立海
瓶底眼鏡愛少年
「つまらんのぅ…」


毎日は大体の事が思い通りで、学校なんて憂鬱でしかない。

唯一の楽しみの昼寝も、行くかななんて思ったら屋上閉まってるし中庭は先生おるし、最悪じゃ。


ふらりと校舎の裏へと足を進め、まるで何かに導かれるように俺は奥の方へと向かった。


「ほぉ…」


未開の地には、大きな大きなビニールハウス。
半透明からうっすらと翠が覗く姿が美しい。

俺は興味をそそられるまま、足を踏み入れた。


「へぇ…なかなか広いのぅ」


開けた瞬間蒸された風が頬を霞め、少し嫌な気分だったが、教室の空気なんかよりはとても心地のよいものだと思った。


「ん?」

なんか、足元が温かいのぅなんて思い下をみれば、数匹の猫が昼寝をしていた。

「ええ場所のようじゃな」

俺の機嫌は、まぁ上々で、気まぐれに猫を抱き上げビニールハウスの奥で戯れた。


すると、キィと金属音がした。


「…あれ?どこ行っちゃったんですかね…」

と言う穏やかな声に猫たちの耳がピンと反応し、ドアへと向かった。

俺は何気なく、ちらと声の主を見た。

神経質そうな七三分け、ひょろい身体、分厚い眼鏡。


「ああいうタイプって、絶対一人はいるんじゃのぅ…」

この感想は本心で、まるで漫画かアニメから飛び出して来たかのようなベタな地味男。(余りにも細すぎて制服で男と判断したけど、この風貌は男じゃな)

もう一度だけ、見てみる。

猫たちかあんなになつくくらいやけ、悪い奴ではないと思う。(何で他人をあんなに気にかけとるんじゃ?この俺が)


「くしゅんっ!ふわぁっ!」

こいつ、どこまでベタなんじゃ…。
大体有り得ないだろう、くしゃみして、猫が驚いた拍子に尻尾振り上げて、それが顔に当たるとか。

(ありえねぇ…)

眼鏡が汚れたらしく、制服のポケットから几帳面に折り畳んだハンカチをとりだし、眼鏡に手をかける。
ゆっくりとした動作で分厚いそれを外す。




「は………………え、え?」


「?」
思わず大声で叫んでしまった。



(なっ、何じゃ今の!?)

瓶底を外したそこに居たのは、紛れもない『美少年』で。
横顔しか見えなかったけれど、くりくりの栗色の瞳やそれを縁取る長く揺れる睫毛。

瓶底眼鏡を外しただけでがらりと変わる印象に、俺の心は大きく波打った。


「……マジ?」

そっと自分の頬を触れると、焼けるように熱かったのは、きっと錯覚じゃない。






瓶底眼鏡少年
(眼鏡を外したら美少年なんて、)(どこまでベタなんだ!)



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どうやら蓮見は恋する瞬間が一番好きなようです。←


有り得ないくらいベタベタにしてみました。
ただ言葉が足らない気が...



あ、続きません(マジかよ)

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あきゅろす。
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