アダルトビデオ


※注意
これは大佐一人で見ないと絶対に後悔します










「なんだこれは…」

さわやかな朝、外は快晴。
気持ちよく出勤してきたロイは、机の上に置いてあった郵便物を見て眉をしかめた。
少し大きめの封筒に入ったそれは、若干重い。
送り主を確認しようと封筒を裏返すと、そこには見慣れた名前が…

「エド…?何なんだ?」

貸した本をわざわざ郵送して返してくるような奴ではないし、だからといって土産物を送ってくる奴でもない。
不思議に思いながらも開封すると、一本のフィルムが入っていた。
そして、一枚の手紙も同封されている。
ロイはそれをぱっと開いて内容に目を通した。
そこには一言。

「注意…これは大佐一人で見ないと絶対に後悔します…?」

なんじゃそりゃ…

とにかくこれはみた方がよいのだろうかと、視聴覚室へ向かう。





もちろん一人で…











ロイは視聴覚室に着くと、暗幕を引きフィルムを再生機にセットする。
そしてコンセントを繋げると、再生スイッチを押した。
すぐにそれは再生され、ホテルの一室だと思われる部屋が映し出される。
近くでエドワードの声が聞こえるが、画面には映し出されない。
なんなんだと思っていると、画面の上からエドワードの顔が覗いた。

『あーこれ写ってんの?』

間抜けに画面をのぞき込むエドワードの顔に吹き出しそうだ。

『よっ、大佐!最初に言っとくけど周りには誰もいねーよな?さっさと人払いをする!』
「誰もいないから用件をさっさと話したまえよ…」

彼の顔が見ることができたのは非常に嬉しいのだが、何を企んでいるのだろうかと思うとため息がでる。
驚かせるならさっさと驚かせて、終わらせて欲しい。
そんなロイの気持ちを裏切り、エドワードはにんまり笑うとソファに腰掛けた。

『今日は欲求不満なロイにプレゼントですイエーイ!』

画面の向こうではエドワードが勝手に盛り上がって手を叩いている。
からかうならさっさとしてくれ、と思いつつロイはソファの背もたれにどっかりと背を預けた。

「しかし欲求不満とは何だ、欲求不満とは…帰ってこない君が悪いんじゃないか」

そう、愚痴を漏らしたとき。
何故か画面のエドワードはいそいそと上着を脱ぎ始める。
驚き、唖然としているとその手はベルトにのばされた。
さすがにまずいと感じたロイは慌てて一時停止ボタンを押す。

「なっ、なんなんだ!」

止まったままの画面を見つめながら、ロイは口をあんぐり開けて呆然とした。
恐らくこのまま見続ければとんでもない映像を見ることができるであろう。
しかし、そのようなものをこんなところで見る勇気など持ち合わせていない。
やめてしまおうと停止ボタンを押そうとする。
しかし、固まったままの画面には誘うようにロイを見つめるエドワードがいた。
ロイはごくり、と生唾を飲み込む。
無意識のうちにロイは視聴覚室のドアの鍵を閉め、またソファに座りなおしていた。
震える手で再生ボタンを押す。

『ロイ…ズボン脱いでもいい?』

艶めかしく微笑みながら、エドワードはズボンをするりと脱ぎ去った。
タンクトップ一枚と下着のみになったエドワードの下半身は、主張を始めているのがすぐに分かるほど勃起している。
エドワードはそのロイの目線に気づいているのかいないのか、下着を肌にぴっちりつけるように引っ張ると、画面に自分が横に移るように体を動かした。

「────ッ!」

ロイは顔を真っ赤にし、口元を手で覆う。
そこには下着の上からはっきり主張しているペニスの形が映し出されていた。

『どうしよ…ちんちんがパンパンなんだけど…』

今度は正面に向き直ってゆっくりと下着を脱ぐ。
ぷるんっ、と可愛らしく揺れながらエドワードのペニスが顔を出した。
先端ににじむ先走りを人差し指で馴染ませながら、エドワードはゆっくりと皮を剥く。
ずるっとすべてが露わになって、少年は切なげな表情を見せた。
早く刺激が欲しいとばかりにエドワードはペニスを握り込むとゆっくりしごきだす。

『ねっ、ロイ…ロイもしてる?』
「うっ…」

まだきっちり着込んだままの軍服のスラックスの下では完全に勃起したロイ自身が。
どうしたものかと下半身を押さえつけてロイは頭を悩ませた。

「私は何をやってるんだ…初めてAVを見る童貞か!」

ここは腹を決めてオナニーしてしまうべきなのか、と本気で悩んでいると画面から甲高い悲鳴が聞こえる。
はっとして顔を上げるとエドワードは限界が近づいているのか、早いスピードで自身を擦りあげていた。

『ロイッ…!イく、俺も、我慢できな…!』

はっ、はっ、と荒く息をつきながらエドワードはふらりと立ち上がる。
そして撮影している機材の前に立ち、赤く腫れ上がったソコを見せつけた。
あまりの大胆さにロイは顔を覆ってしまう。
しかし、指の間からこっそりと画面を覗き見し、エドワードの最後を見届けようとした。

『ねっ、ロイ…出したくてっ、ヒクヒクするんだ…』
「あぁ、知ってるよ…」
『もっ、限界…!イってイイ?イって…あっ、ああぁ!』
「あぁ、存分にまき散らせばいい…」

その言葉を待ってか、エドワードのペニスからは白濁の液体が飛び散り、画面は真っ白に染まった。
そして、達したエドワードの小さな喘ぎと荒い息が聞こえてくる。

『はっ、う…後ろも、欲し…!』
「エドワード…!くそっ!」

その言葉にロイはもう我慢できないとばかりにスラックスのジッパーに手をかけた。

そのとき。







ブツン









不吉な音と共に暗転する画面。
非常にいやな予感がする。

恐る恐るフィルムを見ると。

「切れてる…」

このフィルムはどれだけ安物だったのか、それとも使い古しだったのか。
途中で切れたフィルムの端をぺらぺらと揺らしながら、回る映写機を前にして大人げなく叫ぶ大人が一人。

「私にどうしろと言うんだ────!」

猛った自身を押さえつけてメソメソ泣くロイの声は、寂しく視聴覚室に響きわたった。




ちなみに、エドワードが錬金術でフィルムが切れるようにしていたのをロイが知ったのはそれから数日後のことであった。








end









哀れ、ロイ・マスタング氏。

欲求不満なロイをさらに欲求不満にする、小悪魔エド。
ちなみにエドも欲求不満で、帰ったときに激しくして欲しいからわざとこうした、とかだったらいい。







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