solo・1(※18禁) カイジにオナニーさせる話 女性をおかずにしているのでご注意ください プレイではない放尿(?)シーンあり
風呂から上がり、カイジは濡れた髪をがしがし拭きながら冷蔵庫を開ける。オレンジのランプが点灯し、ふわりと溢れ出る冷気が火照った体に心地よい。
ここでビールの一本でもぐいっといきたいところだが、カイジはぐっと堪える。あと一時間ほどで、代打ちを終えたアカギが訪ねてくるのである。
アカギは必ずなにかを提げてやって来て、それをあてに二人で晩酌、というのがお決まりのパターンなのだ。べつに先に一本くらい飲んでいたからってアカギはとやかく言わないが、肴をいつも提供して貰っているのになんだか抜け駆けみたいで悪いとカイジは思うのだ。妙に律義なところがあるのだった。
冷蔵庫の奥に鎮座するキンキンに冷えたビールの誘惑に耐え、ペットボトルを取り出してコップに水を注ぐ。すぐに飲み干して、二杯目を持って居間に行く。
テレビを点けるとくだらないバラエティー番組をやっていた。ぼんやり見ていると、零れそうな目をしたグラビアアイドルが周りのお笑い芸人からいじられまくって『やだぁ〜もぉ〜』とかなんとか、実に嬉しそうな顔で言っていた。
絶賛売りだし中らしく、最近ひんぱんにテレビで見かけるようになったその娘は、顔は別段カイジの好みというわけではないが、体つきはなかなかよかった。
胸はほどほどに大きく、形がよくて、腰がキュッとくびれている。やたら露出の多い、服なんだか下着なんだかわからないような格好で、無防備そうにはしゃいでいるのを見ていると、カイジはだんだん、ムラムラしてきた。
しかし、そこでちょうど番組は終わってしまい、スタッフロールの向こうで弾けんばかりの笑顔を振り撒きながら『また観てね〜』と手を振ってその娘は消えた。代わって、底抜けに明るい音楽とともにファミリーカーのCMが流れだす。カイジはテレビを消した。
中途半端に腰に熱がわだかまっている。カイジは時計を見た。
アカギが来るまで、まだかなり時間がある。
……やるか。
カイジは慣れた手つきでベッドの下を探り、いかがわしい表紙の写真集を取り出す。
下を脱いで自分のモノに手を伸ばし、ページをめくった。
豊満な胸を晒し、挑発的に見詰めてくる女を見ながら擦ると、やる気充分だったせいかあっという間に硬度を増して腰が甘く痺れてくる。
さっきのグラビアアイドルに置き換えて、あれやこれやを妄想しながら手を速めていく。それにあわせて徐々に息が上がってきて、クチュクチュといやらしい音も大きくなってくる。口の中に唾液がだくだく湧いてきて、喉を鳴らして何度も飲み下す。
もう少し、あと少しでイける。
あとはのぼりつめるだけ、というまさにその時、ノックの音が部屋に響いた。
カイジの口から「げっ」という声が漏れ、目許がひきつる。たっぷり間隔をあけて二回、間延びしたようなノックの仕方。間違いなくアカギである。
カイジは時計を見る。予定していた時間より随分早い。もうケリがついたのか? 今日に限って、なんてタイミングの悪い。
興奮の絶頂に水を差され、カイジは熱を持った自身を握りこんだまま呆然とした。どうしようか、ここまできたら最後までやってしまうべきかと迷ったが、アカギがドアの前にいるというこんな状況ではとても興奮を保てそうにないし、焦ってヘタに時間がかかればアカギに怪しまれる。
一瞬の迷いののち、カイジは舌打ちして脱ぎ散らした下着を拾った。猛ったものを無理矢理納め、スウェットを履くと、だぶついた生地がその存在感を上手く覆い隠してくれた。
ベッドの下にエロ本を無造作に投げ、玄関に向かう。ドアを開けると、やはりそこに立っていたのはアカギだった。
「よぉ、早かったな」
なにごともなかったかのように迎え出たつもりだったが、出た声は少し固かった。
「ああ、案外早く片付いたから」
そっけなく言って靴を脱ぎ、アカギはさっさと部屋に上がる。
「これ、みやげ」
どさりと机の上に置かれた白い袋には、赤茶の文字で店の名前が入っていた。
「聞いたことのない店だな」と言いながら中を覗くと、缶ビールが数本とパックにぎっちり詰められた焼き鳥、それにマルボロ1カートンが入っていた。
「うまい店教えて貰ったから、焼き鳥はそこで買ってきた。あとのはコンビニ」
「おぉ! いつもすまねぇな」
アカギの買ってくるつまみはいつだってカイジのツボをよく捉えていて、うまくなかったためしがない。食欲をそそる匂いに、カイジは目を輝かせる。アカギがベッドにもたれて座り、テレビを点けたところで、思い出したようにカイジは尿意をもよおした。
「ちょっと、トイレ……」
言い置いてからそそくさとトイレへ向かう。扉を閉め、モノを取り出すとそれはもうすっかり萎えていた。尿と一緒に、自慰の名残の白いものが少し、便器に落ちた。そこはかとなく情けないような気持ちでそれを見る。
トイレを済ませ、居間へ戻るとアカギはベッドに腰かけていた。うつむいて、なにかを熱心に見ているようだ。
「アカ……」
声をかけようとしてカイジは固まった。アカギが組んだ足の上でページを繰っているもの、それはカイジがベッドの下に隠したはずのあのエロ本だった。
「カイジさんって、こういう女が好みなんだ」
カイジの方を見もせずに、アカギはぼそりと言う。
「……!! ……!! ……!!」
予想だにしていなかった光景に、カイジは雷に打たれたようなショックを受ける。
なぜ? どうして? などという意味のない疑問符で頭が埋め尽くされる。口をぱくぱくさせながら、その場に立ち尽くすカイジの耳を、テレビの発するお気楽な笑い声が通り抜けていった。
金縛りにあったように動けないカイジの目の前で、アカギは悠然とページを捲る。
その落ち着き払った態度、まるで文学作品でも読んでいるようだ、などとトンチンカンなことを思う。混乱しまくった脳ミソが、半ば思考放棄し始めているのだった。
一通り見終わったところで本を閉じ、アカギはそれをベッドの上に放り出す。カイジの視線が、ガッチリ本に固定されているのに笑い、アカギは言う。
「ねぇ。ひとりでするときって、どういう風にやってるの」
「……え、」
ひさびさにカイジの口が発した声は、ひどく頼りなかった。そろそろと目線が上がり、アカギと目が合う。
「カイジさんがひとりでしてるとこ、見たい。やってみてよ。それをオカズに」
アカギが本を顎で示すと、その仕草をきっかけに金縛りが解けたカイジは激しくわめき出す。
「いやいやいや! できるわけねぇだろっ! ていうか、は? え? なんでこれ、お前が読んでんの? ち、ちゃんと隠したはずなの、に」
「ちょっとはみ出してた。急いで隠したでしょう。詰めが甘いな」
「ぅぐっ」
淡々と追い討ちをかけられて殴られたような声が出る。ただ立っているだけなのにカイジはもはや、よれよれだった。座れ、とアカギが自分の隣を叩くと、抜けがらのようになったカイジはおとなしく従った。
「ほら、これ、見ながらやってみろって」
「嫌、イヤだ、絶対無理……」
放心状態でもアカギの言葉は届いているようで、首を振って強い拒絶を示す。
「へえ……」
アカギの声がワントーン低くなり、カイジは思わずアカギと距離をとる。
どうしてやろうか、というような企み顔で見詰められ、カイジはぞっとした。
アカギとの付き合いの中でカイジは学習していた。この顔。獲物を追い詰めるようなこの顔になったとき、アカギはどんな手段を使ってでも必ず目的を果たす。
たぶん、どんなに拒絶したとしても逃れるのは無理だろう。
それどころか、逃れようとすればするほど、おぞましい仕打ちを受けるに違いない。これも経験で学んでいる。カイジは絶望的な気分になった。
アカギの手がカイジに伸びてくる。肩に触れられる直前、カイジはとっさに叫んでいた。
「こないだのっ……!」
アカギは動きをぴたりと止める。その顔を睨みつけるようにしながら、カイジは重々しく告げる。
「こないだの五万っ! チャラにするなら、してやってもいい……!」
こないだの五万。アカギに頼み込んで借りたその金は、その日のうちに銀の玉に変わって消えたのだ。
どうせ最後にはやらされるのならば、せめて自分の利になる条件をつけてやる。
そんな発想の転換で動いたのだった。
一方アカギは内心首を捻っていた。
こないだの五万?
斜め上に視線を投げ、ああ、と思い至る。
確かに、『早めに返すから』とかなんとか言われて貸したかもしれない。
そんなもの、はなから返ってくることは期待してないし、貸したことも今の今まで忘れていた。
膝の上で拳を握り締めているカイジを見る。
逃げられないと悟って、そんなことを言いだしたのだろう。
自分との付き合い方を少しは学習したらしい、やっぱり詰めは甘いけど。
わざと一思案するほどの間をとったあと、アカギは唇を歪めて笑い
「いいよ」
と言った。
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