ごほうび(※18禁)・1 青姦 頭の沸いてるエロ
「おあずけ」
仏頂面でぴしゃりと撥ね付けられ、しげるはカイジの体に回した腕を止めた。
カイジはバイトに、しげるは代打ちに。
それぞれ出掛けようとした矢先、玄関先でいきなりしげるに襲われそうになり、とっさにカイジが言い放ったのが、先の一言なのだった。
「……オレ、犬じゃないんだけど」
平らな胸に顔を押しつけたまま、目だけで自分を見上げてくるしげるに、カイジはため息まじりに言う。
「そりゃそうだろ。お前よりか、犬の方がまだちゃんと言うこと聞くぜ」
ムッとするしげるの眉間に皺が寄り、カイジは笑って、そこに人指し指を当てた。
「ワガママで、身勝手で……お前は犬っつうより、どちらかというと、猫に近いだろ」
そのまま、深く刻まれた縦皺を指でなぞられ、いつもなら腹の立つその行為にすら、しげるは欲情する。
「じゃあ、なおさら……オレはワガママで身勝手な猫なんだから、『おあずけ』なんてできないよ」
眉間をなぞる指を捕らえ、爪先にキスして口に含むと、ピクリと動く指先から、カイジの狼狽が伝わってくる。
誘うように舌を這わせながら自分の顔を見つめてくる妖しい瞳に、カイジはぐっと息を飲んだあと、ブンブンと首を横に振った。
「ダメだダメだっ……! オレもお前も、遅刻しちまうだろうがっ……!」
「いいじゃない、ちょっとくらい……」
「アホかっ……! その『ちょっと』が、オレには死活問題なんだよっ……!」
そう言って、カイジは強引にしげるを引き剥がす。
「ほら、行くぞ?」
大急ぎで靴をつっかけ、ドアの外で自分を振り返るカイジを鼻白んだように見て、しげるも渋々、スニーカーを履いたのだった。
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