あなたの手を取って7
それに慌てたのが彼だ、謝ったはずなのになぜやめてくれないのかと上ずった声で訴えてくる。
今ここでやめたら辛いのはあなただというのに、それを分かっていないなんて本当に初心者な彼に笑いがこみ上げる。
 うつ伏せの彼をひっくり返し、大きく足を開かせた僕は指をばらばらに動かしながら彼の内壁を刺激しつつ、ペニスにも手を伸ばした。
ずっと触れられることを望んでいたそこは、少し触っただけでどろりと先走りを吐き出して。

「ごめんなさい、ごめ、な、さ、あぁあ、あ、あ!」
「お尻でこんなに感じて、お父さんはいやらしいですね」
「ごめん、ら、さ、あ、ああぁ……!」

 ぎゅう、と彼のアナルがきつく僕の指を締め付けてきて、もう限界だろうと悟った僕はペニスを掴んで上下に擦りながら、彼の一番感じる場所を小刻みに突き上げてやった。

「いや、んやあぁ!ん、ううぅ……!」

 びく、と彼の太ももが引きつって、それと同時に大量の精液が彼の尿道からあふれ出す。
二度目の射精でもその勢いは収まらず、彼の胸元までを汚した。
 忙しなく荒い呼吸を繰り返している彼は完全に飛んでしまっていて、焦点の合わない目で空中を見つめている。
可愛くてたまらない。
 僕はどちらかと言えば我慢強いほうだと今までは思っていた。
でも、本当は欲望に忠実な獣だったようだ。

「お父さん、すみませんが失礼します……」

 自らのペニスを引きずりだして、彼のアナルにあてがう。
初めてだろうからなるべく痛くは無いようにと思い、ゆっくりと腰を押し進めた。
 意外なことにすっかり力が抜けてしまっていた彼のそこは、ぬるん、と先端を容易に飲み込むと誘うように僕のペニスを受け入れていく。
彼の体を揺すりながら最奥まで埋め込むと、深く息をついた。
 浅く呼吸を繰り返している彼の頬に触れて、長めなもみあげをゆっくりとかき上げれば、彼は気持ちよさそうに目を閉じて僕の手のひらに頬を摺り寄せてきた。
甘えたようなその仕草が可愛くて、思わずもっと撫でたくなってしまう。
 片足を抱え上げ、彼の頬を撫でながら軽く内部を揺すってやれば恍惚とした表情のまま気持ちよさそうに声を漏らす。
甘く、艶のある声で高く喘いだ彼は腰を揺らしてもっと欲しいとおねだりまでしてきた。

「お父さん、酔っているからってそんな可愛いことしたらいけませんよ」
「あ、んやぁ……!そこ、もっと……」

 とんとんとリズミカルに浅く突き上げるだけで彼は気持ちよさそうにしていて、もっと激しく深く突き上げたらどうなってしまうのだろうかと期待してしまう。
でも、いきなりそんなことをしたら彼は壊れてしまわないだろうかと若干の不安も残る。
 結局少しずつ慣らすように進めていこうと決めた僕は、緩急つけながら彼の中を抉っていった。
初めは緩やかに突き上げていたが、少しずつ腰の動きを大きくしてより深く彼と繋がろうと試みる。
 少しずつ強まっていく快感に彼は翻弄されて、ずっと喘ぎっぱなしだ。
普段は低くて落ち着いた声で話す彼の声も、今では甘くて高くて、最高に可愛い艶かしい声をあげている。

「こんな声で喘いで、いやらしいですね」
「ひゃああ、あ、いやぁ―――!」
「いやな訳、無いでしょう?どうして嘘、つくんですか……?」

 ぬるついてまた勃起してしまっている性器を弄びながらそう責めれば、彼はまたごめんなさいと零した。
もう謝罪する必要は無いというのに、セックスの最中に言われる「ごめんなさい」は僕を妙に興奮させて。
 もっと、もっと言わせたくなる。

「お父さんがこんなに淫乱だとは、思いませんでしたよ……?普段は涼しそうな顔をされているのに、今のぐちゃぐちゃな顔、あなたに見せてあげたいです」
「いや、いやだぁ―――!」

 恥ずかしそうに顔を覆い隠そうとしたものだから、両腕をシーツに縫い付けてその行為を阻む。
折角の可愛い顔が見えなくなるのはもったいない、台無しだ。





続く


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