そんなにいらない



俺は今、非常にピンチに陥っている。
なぜなら見知った顔が目の前に二つあるからだ。
俺は交互に見比べて見たが、明らかに同じだ。
ほくろのある場所も、目の色も、鼻筋も口元も全部一緒。

「なに、大佐…弟?お兄さん?」
「何馬鹿なことを言っているんだ、私だ」
「そうだ、私自身だ」
「はい?」

もう、何がなんだかよく分からない。
とりあえず俺は後ずさりをした、身の危険を感じたからだ。
だってココはベッドの上、俺は大佐の家に押しかけていたのだから。

「何で大佐が二人居るんだ」
「詳しく話したら長くなる」
「とりあえず、古書にある錬成陣を試したらこうなった」

そんな怪しげなものを試すな、と言いたいがもしそれが俺だったら間違いなくやっていそうなので口を噤んだ。
とにかく、こいつらが元に戻るのが先決だろう?
それから先の、今まさにしようとしていたものは後回しだ。
俺ははだけた衣服を元に戻そうと胸元をぎゅっと握り締めた。
すると、大佐が…というか二人居るんだ、二人。
もう、どっちでもいい。
とりあえず左に居るほうの大佐がその手を掴んだ。

「何勝手にやめようとしているんだ」
「折角だから三人でしようじゃないか」
「馬鹿か!断る!」

俺はばしっと俺を掴んでいた腕を叩き落とそうとする。
いつもなら簡単に叩き落とせないのを分かってはいたが。
が、しかし。
なぜか簡単にその手は叩き落とされてしまった。
びっくりした俺は大佐の顔を見上げる。
大佐も少し驚いているような顔をしているが、すぐに納得したように口を開いた。

「力は半分こか」
「だな、体の大きさまでは半分にはなってはいないが」

二人でふむふむと納得しあう姿を見ながら俺は逃げ出そうと身を捩った。
一人を撒いて、一人をぼこぼこにしてやれば俺はこの状況から逃げ出せるのではないかと思ったからだ。
しかし、まず第一段階から無理のようで。
俺はあっさり片割れ大佐に捕まってしまった。

「折角だ、楽しもう」
「いやだ、ふざけるな!…ン!」

突然、お尻をきゅっと掴まれて俺は息を詰まらせる。
すぐにその手はするする、と股の間に下ろされてきて、大事なところを撫で上げた。
一人が体を強張らせる俺の両手首をシーツに縫いつけ、もう一人が俺のズボンをするりと脱がせてしまう。
もちろん、パンツも脱がされてしまって俺は顔を真っ赤に染めた。
だって、ちょっとした刺激で俺のペニスは少し頭をもたげてしまったんだ。

「もうたってるじゃないか」
「い、やだ…!見るな!」
「可愛いよ、鋼の」

仰向けの俺のペニスを器用に弄くるその手は確実に俺を追い上げる。
次第に腰がびくつき始め、先端に先走りが滲み始めた。
もどかしい刺激に、無意識に腰が浮いて大佐が触りやすいように腰を振って。
そんな俺を見てにやりと笑った大佐はぐるんと俺の体を反転させると、どろどろになったペニスをぎゅっと握り締めて。
そのまま上下に扱かれて、俺はあっさりと精液を放った。

「アアアァァア!」
「いつもより早いな」
「私が二人居て興奮しているのかい?」

そんな頭の悪い質問をしてくる。
お前たち国軍大佐だろ、伍長からやり直して来い。
しかし、そんな俺の悪態をものともせず、俺の下半身を弄っている大佐がぐっとアナルに指を押し当てた。
そのまま先ほどはなった精液のぬめりを借りて、ずるりと指を俺は飲み込んでしまう。
突然の刺激と、あっさり飲み込んでしまったショックで涙が少し零れた。

「可愛いよ、エド」
「ああ、我慢が出来ない…」

俺の手を掴んでいた大佐がいきなりカチャカチャとスラックスの前をくつろげはじめる。
俺は恐る恐るそちらを見上げてみた。
そこには想像通りの光景が広がっていて。

「銜えてくれたまえよ」
「嘘、いや、ああぁ、んむぅ!」

見上げた俺の口の中に無理矢理ペニスをねじ込んできた大佐…ロイはうっとりと目を細めた。





続く



あきゅろす。
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