恋する気持ち

エドの場合
ロイの場合


















ねぇ、知ってる?
俺ってば最近おかしいんだ。
最後にあってまだ二週間しかたってないのに、セントラルに帰りたい。
見れば見るほど腹の立つあんたの顔がみたいだなんて、おかしいんじゃねぇの?







「よっ、大佐」
「…鋼の?随分早いじゃないか」

結局逢いたくて戻ってきてしまった。
なんだか照れくさくなるけど、それがばれないよーに、ばれないよーに…

「ちょっとな、確かめたいことがあって」
「ほぅ、何だね?私に何かできることがあれば言いたまえ」

アンタが好きかも知れないから確かめにきました、だなんて言えるか!
心の中でそう悪態をつきながら、俺は首を横に振った。

「いや、俺自身の問題だからいいや」
「あまり一人で抱え込むなよ?」
「そんな、良いの!もう解決したから」

不思議そうな顔をして大佐は頭をあげた。
そんな奴がたまらなく愛おしく思うだなんて。

やっぱり俺はどっかおかしいらしい。

あんたのその間抜けな面を見て、なんだか心が暖かくなっちまうだなんて。
ちょっぴり頬が熱いだなんて。

そんなの信じられないけど。



「やっぱ好きなのかも…?」
「なにが?」

ますます不思議そうな顔をして、眉間にしわを寄せる彼を見ながら。


まだまだ、この気持ちは内緒にしておこうと思った。























最近鋼のがおかしい。

前までは私の顔を見るだけで嫌そうな顔をしたり面倒くさそうな顔をしていたのに。
なのに最近はよく帰ってきては私の顔を見に執務室にやってくる。
はじめの方はセントラルに気になる女でもできたのだろうかと思っていたが、どうやら違うらしい。

「なぁ、鋼の」
「んー?」

ソファで暢気に本を読んでいる彼に意地悪な質問でもしてみようではないか。

「セントラルに気になる人でもできたのかい?」
「は…?えっ、何言ってんだよ!」

ちょっと焦っている、これは図星だな?
では、次の質問。

「どんな子だい?可愛い系?きれい系?」
「そんなんじゃねーよ…でもどっちかと言うと…」

そういって鋼のは本から目を離して、私を見る。
そして一言。

「きれい系かも」
「ふーん…じゃあ体型は?」

ほら、こうボインだ!とか、腰がきゅっとしているとかあるだろう?
そう、問いかけるとまた彼は困ったような顔をして次は私の体をじーっと見ている。


…分かりやすい奴だ。


「別にそんなんじゃなくてさ、なんかバランス良い体だと思う。すげぇ鍛えてそうだし」

君の目にはそう写っているのだね、結構結構。
その通りだよ。
では、最後の質問だ。

「君が好きなのは私かい?」
「あー、うん…て、え?」

普通に答えかけた鋼のはびっくりした顔で私を見ている。
びっくりしたとか、そんなものじゃないな。
何というか、間抜けな顔だ。
そんな顔を見て私は吹き出した。

「…ぶっ!」
「なっ、笑うな!い、今のは流れで!ノリで!」

君はそうやって言い訳をしているけれど。
私は君の嘘だと見抜いているよ。



だから君がちゃんと私に気持ちを伝えに来たときに出せる返事はもう用意しておこうと思う。





あきゅろす。
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