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「華を織る」
6
口々に自分の今後の予定を披露し合うが、明日峠を越えるという商人は、残念ながらこの酒場には居ないようだった。
「そう、ですか‥‥」
意気消沈した様に妹が呟き、成り行きを見守っていた姉も落胆気味に小さく首を振った時。
「――俺ならば明日、峠を通るが?」
ふいに扉の方から、男の声が響いた。
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