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「華を織る」
07


 ‥‥事の真相はと言うと、「副官殿にも是非女官服を着て戴きたい!!」と剣士達から非常に強い――暑苦しい、とも言える――要望があったからなのだが‥‥、しかし詰所の平和を守る為にも胸の内に仕舞っておこうと決意する桜木であった。


「まあそれはともかく蒼川、今夜辺りどうだ」
「奇遇だな、俺も今、そう言おうとしていたところだよ」
「今度はお前を送ってやらないとな」
「行くか」
「ああ、行こう」
「‥‥遊びの相談以外でも、それぐらい熱心にして貰えれば、万事上手く進むと言うのに」
 眉をしかめる宮古の小言はどこ吹く風、素早く待ち合わせの時間を取り決める二人である。


「ああそうだ、その前に麻乃の処へ顔を出すつもりなんだが、お前も一緒にどうだ」
「あ‥‥いや、俺は後で行くよ」
 そう言うと、蒼川は悪戯めいた笑みを緑の瞳に浮かべた。「――ちょっと預けたい物があるからな」
「預けたい物?一体何なのですか、舞剣。麻乃殿にご迷惑が掛かる物では無いでしょうね?」
「内緒」
「‥‥」


 その心底愉しげな蒼川の様子に、
 ――麻乃殿、お気を付けて。
 生真面目で純粋培養な司書の身を案じ、心の中で呟かずにはいられない宮古であった。




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あきゅろす。
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