秋、寒し5


ジッパーを下げる音が妙にゆっくりに聞こえた。
少しズボンを下げると、古泉は自らの下着をずらし、中から自らを取り出す。

「ハァッ、ハァア…!」
「ほら、コレが、欲しいんでしょう?」
「欲しい、欲しいぃ…!」

大きなソレが俺のアナルにぴたりを押し付けられた。
にゅるにゅると入り口をなじますように精液と先走りを塗りこまれてしまえば、たまらなくて。
俺は声を振り絞って、古泉に乞うた。

「い、つきのおちんち、んをおしりに刺して…!おねが…!」
「えぇ、お望み通りに」

そういわれるや否や、ずんっと腰を押し付けられる。
肉と肉が擦れあう、たまらなく卑猥な水音を立てて古泉のペニスが俺の中を押し上げた。
俺は背を弓なりにしならせて、体を震わせる。
激しい快楽が全身を蝕んで、支配される。
気持ちいいことを追いかけることに必死になった俺は理性なんてそんな陳腐なものはかなぐり捨てて叫んだ。

「きもちぃ―――…!アタマ、おかしくなる…!」
「おかしくなっていただいても大丈夫です」

少し切羽詰ったような顔をした古泉の顔が涙で滲んでよく見えない。
俺は手を伸ばして古泉にしがみつこうと必死になった。
しかし、意外と古泉に体は遠くにあったようで肩口にさえ触れることが出来ない。
急激に不安になった俺は両腕を彷徨わせながら、情けない声で古泉を呼んだ。

「こいずみ、こい、ずみぃ…!ふぇ、あ!」
「大丈夫、ここにいますよ」

不意に腕を掴まれて抱き起こされる。
ふわりと抱きしめられて、俺は安心して息を吐き出した。
古泉は俺の腰を抱えなおして、ぐっと中にペニスを沈ませる。
体位が変わったことによってより深くを犯されて俺は、嬌声をあげた。

「そこぉ…!らめ、らめええぇぇ!」
「嘘。一番ココが気持ち良い癖して」

ぐりぐりと前立腺を押し上げられればもう、限界で。
俺はぎゅううっと古泉に抱きつくと、足もこいつの背中に絡ませた。
古泉のうなじに顔を埋めれば良い匂いがして、ゾクゾクとする。
あぁ、匂いでも感じてしまっている俺、末期だよ。

「も、イっちゃ…!」
「ええ、僕もそろそろ…」

古泉の腰の動きが早くなる。
俺も必死に腰を揺り動かして快楽を貪った。
目の前がチカチカして、俺はひときわ強く古泉を抱きしめる。
途端、中に熱い迸りを感じて俺は甲高い声を上げた。

「あ、つい!あ、ああぁぁあああ!!」
「ふ、く…キョン君…!」

ぎゅっと抱きしめあって、お互い熱を放出する。
少し落ち着くと、どちらともなく俺たちは唇を寄せ合った。









「ところで古泉よ、お前この制服どうするつもりなんだ」
「うーん、仕方が無いですからもう一度クリーニング出すしかないですよね」

精液と汗でぐちゃぐちゃの制服を困ったように見つめて俺たちは自らの制服を着込んでいた。
ちなみに、こんなプレイしやがった古泉に文句の一つでも言ってやりたかったが、しっかり感じていた俺がどうこう言う資格は皆無だ。
もう、諦めて俺は何も言わない。
何か文句を言ったほうが、後が怖いしな。

「僕がクリーニングに出しておき…あれ?」
「どうした?」

古泉が黒い紙袋に女子制服を戻そうとしたとき。
中からはらりとメモ用紙が舞い落ちた。
手にとって見てみるとそこにはつらつらと反省の言葉が記されていた。

「もう制服泥棒はしません、彼女に返しておいてください…?」
「自分で盗んでおいて、俺たちに返せとは何だ!」
「まぁ、あの張り紙のせいでしょうし…」

お悩み相談の張り紙が思い出される。
しかし、代理宅配するなんてことは一言も書いてはいない!
俺は頭を抱えて座り込んだ。

「俺たちが返しに行ったら明らかに疑われるだろう!それでなくてもコレ着てあんなことをしただなんてこの子に合わせる顔が…ない!」
「…だったらこれ、もらっちゃいます?」
「はい?」
「このメモ帳は元から入っていませんでした」

そういってこいつはびりびりとソレを破いた。
何を考えているんだ!
激しく嫌な予感しかしない!!

「分かるでしょう?これはもう、あなた専用の女子制服になりました」
「いらん!断じていらん!」

俺はぶんぶんと首を振るが、古泉はもうすでに自分たちのものだとにっこり顔で微笑んで。
そして、俺を振り向いてこういったのだった。

「またしましょうね、女装プレイ」


次はお前が着ろ。

俺は心底そう思った。





end



あきゅろす。
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