捕らわれているのはどっち?


俺はぼっちゃまの部屋の前で立ち尽くした。
マジで冗談じゃないぜ、あのぼっちゃまは只者じゃない。
分かりやすく言うといわゆる、変態だ。


俺はこの屋敷に勤め始めて3年目の使用人だ。
まじめに勤め続けて、ついにご主人のご子息専属の使用人に昇格した。
初めは嬉しかったから一生懸命お使えしようと思っていたのに、俺の気持ちは初日からこのおぼっちゃまにへし折られることとなる。

俺より年下の癖に、身長は馬鹿でかいし、男前な彼の名前はロイ・マスタング。
俺は初日から張り切ってぼっちゃまを起こしにお部屋に向かった。
静かにドアーをあけ、ベッドに近づく。
そしてチリンチリン、と鈴を鳴らしてぼっちゃまに声をかけた。

「ぼっちゃま、おはようございます」
「んうぅ…」

寝返りを打ちながらこちらに向いた顔を見て、俺は不覚にもどきっとしてしまった。
本当に整った顔をしている彼はうっすら目を開くと、驚きのスピードで俺の頭の後ろに手を回して引き寄せる。
あっという間の出来事に抵抗できるはずもない俺の唇に、あろうことかこの男は口付けてきたのだ。
目を丸くして驚く俺の顔を見ながらぼっちゃまはにやりと笑った。

「今日からよろしく、エドワード」







あぁ、嫌なことを思い出した。
げんなりと肩を落としていると、いきなり前の扉が開く。

「いつまでそこに居るつもりなんだ、早く入れ」
「あ、申し訳ありません…」

どうやら俺の気配を感じていたらしいこのぼっちゃまは、なかなか入ってこない俺に痺れを切らしたんだな。
さっさと入れと腕を引かれて部屋に押し込まれた。
あまりにも強い力で引っ張られたため、やわらかい絨毯に足を取られて俺はその場に倒れこんだ。
腰を打ってしまい、顔をしかめてそこをさする。

「イッテェ…」
「お前がさっさと入ってこないからだろう」
「も、申し訳ありま、んう!」

じゅ、と唇を吸われた。
倒れたその場に組み敷かれて、俺はぎゅっと目を閉じる。
このぼっちゃまは年がら年中発情期なのだろうか。
毎晩のように俺を呼びつけては、夜枷を強いっていた。
俺は主人のご子息に逆らうことなんか出来るはずもなく、おとなしく抱かれたのを覚えている。
今日も抱かれるのは分かっていたが、床でなんて聞いてない。
床でがんがんやられてみろ、明日は足腰立たないぞ。

「ぼっちゃま、床は嫌です…!」
「うるさい」

そういって性急に脱がされて、俺はあっという間に素っ裸だ。
強引に足を開かれて俺は息を飲む。
にやりと笑ったぼっちゃまは中心をぱくりと銜えた。

「あ、ああぁ!!」
「どこでやろうと気持ちいいのは同じだろう?」

乳首にも手を伸ばし、俺のうっすい胸板にあるピンク色のそれを押しつぶして遊ぶ。
もちろんそれにも俺は感じて、甘い声を上げた。
初めはこんなことなかったのに、すっかりぼっちゃまに仕込まれた体は刺激に敏感に反応する。

「可愛いよ、エドワード…もう後ろも欲しいかい?」
「う、ぅ…結構、です…!!」

精一杯の抵抗だ、俺にだってこれくらいする権利はあるだろう?
しかし、わがままで自己中な彼はそれが気に入らなかったのだろう、むっとした顔をしていきなり指をねじ込んだ。
驚いた俺は体を撓らせて、体を強張らせる。
毎晩のように抱かれているせいで、ソコはあっさりと指をくわえ込み、嬉しそうにひくついた。

「欲しいくせに嘘つくなんて、まったくなっていない使用人だ」
「あ、ああぁ!あ、あうぅ!!」

中の肉を押し上げるように動く指は確かに何かを探している。
俺の一番感じる場所を探しているのだ。
ソコを抉られてしまえば俺はもう正気を保てなくなるのを知っている。
だからソコだけは見つけないで欲しい。
そう、思っていたのに。

「ヒイィ!!?あ、んううううぅぅう!!」

ついに見つかってしまったソコばかりをぼっちゃまは引っかく。
こういうときは決まって怒っているときだ。
そうなったら俺は何度果ててもソコばかりを弄られ、精液を搾り取られてしまう。
俺は必死になってぼっちゃまに謝罪した。

「も、申し訳ありませ、あ、あ!欲しかった、欲しかったんです、ぅうう!」
「今更言っても遅いのはわかっているだろう?」
「ひぎぃ!?だめ、イク、でちゃう…!!」

情けないほどはしたない声を上げて俺は射精してしまった。
びゅくびゅくとペニスから飛び散る白濁を眺めながら、悪趣味なぼっちゃまはにやりと笑う。
そしてまた中の指を動かして前立腺を擦りあげた。
まだ射精の余韻が覚めぬままに痙攣するソコを抉られれば、俺はもう力が入らない。
がくがくと震えながら天井を見つめていると、不意に指を引き抜かれた。
あぁ、太いものでお尻の穴を満たしていただけるんだと思い、期待でいっぱいになる。
しかし、このぼっちゃまは非常に意地悪で、いわゆる鬼畜であることを俺は忘れていた。

「今日はこれをくれてやる、自分の不肖ををせいぜい反省するんだな」
「え、え、嘘…!いや、おもちゃはいやあぁあ!!」

あろうことか、こいつは俺のアナルにぶっといバイブを突っ込みやがったのだ。
そしていきなりスイッチを入れ、俺が足を閉じられないようにがっちりと固定する。
あまりの屈辱に俺は涙が溢れて止まらない。

「やだぁ!こんなのやらああぁぁあ!」
「今夜は搾り取ってやろう、嬉しく思え」

はは、とさも面白そうに笑うとバイブが抜け落ちないように手のひらでぎゅうっと中に押し込んだ。
中で蠢くバイブが中を思いっきり抉りあげるものだから、俺はたまらない。
また、またイってしまいそうだ。
でも、ペニスへの刺激が足りない、むちゃくちゃに擦ってしまいたい。
俺はぼっちゃまの許可もなく、ペニスを擦りあげた。
その様子にぼちゃまは楽しそうに声をあげて笑った。

「そんなにイきたいのかい?可愛いね、エドワード」
「ご、めんなさ…!また、またでちゃうぅ…!」
「いいよ、好きなだけ撒き散らせばいい」

この一言で俺はペニスから液体を放出させる。
しかし、それは粘っこい白い液体ではなく、黄色ががった液体だった。
ぱしゃぱしゃ、と俺の腹に暖かい液体がかかってしまい、それは絨毯にまで広がる。
その様子を見てぼっちゃまは興奮したのか、いきなり前をくつろげた。
そして、バイブを引き抜いてアナルにペニスを押し付ける。

「あぁ、可愛いよ私のエドワード…」

ぐうっと押し入ってくる熱くて太いそれに、俺はすべてが満たされていくのを感じていた。





わがままで、自己中で、変態で鬼畜な俺のご主人様は俺を自分だけのものだと思っているがそれは違う。
おぼっちゃま、あんたが俺だけのものなんだよ?


さぁ、捕らわれているのはどっち?







end



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