狂った赤


頭上には赤い三日月。

そう見えるのは目の前が真っ赤に染まっているせいかもしれない。

そう思いながら、エドワードは機械鎧にこびり付いた鮮血を舐めとった。

「アンタ達が悪いんだぜ?俺様にホイホイついてくるからだ」

ククッ、と嘲り笑ってやる。
そして機械鎧の刃を納めるとエドワードは転がった男達に歩み寄った。
しゃがみ込んで一人の男の顔をのぞき込むと、まだ気を失っておらず、苦しそうに顔を歪めている。

「ははっ、まだ意識があるわけ?」
「クソッ、何が抱かせてやるだ…ふざけるな!」

男が吐き捨てた台詞にエドワードは愉快げに笑った。
まさか本気にした?と言ってやると男は悔しそうに舌打ちをした。

のぞき込んだ男の顔は多少は整っていて短い黒髪。
エドワードが誘った時点でついてくるのは相当頭の悪い証拠だが。


悪くはない。


「かわいそうなアンタに少しだけいい思いさせてやるよ」

そう言うとエドワードは突然ベルトに手をかけ、ズボンを脱ぎ始めた。
男は何事かと驚いたようにその様子を見つめる。
あっと言う間にすべてを取り去って裸になった少年の中心は。

「お前、とんでもねー変態だな」
「だろ?アンタみたいな奴の血を見るとスゲェ興奮する」
「へぇ…」

ひきつった笑顔を浮かべて男は少年を見つめる。

「アンタみたいな黒髪で、背が高くて、ちょっと顔が良い奴を俺が傷つける。それがいいんだ」

どこか恍惚とした表情でそう語る少年に男は危険な何かを感じ取っていた。
それを知ってか知らずか、エドワードは高ぶった自身に手をかけ、上下に動かし始める。
再び驚いた顔をする男の目の前に勃立を突きつけ、エドワードはそれをやめようとしない。
時折、ぴぴっと先走りが男の顔に飛び散る。

「はっ、はっ…もっと…!」
「ちょっ…ッ!」

エドワードは男を切りつけた時に出来た切り傷に手を伸ばすと鮮血をすくい上げた。
男は痛みに顔をしかめながらその血の行方を目で追う。
その血がエドワードの性器に塗り付けられようとした。






「また君はそのようなことをしているのかね?」






突然裏路地に響きわたった低い男の声に、その手がぴたりと止まる。
男はばっとその声に顔を上げた。
視線の先には黒髪、長身、自分とは比べ物にならないような整った顔立ちをした軍人が立っている。
もしや、この少年はこの男と自分を重ね合わせて…と思った時。
エドワードがゆらりと立ち上がった。

「たい、さ…」

そう呟くと、エドワードは両手を合わせて右手を刃に変形させる。
そしてまっすぐ大佐と呼ばれた男に向かって突進した。
振り上げられた刃は大佐を斬り裂こうと意志を持ち、大佐に向かって振りおろされる。
しかし、彼を斬り裂く前にエドワードが爆風によって吹き飛ばされた方が早かった。

「くっそ…!」

エドワードは慌てて体勢を立て直そうとする。
しかし、額にザリ…と発火布の感触がして苦い笑みを浮かべた。

「赤の他人を巻き込むな」
「だったらテメーの血を見せやがれ」

負けずと言い返すエドワードに呆れた表情を浮かべると、大佐…ロイはひざまづいていた膝でエドワードの勃立を踏みつけた。
苦しそうな声を上げ、床に沈んだエドワードを確認するとロイは男に目を向ける。
ビクッと男の表情は強ばり、動けないとばかりに固まった。
そしてロイはただ一言男に言い放つ。

「これは私のモノだ」

その一言に弾かれたように男は悲鳴を上げ、体を無理矢理起こすとその場から逃げたした。
ほかにも何人か転がってはいたが、意識がないのでいてもいないと同然だと判断したロイは再びエドワードに視線を戻す。
そこには血にまみれて下半身を興奮させた、異様な姿をした少年がいた。

「血を見て性的に興奮すると?まったく、君は本当にとんでもない嗜好の持ち主だ」
「はっ、アンタに雰囲気が似た奴限定だけどな」
「さらにたちが悪い」

ロイはため息をつくとエドワードの性器に手をかけた。
びくりと腰が痙攣し、先端から涙がこぼれ出す。
それを全体に塗り込めるようにして動かすしてやるとエドワードは苦しげに声を上げた。

「だめっ、イク…!」
「おっとそれはいけない」

限界を訴えたそれからぱっと手を離すと、ロイは根元をゴムで縛り上げる。
それに気がついたエドワードは狂ったように悲鳴を上げ、嫌がった。
しかし、それはロイに聞き入れられることはなく。

「君が私以外の男に痴態を晒した罰だ、今日はイかせてやらん」
「そんな、嫌だぁ…!」

必死に頭を振って抵抗するも、全く持って無視をされ、エドワードは絶望的な状況に涙を流した。
ばたばたとばたつかせていた足も押さえつけられ、そのままの状態でペニスを銜えられる。
突然のことにヒッ、と息を飲むとエドワードは身を固くした。

「ア゛、ア、アアァア…」

段々と全身ががたがたと震えだし、少年が限界をとうに迎えていることが伺い知れる。
それでも全くやめてやるつもりのないロイは舐めていた性器を口からだし、その舌を双玉の下部で密かに息づく蕾にねじ込んだ。
十分に濡れそぼつと、指を一本、二本…と増やして慣らしていく。

「あっと言う間にユルユルじゃないか…そんなにほしいのか?」
「ほ、ほしい…!大佐が、ほし、あ、あぁあぁ!」

言い終わらないうちに挿入された衝撃に目を見開く。
ぐじゅ、とイヤラシイ音が響きわたってエドワードは体を震わせた。
限界を超えるまで我慢させられた体はもうこれ以上我慢が出来るはずもなく。
エドワードは必死に自らに手を伸ばして戒めを取ろうと躍起になった。

「こら、勝手なことをするんじゃない」
「ヤダッ、イかせて!助け…」

エドワードが暴れた途端、ちょうど中指がゴムに引っかかって戒めが外れる。
そして勢いを失わないままエドワードの右手はロイの頬を掠めた。
ツッ、と切り傷が出来、頬から少量の血が流れ出す。
それをみた途端、エドワードの体には電流が走り抜け、からだが震えた。

「ヒアアァア───ッ!」
「く、そ…!」

激しい締め付けにロイは不覚にも中に放ってしまう。
エドワードは熱い飛沫を体の奥に感じながら果て、気を失った。

体から力が抜け落ち、死んだように動かなくなったエドワードを抱き上げながらロイは呟く。







「全く君は狂っているよ」













end











ロイの血に飢えるエドワード

しかし、はじめ書きたかったものが何だか途中で分からなくなってぐだくだな出来上がりになってしまった







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