[携帯モード] [URL送信]

「華を織る」
03


 ‥‥仕方がない。前方の西風軍へ目を向けたまま、桜木は傍らの宮古の名を呼んだ。
「宮古」
「はい」
「白夜を探しに行くぞ」
「どうせあちらから出てきますよ?」
 何もわざわざ探しに行かなくても。そう言いたげな宮古の声が聞こえてきたが、桜木は臆する事無く西風軍の真っ只中へと飛び込んだ。


「えええっ、華剣??」
「あいつに聞けば、少しは何かが分かるかもしれない!」
「聞くって何をです!華剣!!」
 お待ちください!と叫ぶ宮古の声を背中に受けながらも、桜木の足は止まらない。何処かに居るであろう白夜の姿を探して西風の密度が高くなる方へと駆けて行く。
 地図も道標も何も無い。ただ、自分の勘を頼りに旧知の男の姿を追う。



 白夜。
 お前は何処に居る。



[*前][次#]

9/51ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!