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「華を織る」
03



「――その布だ」
「、え?」
 白夜の不意打ちは十分に警戒していた桜木ではあったが、流石に思いもかけない言葉に戸惑い、一瞬反応が遅れる。
 ――しまった‥‥!!
 躊躇う事無く、白夜の剣先が桜木の額の護布目がけて伸びる。
 危ない。当たる。避けられ無い。だが布には金属を仕込んであるから、致命傷にはならないはず‥‥!
 少しでも衝撃を減らそうと身体を後ろへ引き掛けた桜木だったが、次の瞬間、




《護れ》




「「、」」


 かっ、と強い光が直ぐ近くで弾け飛ぶ。
 反射的に思わず目を閉じそうになった桜木だったが、慌てて無理矢理に目を見開いた。


 何だ。
 何が起こったんだ。


 新手の兵器か、発光弾でも打たれたのか、それとも、いやしかし今の声は一体‥‥眩しさに目を細めながら前方を見遣った桜木は、同じく驚いた様にこちらを凝視している白夜の姿を見つけた。
 ほんの数瞬前まで桜木の目前にあった剣先は、何者かに薙ぎ払われた様に大きく右側へと傾いでいる。



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