「華を織る」 03 『私は我国の、西風の発展を切に願っている』 それは自分も同じ。自分だって東雲が良くなる様に微力ながら努力している。 『あの方は、その望みを託すに値すると確信したからだ』 それも自分と同じ。自分だって陛下に忠誠を誓い、東の剣へ入ったのだ。 同じ事をしている。 同じ事を想っている。 この国を、自分の大事な人々を、この手で護りたい。 どうか幸せに出来ますように、もっと笑顔に出来ますように。 ‥‥抱く想いは、全く同じなのに。 違うのはただ、『国』だけなのだ。 たったそれだけの違いが、全てを遥か遠くへと隔ててしまう。 歓声は悲鳴に、喜びは悲しみに、安堵は憎悪へと変わってしまう。 何故、こんな事になってしまったのだろう。 『永遠に争い続ける罪』は、どうすれば避ける事が出来るのだろう‥‥ [*前][次#] [戻る] |