秋、寒し2




はっきり言っておく。
俺には女装趣味は無い。
それに誰のものか分からないような制服を着て、えろっちいことなんか出来るか!
馬鹿だろ、お前馬鹿だろ古泉!

「失礼ですね、男としてはあるべき欲望ですよ」
「俺はお前に女装なんてさせたくない」

きっぱり言い捨てると、古泉は困ったように笑った。
それでも諦める気は無いのか、制服を握り締めて離さない。
じりじり寄ってくる古泉から逃れようと少しずつ後ずさりをするが、あっという間に壁際に追い詰められてしまった。
背筋がぞっと寒くなる。
断固拒否だ、俺はこんな変態プレイには興味は無い。
至ってノーマルなんだ。

「嘘です、この間なんて僕が眼鏡をかけただけで信じられないくらい感じてたくせに」
「ああ、あ、あれは…!!!」

そういわれて俺は口ごもってしまう。
確かにこいつが眼鏡を装着したのには少し、少しだけ興奮したかもしれない。
だが、今回は俺が女子の制服を着るだなんて、あまりにも差がありすぎはしないか?

「素直にしないと…どうなるか知りませんよ?」

手始めに無理矢理暴いて差し上げましょうか?だなんて脅されれば誰だって「すみません、自分で脱ぎます着ます」と言いたくなるであろう。
例外に漏れることなく、俺もいやいやながらブレザーを脱ぎ、女子制服に腕を通す。
サイズがきつくて入りませんでした、残念〜!という展開を期待していたのだが、それはあっさりと裏切られた。
ぴったり過ぎる、なんなんだ。

「可愛いですよ、予想以上に」
「お前の目は腐っているんじゃないか、これのどこが可愛いんだ」

すーすーする足元が妙に落ち着かない。
短いスカートからは少しトランクスがはみ出していて、はっきり言って萌えない。
なんだこれ、キモ過ぎる。
しかし、古泉は嬉しそうに俺の姿を眺めて、思い出したかのように制服の入っていた袋をあさり始めた。

「これがありました、ほら、涼宮さんとおそろいです」

そういって取り出されたものに俺は寒気がした。
当たり前だ、黒いタイツなんか出されて寒気のしない男なんていないだろう。
ニコニコ笑顔のこいつは、新品だったそれを躊躇うことなく開封して俺に差し出した。

「はい、パンツ脱いでこれ穿いちゃってください」

もう、信じられなくてそれをみつめたまま停止してしまう。
しかし、こいつの目は本気で、拒否したら何されるか想像できるもんだから俺は素直にそのタイツも受け取ってゆっくりと足に通した。
とりあえず、穿いてみた感想を述べよう。
タイツとやらはやたらとウエスト部分がしまっていてあちこち締め付けられてたまらん。
特に股間に違和感を感じるわけだが。

「なぁ古泉…もうやめないか」
「なぜ?」
「明らかにキモイだろこれ!」

声を大にして叫んでみたが古泉は首をかしげた。
本気でこいつはこれがいいと思っているのか、明らかに変態だろう!

「いえ、本当に可愛いですよ…興奮します」
「するな!こんなのに興奮するな!」
「いえ、我慢できません」

そういって俺は古泉に壁に押し付けられてしまった。
そのまま深く口づけられて、俺は体を硬直させる。
少しばかりの抵抗だと奥に引っ込めていた舌も引きずり出されて、からめとられた。
舌をじゅうっと吸われれば、もう力なんて入らなくて俺は崩れ落ちそうになる。
しかし、古泉のひざが俺の足の間にねじ込まれて崩れ落ちずにすんだ。
その代わり、股間の間についているソレが古泉の足に圧迫されてしまって、俺はびくりと体を震わせる。

「おや、気持ちいいんですか?」
「違う、いや、ぁ、うぅ!」

ぐりっとわざとらしく押し上げられて、俺はさらに悲鳴をあげた。
タイツのザリザリした感触がたまらなく気持ち悪い。
それでも性器への直接的な刺激に感じないはずが無く、俺は勃ち上がっていく自身に情けない気持ちになっていた。

「ほら、あなたも気持ちよさそうじゃないですか」
「う、るさい…!あ、アッ!」

震えるひざが限界を迎えて、俺はずるりと崩れ落ち、座り込んだ。
古泉は俺に合わせてしゃがみこむと、力の入らなくなった俺の両足をぐっと広げた。
そうされればスカートの中身は丸見えで、俺はとっさに前を押さえる。
だってこれじゃ、スカートの中にあるタイツに覆われてはしたなく勃ち上がるペニスが丸見えだ。




続く



あきゅろす。
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