切ない痺れ6


しかし、勿論ながらこの行為がさっさと終わるはずがない。
古泉はずるりと指を引き抜くと、その指を俺の頬に擦りつけた。
錆びたような、鉄の臭いがする(きっと出血しているのだろう)
指を抜かれたことに少しだけ安心した俺はゆっくりと息を吐いた。
しかし、すぐに古泉の怖い声が聞こえる。

「これで終わりだなんて思わないで下さいね」
「え、あ、ぁあ…?」

ぴたり、とアナルに何かが押しつけられた。
昨日俺が無理矢理ねじ込んだそれに違いない。
今、こんな状態で突っ込まれたらどうなってしまうのだろう、壊れてしまうのではないだろうか。

「こわ、壊れちゃ…!やめて、やめ…!」
「ぐちぐちうるさいなぁ」
「ヒィ─────ッ!ア゛、ハッ!」

一気にズ、と古泉が進入してきた。
体を引き裂かれるような痛みに俺は声も出ない。
昨日はまだ良かった、俺からは古泉の姿が見えたし、抱きしめることだって出来た。
でも、今日はそれが出来ない。
古泉が見えない、古泉に触れられない事実は俺を限りなく心細くさせた。

「痛いばっかじゃ可哀想ですからね、イかせてあげます」
「あっ、ぁ…!」

きゅっ、とずっと触れられていなかったペニスを握られ、俺は身を震わせる。
追い上げるように上下に扱かれ、先端もぐりゅぐりゅと抉られた。
痛みに支配された体はちょっとした快楽も拾い上げて、楽な方に逃げようと躍起になる。
少しずつ痛みの中に快楽も混じってきて、俺ははしたない声を止めることが出来ない。
古泉がぐっと腰を押しつけた途端、痛みしか感じていなかったアナルに快楽が生じた。
驚いた俺は体をびくつかせ、口をぱくぱくとさせる。

「ココが良いところですか…?」
「あ、あ、あぁあああっ!」

ソコを重点的に抉られて俺のペニスは再び限界に達していた。
訳の分からない快楽で追いつめられ体に力が入らず、俺は背中を預けていた壁からどんどんずれ落ちる。
揺すられる度、ずれる体はとうとうコンクリートの地面に横たわった。
その拍子でか、目を覆っていたネクタイがずれて俺の首に引っかかるような形になる。
まぶしい夕焼けが目に飛び込んだ、涙が滲んで視界が霞み、しかも逆光だったせいで古泉の表情は確認できない。

「そろそろ、イきそうですね…中が痙攣してきました」
「うぁ、あ、だめぇ…!」
「イけばいいんです、ほら」
「ヒァッ!やああぁあぁ!」

ぐりぐりと爪で先端を抉られて俺はあっけなく果てた。
少し遅れて古泉が中ではじける。
射精が終わると、古泉はすぐに俺の中からペニスを引き抜いた。
そして俺の首に引っかかっているネクタイを掴み、無理矢理俺の体を引き起こす。
首にネクタイが食い込んで痛い、呼吸だってうまくできないじゃないか。

「貴方、そんなに彼女が好きなら直接好きだと言えばいいじゃないですか」

古泉は何の話をしているんだ?

「僕が彼女と仲良くしているのが羨ましくて、僕が憎くてあんなことしたのでしょう?」

俺はぼんやりとした頭で「それは違う」と考えていた。
だって俺が好きなのは古泉で、嫉妬の対象も古泉じゃなくてあの子なのに。

「貴方は卑怯です」

そう言って、古泉はネクタイから手を離した。
頭と背中をコンクリートに打ちつけて痛い。
でも、もっと他のところが痛い。
古泉は最後に吐き捨てるように言い放った。

「貴方は汚い」

その言葉がぐさりと心に突き刺さる。
傷ついていた心に最後の一撃とばかりに突き刺さったそれは俺の思考を停止させた。

もう、何も考えたくない。

全く動かなくなった俺の首から自分のネクタイを抜き取り、手を戒めていたそれも取り外し、古泉は立ち上がった。

「もう下校時刻です、また明日」

そういって足音が遠ざかる。


待って、行かないで。
俺の話を聞いて。
おまえは勘違いしている、俺が好きなのは、本当に好きなのは。




違うのに、違うのに…!




堰を切ったように涙があふれた。

「ふえっ、あ、あうぅ…!」

ボロボロと涙が頬を伝う、さっきあんなに泣いたのにどこからまたこんなに涙が出てくるのだろう。
しゃくりあげる度に呼吸が苦しくなる。
胸が痛くて、痛くてたまらない。
しゃくりあげると苦しいから、とにかく落ち着けと呼吸を整えようとする。
しかし、落ち着こうとすればするほど呼吸は苦しくなるばかり。
途端、息が詰まって胸がヒューヒューと嫌な音を立てた。

「は、ハァッ、ハッ…!?」

うまく呼吸が出来ない、パニックになった俺は胸を掻き毟った。
涙が視界を覆ってぼやけた夕焼け空しか見えない。
このままだったら俺は死んでしまうのだろうか。
過呼吸で死ぬだなんて、なんて滑稽なんだろう。
でもこんなみっともない格好で死んでいるのを見つかるのは嫌だなぁ…なんて考えて。
震える手で下着に手を伸ばす。

「ハァッ、ハッ、カハッ!」

それでも、苦しくて苦しくて俺は下着をたぐり寄せた手で喉を掻き毟った。

もうダメだ。

意識が薄れて視界が霞む。
最後に古泉のあの穏やかな笑顔が見たかったのに、だなんて思った。


その時。







「キョン君───ッ!?」

さっき去っていったばかりの彼の声が聞こえた。
ばたばたと走る音がして、体を抱き上げられる。


あぁ、古泉は優しいから。
いっそほっといてくれた方が楽なのに…



ゆっくりと古泉の顔が近づいてきて、何が起こったのかはよく分からないがだんだんと呼吸が正常に戻ってくる。
安心したからか、俺はあっさりと気を失ってしまった。









続く











書いちゃった、過呼吸キョンを書いちゃった!
しかも強姦×過呼吸!
ひいぃ楽しかった私はテラ鬼畜ww


あきゅろす。
無料HPエムペ!