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「華を織る」
03




 そう。
 彼は紛れもない「敵」なのだ。
 彼が西風の人間である限り。




――もっと強くなるよ、姉さん。誰よりも強く。


 目を閉じ、心の中で宮古は固く誓う。
 年の離れた宮古を、早くに亡くなった母親に代わり育ててくれた姉。
 東雲を愛し、宮古が「東の剣」に選ばれた事を誰よりも喜んでくれた姉。
 身も心も鍛え上げ東雲の為に誠意を尽くして働く事は、宮古自身の望みであり、何よりの姉への供養になるはずだった。
 優しく賢く、大好きだった姉の‥‥






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