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「華を織る」
03




『俺は弓に替わる物を作ってみたいと思ったんだよ、宮古』
『矢尻部分だけを、もっと短い間隔で連続して打ち続けられる装置が出来ないかなあって思っていて』


 何時だったか清水の家へ夕飯に招かれた時、新武器開発の話になった事があった。暇を見付けては改良を重ねているとは言っていたが、どうやら何とか形になったらしい。
「完成したんですね」
「まだ試作段階なんだけどね。もしかしたら、何かの役に立つかもしれないし」
 言いながら清水は一旦墓石の前へ包みを置くと、亡き妻の髪を撫でる様にそっと、墓石の表面へ優しく手を添える。
「‥‥お前も、宮古を守ってやってくれ」


 そのまま祈る様に暫くの間身動ぎしなかったが、やがて小さく一つ頷くと再び包みを手に取った。振り返り、宮古へと差し出す。
「ありがとうございます」
 礼を言いながら受け取ると、宮古は丁重に懐へと仕舞う。鉄か何かで出来ているのだろう、小作りな割にその包みは宮古の掌に確かな重みを残した。
「まあ本当は、こんな物が役に立つ様な場面に遭遇しないのが、一番良いんだけどね」
 気を付けて行っておいで――穏やかに微笑みながらも己の身を案じてくれる義兄にもう一度礼を言いながら、宮古は服の上から包みを握りしめた。




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あきゅろす。
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