あなたの手を取って8
もうすっかり僕を飲み込んでしまった彼のアナルは心地よく僕を締め付けて蠢いている。そろそろ僕も限界が近いと思い、先ほどより激しく深く出し入れを開始する。

「う、ああぁああ!?あ、やぁあ!」
「凄い感じてる、気持ちいい?」

 ぐちゅぐちゅと中から水音が響いていて、さらに僕たちをいやらしい気分にさせた。
突き上げるたびに彼は顔を歪ませて可愛い声を上げると、涙を零す。
 もう両腕を拘束しておく意味はなくなったので開放すると、彼の性器を掴んで射精を促すよう上下に扱いた。
すぐにだらだらと先走りがあふれ出してきて、彼の性器を濡らしていく。

「同時は、だめ、れす……!ひあ、あぁ……!」
「お父さん、だめばっかり言って、でも全部良いんでしょう?」

 分かっていますよ、と意地悪く言えば彼は顔を真っ赤にして横を向いてしまう。
そんな仕草さえも本当に可愛くて、恋人でもなんでもないのに彼を抱きしめてしまいたくなっていた。
 待て待て、それはいくらなんでもまずいだろう。
離婚したばかりの保護者(しかも男)とセックスしている時点でまずいことの境界線はすべて飛び越しているような気もするが。
 抱きしめそうになった腕を彼の腰に伸ばして掴んで引き寄せると、腰を僕に引き寄せるようにして中を抉る。腰を捩ることも、逃げることも出来なくなってしまった彼は快楽のあまり涙を流して嬌声をあげた。

「い、い―――!も、い、くぅ……!」
「良いですよ、どうぞ、好きなだけ……」
「お尻で、イっちゃ……や、んああぁあ!」

 びくびく、と仰け反った彼は薄くなった精液を腹に飛ばしながら果ててしまった。
僕も彼の中にすべてを注ぎ込む。
 カタカタと痙攣した後、こてり、と脱力してしまった彼は糸の切れたマリオネットのように動こうとしない。
中からペニスを抜き、顔を覗き込めば目を閉じて気を失っている様子だった。
 さすがにやりすぎてしまったかと思いながら、彼の体を揺すってみる。

「お父さん、お父さん……」

 しかし、当然ながら反応はない。
よく考えたらセックスの疲労に加えて彼は酔っ払いだったのだ。
冷静になってから気づく、お酒のにおい。
 もしかしたら彼はこのことさえも覚えていないんじゃないだろうか、だなんて都合のいいことを考えながら僕は彼の体を清めることだけに専念した。
 どろどろの精液を体から掻きだして、それから体も綺麗に拭うと僕の服を着せてやる。
さすがにくしゃくしゃになったシャツを着せるのは気が引けた。
 夢も見ないほどに熟睡している彼に布団をかけると、僕はシャワーを浴びにいったん彼から離れた。
もちろん、シャワー後に彼の様子を見に来たが、先ほどと同じ体制で眠っている。
 眠っている彼の目元に浮かんでいる涙を親指で拭ってやると、寝室を後にしてリビングのソファに横たわった。
彼の横で眠るわけにはいかないからとここに来たのだが、思った以上に寒くてくしゃみをする。
 寝室から引きずってきた毛布を頭からかぶると、僕は目を閉じて眠りの世界へと落ちていった。





続く


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!