乾く暇もなく(※18禁)・5


 しげるはさらに筆を上へと走らせ、とろとろと蜜を溢す鈴口に辿り着いた。
 ちいさな穴の周りを丁寧に撫でて露を拭い取り、筆先をそっと差し込めば、じわりと新しい雫が滲んでくる。
 ぱくぱくと嬉しそうに開閉して穂先を迎え入れる尿道口に、すこしずつ筆先を沈め、くるくるとやさしく刺激を与えてやると、大量に溢れ出す先走りに白濁したものが混ざり始める。

 開いた脚の爪先をこまかに震わせ、カイジは与えられる快感に惑溺している。
 粘り気を帯びた雫は陰嚢の下、会陰を伝って後孔の窄まりにまで達しようとしていた。
 しげるは筆を動かしながら、洪水のように溢れる先走りの液を左手の指で絡め取り、尻孔をつつく。
「あっ、しげ……ぁう、うっ……」
 連日のセックスで、カイジのソコはやわらかく緩み、いきなり指二本突っ込まれてもすんなりと受け入れる。
 淫らに蠕動し、奥へ奥へと誘う粘膜の感触を指で愉しみながら、しげるは筆を動かすことも忘れない。
 性的にもっとも敏感な二箇所の粘膜を同時に刺激され、カイジは体をちいさく折り畳むようにして感じ入っている。
 性感による涙を目尻に光らせ、全身を火照らせながら喘ぐ姿を見て、カイジの限界が近そうだと判断したしげるは後孔からずるりと指を引き抜き、カイジの体を抱き締める。
「ね、カイジさん……オレ、こんなになっちまった」
 囁きながら、しげるは硬く勃起した陰茎をカイジの腰に擦りつける。
 驚いたようにビクリと反応するカイジに笑い、しげるは濡れそぼった筆先でカイジの耳を擽る。
「ひっ……ぁ、あ」
 擽ったそうに肩を竦めるカイジの手を取り、しげるは反り返った自身に触れさせた。
「欲しい?」
 複雑な形の耳介を筆で描くように辿りながら問うと、カイジは微かに頷き、しげる自身を握り込む。
 掌全体を使って根本から扱き上げられ、しげるはぴくりと眉を寄せた。
「ん、っ……じゃあ、おねだりしてみてよ……」
 性急な動作に息を荒げつつ、しげるは耳を弄くるのをやめてカイジの唇を筆でなぞる。
 まるで紅でも塗ってやるような仕草で、集めた先走りの粘液を塗りつけていると、熱っぽいため息とともに、カイジは濡れた唇をうすく口を開いた。
「なぁ、……これ、挿れてくれ……ッ」
 まだ、どこか幼さの残る恋人の肉棒をにゅるにゅると扱きながら、羞恥心を忘れてカイジは懇願する。
「ふふ……いいよ、カイジさん……」
 しげるはカイジの手を押さえて止めさせ、筆を傍らに置くと、投げ出された二本の脚を、胸に付きそうなほど大きく抱え上げる。
 そして腰の位置を合わせると、垂れ落ちた先走りでぐっしょり濡れた秘部に、ゆっくりと挿入した。
「あっ、はぁ……ッ、あぁぁ……っ」
 ズッズッと奥まで突き入れたとたん、カイジはぶるりと身震いし、いきなり射精してしまう。
 精液は勢いよく飛び散ってカイジの腹から胸までをも汚し、キツく引き絞るように収縮する中に、しげるもイってしまいそうになるのをすんでのところで堪えた。
「はぁ、あ……わ、わり……オレ……っ」
 涙目で熱い息を吐きながら、カイジはカーッと顔を赤くしてしげるに謝る。
 早過ぎた終わりを恥じているのだろう。情けなさそうにうつむくその表情に、しげるは欲望を掻き立てられる。
「オレ、まだだから……いっぱい動いて、いい?」
 掠れた声で問いかけ、カイジの返事を待たずにしげるは腰を打ちつけ始める。
「あっ、あっ、し、しげるっ、あっ、」
 規則的な動きでピストンされるのに併せ、カイジの口から高い声が上がる。

 しげるはカイジに覆い被さると、今まで筆だけで触れていたところに、自らの指や舌で思う存分愛撫を加えていった。
 耳と首筋を執拗に舐め、乳首に吸いついて舌で転がす。
 空いている手でもう片方の突起を摘まむと、カイジがビクンと背を仰け反らせた。
「んぁあ……っ!」
 きもちよさそうな声を聞きながら、カイジの放った白濁を塗り広げるようにして脇腹を撫で、さらに下へと手を伸ばしてカイジの陰茎に触れる。
 達したばかりだというのに、白濁に濡れたソコはふたたび勃ち上がり始めていた。
 テラテラと妖しく濡れ光るソレに指を絡めつつ、しげるは自らの肉棒でカイジのイイところを探る。
 早々に見つけ出したポイントを狙ってリズミカルに突き上げながら、赤子のように胸を吸い、手の中の怒張をクチュクチュと扱きたてる。
 まるでタガが外れたかのような激しい責めに、カイジは激しくよがり狂ってしげるの背に爪を立てながら、ガチガチに勃起した肉棒が粘膜を擦り上げるのにあわせて自らも腰を振る。
 しげるに突かれるたび、ビクビクと震えるカイジ自身からは先走りが撒き散らされる。そうすると、カイジの中がまるでしげるを愛撫するように包み込んでぴったりと吸いついてくるので、しげるもまた性感を高められ、ふたりは互いを追い詰めながら、絶頂へと駆け上がっていく。
「ふぁっ、あぁっ、あっ、ダメ、イく、またイくっ……!」
「オレも……、もう出そう……」
 極まった声でそう呟いて、しげるはとどめとばかりにカイジの最奥をズンッと突き上げる。
 その瞬間、カイジは二度目の絶頂を迎えた。
「ひぁ、あぁあ……!」
 一度目の時より色の薄い精液で自らの体を汚しながら、カイジは悲鳴のような声を上げる。
 ビクビクと脈打つ陰茎を滅茶苦茶に揉みしだかれるような媚肉の収縮に、このままカイジの中にすべてぶちまけてしまいたい誘惑に駆られつつも、しげるは自身を引き抜いてカイジの体の上に白濁を放った。
「っはぁ……カイジさん……っ」
 しげるが砲身を扱きながら飛び散らせた液体は、二度の射精で放たれたカイジ自身の精液と混ざり、その体を卑猥な白に染め上げていった。




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