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「華を織る」
03
◆◆◆◆◆
記憶の中の両親は、いつも微笑んでいた。
まだ、彼の目が見えていた頃のこと。
遠く懐かしい、穏やかな思い出。
『―――は、しては駄目だよ』
優しく聡明だった両親。
しかし一つだけ、彼に禁じていた事があった。
『なんで?』
だって僕、それをしたいのに。
お父さんとお母さんだって、最初は喜んでくれたのに。
何で、しちゃ駄目なの?
愛息子の問い掛けに、両親はどこか哀しそうに笑うと。
何も言わず彼を強く抱き締めた。
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