ホテル・3(※18禁)

「あ、アカ……」
 背後から、スイッチに触れていた手を捕まれてカイジはヒッ、と喉をひきつらせる。
 アカギはそのまま強くカイジを抱きすくめ、体の自由を奪う。
「っうわ!? ちょっと待てってっ……!!」
 背後から腕を回し、ズボンを下ろそうとするアカギを、カイジは慌てて制止する。
「クク……、往生際が悪いぜ、カイジさん」
 アカギは難なくカイジのズボンと下着を下ろすと、何のためらいもなくカイジのモノに手を伸ばす。
「お、おいっ……!! ……っ!!」
 絶妙な強さで上下にしごかれ、カイジは息をのむ。
 急所を握られてしまっているので、ろくに抵抗もできない。
 粘性を帯びた水音が大きくなるにつれ、アカギの手の中のそれも徐々に硬くなり、カイジの息が上がってくる。
 粘ついた液体が先端からぷくりと盛り上がり、アカギの手を汚した。

「ぁか、アカギっ、お、前、またオレに、ツッ込む、気かよっ……?」
 与えられる刺激に声を上ずらせながら、カイジは問う。
「半分あたり」
 アカギは不敵に笑い、ぴたりと手を止めた。
 嫌な予感に、カイジは背筋を寒くする。


 アカギはなにかをカイジのモノの先端にあてる。
 柄のプラスチックが白く光るそれは、アメニティの綿棒だった。
 脱脂綿で先走りを集めるように、くるくると撫でる。
 信じられないものを見るように、カイジの目が限界まで見開かれた。

「あ……、おま、なに、を……」
「コレを、ここにツッこむんだよ」
 アカギはカイジの耳許で囁くと、カイジがなにか言う前に、ゆっくりと綿棒を押し進めた。
「ぐぁ……ッ!!」
 カイジの体が派手にしなる。
 せわしなく浅い呼吸を繰り返しながら、細い棒を飲み込む自身を驚愕の瞳で見る。
「う、ぁ……う、そだろっ、は、入って……うぁぁっ」
 カイジのそれは、快楽ではなく痛みのために固く勃起していた。

 悶絶する体を押さえつけ、アカギは綿棒を押し込んでゆく。

「声。出した方が楽だと思うけど」
「は、っ……、ぐっ……」
 アカギの言葉に、労りではなく揶揄の色を感じたカイジは、いっそう強く歯を食いしばり、絶対に声を上げまいとする。
 声の代わりに、透明な滴が間断なく頬を伝った。
 その強情な瞳の色に、さっきまでのつまらない気分が嘘のように、アカギの心が高揚する。
 微かな笑い声とともに、綿棒が一気に押し込まれた。

「――――ッ!!」

 激痛に、カイジの目の奥で火花が散った。
 固く握り締められた拳が白い。
 半端に開いた口から、だらしなく涎が垂れる。
「あぁ、ぁふ……っ」
 呼吸もままならないらしく、カイジは水揚げされた魚のようにぱくぱくと口を動かす。
 全身の毛穴からどっと汗が噴き出してきて、アカギの支えなしでは立っていられない。
 三センチほど押し込んで、今度はそれをゆっくりと引いていく。
「あっ! さわる、なぁっ……! あッく、い、いてぇ……っ」
 カイジはのたうちまわって痛みから逃れようとする。救いを求めるように伸ばした手がガリガリと壁を掻いた。
「あんまり暴れると傷ついちまうぜ」
 笑って言われた言葉にカイジの返事はない。声は届いていないのかもしれなかった。
 ギリギリまで引き抜いて、アカギはふたたび綿棒をゆっくり押し込んでゆく。
「ぐっ……う」
 痛みのあまり言葉をなくし、カイジは獣のように呻く。アカギが支える力をほんの少し緩めただけで、その体はずるずると床にくずおれた。
 カイジは背後に立つアカギを振り返り、切れ切れに叫んだ。
「ぁ、もう、充分だろっ。さっさと、抜け、よっ……!!」
 アカギは冷たく一蹴する。
「あんた、さっき『さわるな』って言ってたじゃねえか。抜きたければ、自分で抜けば」
「……っテメェ……殺、す……!!」
 震えて、脅しにもならない脅し文句を受け流し、アカギはニヤリと笑った。
「いいぜ、かかってきなよ。でも、今のカイジさんとオレで勝負になるかな?」
「くっ、そ……」
 カイジは歯噛みしながら綿棒をそうっと引いてみる。
 途端に、局部を裂かれるような強烈な痛みが走り、手が固まってしまう。情けない話だが、自分の手ではとても、それ以上動かせそうになかった。

 怒りで顔を染めながら、カイジはアカギを睨めつける。



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