問題集サンプル1
今日もこうして化学室に呼び出して、準備室に押し込んだ僕は彼を黒い大きな実験机の上に押し倒していた。この部屋に入ってから彼は一言も言葉を発さない。
「さあ、今日は痛いのが良いですか?それとも気持ちがいいのが良い?」
「………………」
 もちろん彼は何も言わないから、大体僕に痛い思いをさせられて泣き喚く羽目になるのが常だ。今日だって黙りこくって返事を返さずに、横に置いてある試験管やらビーカーを眺めている。彼の言葉を借りていうのなら、ああ、忌々しい、だろうな。
 彼が返事を返さないことに痺れを切らした僕は、それなら、と彼の太ももを撫で上げてからズボンに手を掛ける。ベルトのバックルを外して引きずり下ろせば、彼の下着が目に入った。反応している様子はまったく見られない。
「さて、今日はどうしてしまいましょうかねぇ……」
 彼の顔を覗き込みながら彼の恐怖を煽るように言ってみたのだが、目を逸らされて舌打ちまでされた。教師に対しての態度がなっていない彼に苛立ちが積もり、自然と怒りの感情が芽生えた僕は彼を下着の上から押さえつけてやった。苦しそうな呻き声が上がる、ざまあみろだ。
 目元に薄っすら涙を浮かべている彼に、反抗するもんじゃないですよ、と言い聞かせてから下着を引きずり下ろした。その瞬間、彼が上擦った悲鳴を上げるのがたまらなく好きだ。
「小さくて可愛いですよね、あなたのココ」
 からかう様な口ぶりで言ってやれば、ふいっと横を向かれてしまう。どうやら性器の大きさに対してはコンプレックスを持っているようだ。
「可愛いから記録しておきましょう」
 白衣のポケットから携帯電話を取り出しながら言えば、漸く彼は嫌だ、と声を漏らす。嫌がられることをしたくなるのがこちら側の心理なのだから、もちろん却下して彼の下半身をカメラに収めた。かしゃり、と音がした時、彼は唇を噛み締めて今にもあふれ出しそうな嗚咽を抑えていたに違いない。
 また脅迫のネタを手に入れた僕は、性器に手を伸ばして軽く扱き始める。反射的に閉じそうになった足を押さえつけてどうにか開かせると、彼に性器が成長していく様をしっかり見ておくように言いつけた。
 心底嫌そうな顔をした彼だが言いつけを破ったらどうなるかだけはしっかりと心得ているようで、渋々その様子を眺めている。彼は男、しかも化学教師の手によって成長していく自分のペニスを見てどんなことを考えているのだろう。
「もう勃起しましたね?随分いやらしい体です」
 ほら、と手に付いた粘液を見せ付ければ、や、と身を引かれてしまった。僕の手を汚しているのはあなたの汚い欲液だというのに、その態度は何なんだ。
「……舐めなさい」
「え?」
「僕の手を汚したあなたの蜜を舐め取りなさいと言っているんです」
 彼が目を見開くより先に口元に手を押し付ける。彼の柔らかいピンク色の唇に粘液が付着して濡れているのが淫猥だ。出来ることならこの口の中に指ごと突っ込んでしまいたい。
 口を開けるように言ってはみるのだが、自分の先走りを口に含みたくなくて唇を閉ざしてしまっている様子だ。そんなに抵抗してもいいのだろうか、僕が圧倒的に有利な立場にいるというのに。
「教師の言うことは聞きなさい」
「ん、ん――――!」
「ほら……!」
 もう片方の手で彼のペニスを先端をぐり、と抉り上げてやれば衝撃のせいで声を上げたので、彼の口の中に指をねじ込む。喉に指先が触れるくらい深く突っ込んでやれば、彼は苦しさのあまり嗚咽を漏らして体を跳ね上がらせていた。
 舌の根っこの辺りをくにくにと弄ってやりながら口内を犯せば、眦から一筋の涙が溢れ出してきた。あの彼を泣かしている、という事実に腰がズン、と重くなる。
「苦しい……?」
「う、ぅ……ん、んむぅ―――!」
 こくこくと首を縦に振った彼は助けて欲しいとばかりに僕の腕にしがみついてきて、引き剥がそうと必死になった。呼吸さえも苦しくなったのか、喉からヒュウヒュウと乾いた音が聞こえる。なのに、弄られているペニスからは淫液が止まらない。
 このままでは酸欠になってしまうだろうと踏んだ僕は、彼の口から指を引きずり出して解放してやる。口の端からだらだらと涎を垂れ流した彼は咳き込みながらそれを制服の裾で拭った。
 僕としては垂れ流したままにしてもらっても良かったのだが、彼がもう拭ってしまったのでまたその口の端がどろどろになるくらい気持ちよくしてやろうと考えていた。どうせ毎回情事後にはそうなってしまっている彼なのだ、口まわりを拭う余裕なんて与えない。
 折角彼に指を濡らして貰ったのだからと、僕はズボンを引き摺り下ろして彼の両足を上に持ち上げるとアナルを晒していた。ひくついているピンク色の孔にどろどろの指を一本挿入すれば、可愛い声を上げて彼は背中をしならせた。
「あ、あぁあ……!」
「すっかり緩くなりましたね、あなたのお尻の穴は」
「やだ、あ、先生……!あ、イヤ!」
 びくびくと跳ね上がる彼の足を押さえつけながら僕は彼の中をかき回すことに専念し始める。彼の中はいつも波打っていて、グネグネと僕を中に誘い込んでくるように動くのだ。初めは硬く僕を拒絶していた場所なのに、信じられない。
 中を押し上げるように指を動かせば、彼はすぐに淫らな声を上げて首を左右に振るといやいやをする。ごねる子どものような仕草に思わず笑みが零れた。彼はこうやって嫌なことがあるとどうにかやめてもらおうと躍起になる傾向があるので、そこを敢えて無視して快楽を与え続けるのが面白い。
 何度も内壁を擦り上げていれば、突然彼の足が大げさに揺れて、彼の口から飛び出す嬌声も一際高くなる。きっと彼の一番良いところに触れたのだろう。一度一番良いものを与えられたら、ずっとそれを続けて欲しくなるものだろうが、僕は彼にはそうしない。一度与えてすぐに突き放し、向こうからどうしても欲しいと乞うて来るのを待つのだ。
(我ながら性悪だな……)
 思わず自嘲的な笑みが零れるが彼は気づかないで快楽に酔わされている。僕の指を締め付ける力も強くなって、もっと太いものが欲しいと乞うて来ているようでもあった。
「もっと欲しいですか?」
 きっと返事は無いだろうが駄目元で聞いてみる。当然、彼からの返事はなかった。
 やれやれ、と溜息をついた僕は返事を返さなかった彼にお仕置きを考える。彼は痛くされても、狂うような快楽を与え続けてもいい反応を返してくれるから、どちらでもいいのだが……
 太ももを痙攣させながら宙を見つめている彼を見下ろしていれば、不意にその隣に置かれていた試験管の存在に気づいた。そういえば、前回これを突っ込もうとしたときには本気で嫌がって大暴れして、結局挿入することは出来なかったのだ。
 ガラスで出来ている分、割れたときに怪我を負わせてしまうと面倒なので渋々引き下がったのだが、今回も試してみようか、と思ってそれを手に取った。かちゃん、とガラス特有の透明感のある音が部屋に響いたとき、彼ははっとしたように顔を上げていた。
「……!いや、です、先生!怖い、あ、やぁ!」
「僕を無視するお仕置きです。お仕置きは甘んじて受け入れるのが常識ですよ」
 ばたつく足をどうにか押さえ込んで、彼のお尻を高く持ち上げる。まんぐり返しのような格好を取らされた彼の顔面に勃起した性器を突きつけながら、僕はアナルに試験管の先っぽを押し付けた。冷たいガラスが押し付けられてびっくりしたのか、入り口がきゅうっと萎縮する。
 歯をカチカチと鳴らした彼には暴れて抵抗する力は残されていないようで、代わりにぐっと全身が強張って力が篭っているようだった。こんな状態で試験管を挿入することは出来るだろうか、と思ったが彼のあの柔らかい穴のことだ、きっと難なく受け入れられるだろう。
 ぴったりと口を閉じてしまったそこにぐい、と試験管を押し付けた。弾力があってなかなか中には埋まってくれないので、一度濡れた指でゆっくりと撫で上げてから襞を開くように手を添えて、また試験管をあてがった。


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