やるせない性2・2
ぼんやりそう思いながら、俺は彼の前に跪いた。膝の上に両手を置いて、話しかける。
「好きになってほしい?」
「いやです、好きになんてならないで下さい」
 ほら、やっぱり。
「じゃあ嫌いになってほしい?」
「―――それは、もっといやです…!」
「一樹君はわがままだねぇ…」
 そんなところも可愛いけど、だなんて呟きながら俺はスラックスにそっと手をかけた。驚いたよう一樹君は思い切り俺の腹を蹴り上げる。
「う、ぐ…!」
「す、みません…!」
「はは、蹴っちゃっていいのかなぁ?」
 そういえば、顔をくしゃくしゃにして彼は泣き始めた。
「助けて、助けて…!」
 ああ、なんて可愛い叫びなんだろう。俺はゆっくりと頭を撫でてやりながら、抱きしめてやった。彼はといえばあんなに避けていた俺の胸にすがり付いて泣いている。
 もう、可愛くて可愛くて仕方が無くなった俺は泣いている顔を覗き込んだ。もちろんそこには興奮してたまらない顔が隠れていたわけで。
 そんな可愛い顔に付属している唇に吸い付くと、ぬるりと舌を口内に滑り込ませる。驚いたように体が跳ね上がった、構うことなく唇を貪り続けた。
「ん、ん…」
 クチュクチュと濡れた音が室内に響き渡って、耳に響いてくる。ああ、鼓膜までもが犯されている気分だ。
「本当の君を教えてよ」
「本当の、僕?」
「そう、全部教えて」
 全部受け入れてやるからさ?と首をかしげながら言うと、彼は怒ったような顔をした。今までに見たことの無いような、残酷で冷たい表情。こんな顔も出来るんだと思いながら挑発する。
 どうする?と尋ねながら頭を撫でてやれば、いきなり強い力で引っ張られてベッドに押し倒された。突然のことに驚いていれば白衣の下にあったズボンを下ろされて。
「な、にするんだよ!」
「なにって、ナニに決まっているでしょう?あなただってこれを望んでいたんじゃないんですか?」
 それはそうなのだが、いきなりの変貌振りに戸惑いが隠せない。どうしようかと視線を彷徨わせていれば、いきなり前を下着越しに握られて体が竦んだ。
 本気でコイツは俺を犯そうとしている。そう思えばおかしくてたまらなかったが、ちょっと怖がるフリをしてやろう。そうすればコイツも、俺も燃え上がる。
「や、いや…!」
「おや、自分から誘っておいて嫌なんですか?変わったことを言われますね」
 ちょっと抵抗すれば笑みを浮かべて彼は俺の下着の中に手を突っ込んできた。もちろん、可愛い彼のせいですでに臨戦態勢のソレがあって。
 馬鹿にしたようにそのことも詰られて、俺は興奮しっぱなしだ。
「もう勃起していますよ?」
「嫌、嘘…!」
「本当はずっとこうなっていたんでしょう?あなたも淫乱で変態だから」
「あ、アッ!」



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