジが白い体に跨り、男根をふたたび腹の奥まで受け入れた直後、赤木が呟いた。
 労わるように腰を撫でられ、その感触にすらピクリと体を引きつらせながら、カイジは首を横に振る。
「そういう訳じゃねえ……っ、けど、」
 まっすぐな視線に見上げられると、下手な誤魔化しなど出来なくなってしまう。
「……あ、あんまり見ないで、下さい……」
 ボソボソと、口ごもるように言って、カイジは項垂れる。
 はしたなく昂ぶった自分の体、快感を求めて男の上で腰を振る姿を、余すところなく見られてしまう。
 それが恥ずかしくて、カイジは尻込みしてしまうのだった。

 わずかに目を見開いたあと、赤木はクスリと笑う。
「あまり、かわいいこと言ってくれるなよ」
「……なっ! か、かわーー」
 苦笑まじりの軽口に、カイジは顔を赤くする。
 目をつり上げて抗議しようとするも、体の中でびくんと脈打ち質量を増した赤木自身に、驚いて意味を成さない声を漏らしてしまう。
「ーー悪いが、ゆっくりやってくれ。どうやら……長く持たせられそうにねぇ」
 言葉とは裏腹に、赤木はいつもと変わらぬ余裕の笑みを浮かべていて、カイジはちょっとムッとする。
 それでも、愛しげに細められた瞳を見ると文句を言う気も削がれて、渋々、といった風にため息をつくと、ゆっくり腰を持ち上げてやるのだった。







「カイジさん、上になって」
 アカギにそう声をかけられたとき、カイジは思わず「げっ」と漏らしてしまった。
 律動を止めた男は、あからさまに嫌そうなその声に深く眉を寄せる。
「……『げっ』てなに?」
 詰め寄られ、しまった、と思いながらも、カイジはヘラヘラ笑って誤魔化そうとする。
 十分に昂ぶらされた体は熱く、腰を中心にじんわりと痺れるように重だるい。
 しかし、鋭く睨みつけてくるアカギの視線に拒否など示せるはずもなく、カイジはひどく緩慢に体を起こした。

「動いて」
 白い体の上に跨り、男根を体の奥まで受け入れた直後、アカギが囁くように言った。
 カイジは内心、げんなりする。
 ハッキリ言って、この体位は好きじゃなかった。だるいし、ぜんぶ見られてしまうのが嫌だし、なによりうまく動けないから、好きじゃない。
「……なに、その不満そうな顔」
 手軽に気持ちのいい思いだけしたいという怠惰さが、露骨に滲み出ているカイジの態度に、アカギは低く問いかける。
「……べつに」
 ドスの効いた声を聞くと当然、文句など言えるはずもなくて、渋々、といった風にカイジはため息をつくと、ゆっくり腰を持ち上げてやるのだった。
 













「ねぇ……ふざけてるの?」

 耳許で平らな声がして、カイジは「あぁっ……?」と苛立ちまじりに返す。
 数分、上で跳ね動いただけで、圧倒的運動不足であるカイジの体力は限界を迎え、アカギの体の上にべちゃりと倒れ込んでしまったのだった。

 ぜえぜえと荒くなった息を整えながら、カイジはキッと目をつり上げる。
「うるせー……こちとら疲れてんだよっ……! お前と違ってなぁ、オレは毎日、まいにち、労働っ……」
 きれぎれに抗議のようなものをギャーギャーと喚き立てる、その煩さにアカギはチッと舌打ちし、これ以上ないほどの凶相になる。
 ーーまったく、可愛げもクソもない。

「なんか……すげぇ腹立つんだけど……」
 アカギはするりとカイジの尻へ手を伸ばし、肉付きの良い尻臀を強く鷲掴みにする。
 鋭い痛みに、カイジは顔を歪めた。
「痛っ……てめぇ……なにして、ッ……!?」
 直後、いきなり下から強く突き上げられ、カイジは衝撃に目を見開いて息を飲んだ。
 そのまま、苛立ちを込めてズンズンと激しく抽送され、カイジはゾクゾクと背筋を震わせる。
「あっ、あッ!? ひっ、ァあっ!!」
 待ち望んだ快感に全身で悦び、潤んだ目をとろかせ、アカギに縋り付いてあられもなくよがるカイジ。
「あっ、あーー! ぁ……、い、いぃ、アカギ、っ……!!」
 さっきまでの気乗りしない様子とは別人のような乱れように、結局カイジの思い通りにさせられていることが面白くなくて、アカギは嬌声を上げる恋人の下で、ますます渋面になるのだった。






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